「初めまして！新入りちゃん？」
私に話しかけてきたのは、ツヤツヤした綺麗な黒髪をポニーテールにして、白のシャツワンピに黒のポンチョを羽織っている女の子。
新入りちゃんって…
「あの、ここって…？」
「やっぱり、新入りだね！ここは、[太字]小説都市ノベルシティ[/太字]。ここにいる人達みーんな、小説家なの！」
本棚の本を見せながら、そう説明してくれた。
(小説都市…ますますルカみたいな感じだなぁ…)
「って、言ってなかったね！私は[漢字]一月[/漢字][ふりがな]いつき[/ふりがな]！さっき君が読んでた、『地下のお店の仕事』の作者なの！」
「一月さん…私は、尊です。気付いたら、ここに居ました…」
「まぁ、簡潔に言うと、転生って感じだね。」
「転生…」
「ねぇ、尊ちゃんはどんな小説書いてるの？」
「えっと…」
一応、ネットに投稿してるから見せることは可能なんだけど…
「うっ…これ、です…」
一月さんに、私の小説、『プロ殺し屋の私でも殺せません！』を見せる。
異世界歌い手も悪くないは、まだ完結できてないから、完結しているこっちにしたんだ。
(どうかな…)
「面白いっ！尊ちゃん、すごいじゃんっ！まぁ、ここに招待された時点ですごいんだけど～…」
「招待…？」
「あぁ、ごめん、ごめん！こっちの話！」
一月さん、ところどころ不思議なところがあるなぁ。
「ここは、普通に学校もあってね。でも、勉強なんて面倒くさいものじゃないよ、小説の授業なの！ペアで小説を書いたり、書き方について学んだり。」
「すごい…！楽しそうっ…」
「でしょ～？まぁ、とりあえず尊ちゃんの話とか聞かせてよ！」
「わわっ…！」
一月さんにぐいぐい引っ張られて、図書館の外に出た。