妖怪*コメディ
希空は、板挟みになりながら、何と無く上を見上げた。
視線を感じたからである。
(…ま、気のせいだよねえ)
そこに、涼やかな音が聞こえた。
[斜体]チリン…[/斜体]
(!!!???)
[斜体]チリン…[/斜体]
やはり聞き間違いではない。
希空は無意識のうちに如匁の服を掴んだ。
「希空ちゃん、どうかした?」
希空にはこんなにはっきりと聞こえるのに、如匁には聞こえないのか。耳が良さそうな瑚猫に聞いてみる。
「ねえねえ、なんか鈴みたいな音しない?」
覚凪を抱っこしていた瑚猫が首を傾げる。
「希空、思い出したか?」
「違う…!」
やはり聞こえないのだ。人外にも。
ということは、だ。
「人間にだけ聞こえる音?」
希空はそうっと二人の間を抜け出し、廊下の奥に歩いた。
[斜体][大文字]チリン…[/大文字][/斜体]
「だれかいるのーっ?返事をしてーっ!」
希空は声を張り上げた。そこで、頭によぎった記憶…。
いつか、こんな感じに声を枯らしたような…。
「くうっ!」
頭に激痛が走った。でも、前を向いて歩く。
「誰かー!いるなら返事をっ…」
急に、自分の馬鹿さに気づいた。
人のいるはずのない廊下で、声を張り上げるなんて。
「かーえろっ。馬鹿みたい」
後ろを振り返って歩き出…せない。
(え!?え?なんで!?)
[斜体]いかないで[/斜体]
「だれ!?」
「ごめんなさい、驚かせてしまって」
そう言って廊下の奥から姿を現したのは…。
視線を感じたからである。
(…ま、気のせいだよねえ)
そこに、涼やかな音が聞こえた。
[斜体]チリン…[/斜体]
(!!!???)
[斜体]チリン…[/斜体]
やはり聞き間違いではない。
希空は無意識のうちに如匁の服を掴んだ。
「希空ちゃん、どうかした?」
希空にはこんなにはっきりと聞こえるのに、如匁には聞こえないのか。耳が良さそうな瑚猫に聞いてみる。
「ねえねえ、なんか鈴みたいな音しない?」
覚凪を抱っこしていた瑚猫が首を傾げる。
「希空、思い出したか?」
「違う…!」
やはり聞こえないのだ。人外にも。
ということは、だ。
「人間にだけ聞こえる音?」
希空はそうっと二人の間を抜け出し、廊下の奥に歩いた。
[斜体][大文字]チリン…[/大文字][/斜体]
「だれかいるのーっ?返事をしてーっ!」
希空は声を張り上げた。そこで、頭によぎった記憶…。
いつか、こんな感じに声を枯らしたような…。
「くうっ!」
頭に激痛が走った。でも、前を向いて歩く。
「誰かー!いるなら返事をっ…」
急に、自分の馬鹿さに気づいた。
人のいるはずのない廊下で、声を張り上げるなんて。
「かーえろっ。馬鹿みたい」
後ろを振り返って歩き出…せない。
(え!?え?なんで!?)
[斜体]いかないで[/斜体]
「だれ!?」
「ごめんなさい、驚かせてしまって」
そう言って廊下の奥から姿を現したのは…。