【参加型】アークライト魔道具店に今日も何方か来たようです。
《side ブレンダ・アークライト》
「さぁて、どんな魔道具を仕入れましょうか。面白いモノ、見つかると良いんですが…」
今、私は魔道具職人がたくさん住んでいる職人街を歩いています。色んな工房を覗きながら歩くの、すごく面白いです。
ちなみに、今日の私は非常に機嫌がいい方です。何か面白い事が起きそうな予感がするので。
なんせ、普段滅多な事では予算を下ろしてくれないカノが、今日はふんだんに渡してくれたんですよ?
そりゃあ、機嫌も良くなって当然というモノでしょう?
ええ、何考えてるか分からないって言われる私にだって、感情ぐらいキチンとありますよ。当然です。
「まぁカレの場合、小説のネタにしようとしている可能性が大なんですケド…」
でも、私も面白いし別に構いません。人が何考えてるかなんて分からないし、正直どうでも良いので。
おや、この工房…入った事がない気がします。新しく建ったんでしょうか。覗いてみるしかありませんね!
「ごめんくださーい。」
軽くノックしてソコに入ると、ふわりとした良い匂いがします。
これは…紅茶でしょうか。私はあまり飲みませんケド…結構美味しいモノだと聞いた事があります。
「いらっしゃい〜。あ、良いモン無かったら俺に言ってな?あっちの棚のは俺が作ったヤツやから。」
テーブルについて何やら作業をしていた背の高い男性が、顔をあげてニコリと笑いました。
紫の髪に、紫がかった灰色の瞳。大きめの緑色のズボンが中々オシャレです。
紅茶も、ココの職人らしきカレが飲んでいたモノみたいですね。こざっぱりとしていて整った作業台があって、中々良い雰囲気の工房です。
「そうなんですか。私は魔道具店を営んでいる者で…ブレンダと申します。いくつか仕入れたいので、作品を拝見させて頂いても?」
ええで、と軽い関西弁で言われたので見回してみると、面白い作りをしているモノがたくさん見受けられます。
あ、コレとかぜひ仕入れたいですね…
おやおや、コッチも中々です。
コレ、どんな挙動するのか非常に気になりますね…
たっぷりと魔道具の世界に浸っていると、職人サンから声をかけられました。
「じっくり見とるが…何が欲しいんや?」
「いえ、特に。面白いモノを探しに来ただけですね。」
そんなモンか、と呟くカレに背を向け、私は再び店内を見渡します。
おや、アレも結構良いかもしれません。
ソッチは…かなり大きいですね。でも面白そうです!
そうなれば…うん、決まりました。
「コレとコレとソレと…あとアレも、お願いします!」
「多いなぁ、持って帰れるんか?」
心配はご無用です、なんせこのバッグがあるので!と言って、カレの前でバックを広げます。
このバッグ、前に私の固有魔法で性質を変化させたら、なんでも入るようになっちゃったんですよね。でも便利なので、そのまま使ってます。
「こりゃまた、おもろいな…どういう仕組みなんや?」
「分かりません!」
まぁ面白いし良くないです?と言うと、まぁそんなモンか、と納得したように笑う職人サン。
私が言うのもアレですが、このヒト割とアレですね。おっとりってヤツなんです?
しかし改めて近くで眺めてみると…ホントにキレイな作りですね、この魔道具。
丁寧でキメ細かい作業が得意な方のようです。
普段なら値切るトコなんですが…値切れる理由が見つかりません。
うーん、むしろ値切るより、ウチの専属になってほしいところです…
「しかし良い買いっぷりやなぁ…君、どこの店なんや?」
「ああ、アークライト魔道具店ですよ。祖父から数年前に継いで、今は私が店主です。」
驚嘆の表情になるカレ。まぁ私のお店、普通は行けませんからね。
あ、もしかして伝説みたいになってるんでしょうか。ソレなら、ちょっと面白いかもです。
「そうだ、アナタの名前を聞いても?というか、一人でココやってるんです?」
「俺はミオ・スミーラや。そんで、師匠っつーか親方がおるで。今たまたま俺しかおらんだけや。」
ふむふむ…やっぱり、スカウトしてみましょうか。面白そうな気配がするんですよね、この方。
このトシまで生きてきて、私の直感はハズれたコトはありません。
…いや、ちょっと嘘つきました。たまにハズします。でもタマにですタマに。
まぁいいです。モノは試しって言いますし、声だけでもかけてみましょう!
「アナタ、ウチの専属になる気はないです?住み込みですが、食費と家具はコチラ持ちですよ?」
「また急やな…確かに、そろそろ独り立ちしよとは思っとったが……」
お、コレは好感触!このままガンガン行ってみましょうか。
ドコから落とすのが早いですかね…
やっぱり、広くて自由に使える工房?それとも沢山の材料なんです?
「分かった分かった、ちょいと落ち着きや。せやけど親方に話通してから…」
「分かりました、いくらでも待ちますとも!ソレで、その親方サンとやらはいつ帰ってくるんです?」
あと数分もせず帰ってくるで、と言われた直後、どうやらその親方サンらしき方が帰って来ました。背の高い、見るからに矍鑠としたお爺さんですね。
さぁ、どうやって丸め込…ん、失敬。どう説得しましょうか。
「ああ、いらっしゃいましたか。今、この方にウチの専属になって頂けないかと打診していまして…」
「ハァ!?急にやって来て一体全体なんだって言うんだ!?」
おやおや、随分お元気な方ですねぇ。でもこの手合いなら説得なんてラクなモノ、チョチョイのチョイ、です。
[水平線]
「いやぁ、ブジに説得カンリョーです!」
「ブレンダ…やったか。すごいやん君。あの人、めっちゃアタマ硬いねんで。」
工房から一歩踏み出して伸びをしていると、ミオサンは驚いたような顔でこちらを見ています。頭が硬い…良く分かりませんね。
確かに面白い方ではありますが、あの程度で簡単に丸め込めるようじゃ、まだまだなんじゃないです?
「そんなモンなんか…」
「そんなモノなんですよ。それじゃ、荷物まとめて来て頂けます?ソレとも私が手伝いましょうか。」
さすがにそれは自分でやるで、と言いながら部屋に向かわれるミオサン。
数分後、戻ってきた時にはもうトランクを抱えていました。そして、なぜか右手には巨大なぬいぐるみ。とても大きいです。人間並みのサイズなんて、そう滅多にお目にかかれるモノじゃないと思います。
「なんなんです?そのぬいぐるみサン。」
「俺の宝物や。一応聞くが…こいつも連れてってええか?」
なるほど、大切なモノなんですね。コッチにまで持ち込む意味は分かりませんが…コレを言ってしまうと大抵の方は怒ります。
せっかくの優秀な方なのでソレは避けたい…となれば、深く気にせずこのぬいぐるみサンごと受け入れる事にしますか。
「構いませんよ。広く見積もっても八畳くらいの部屋なので、場所はかなり取ってしまうと思いますが。」
「おおきに。ああそうそう、広さの方は問題ないで。」
ソレなら良かったです。
いやぁしかし、良い買い物をした上にいい職人サンまで雇えた私、すごくないです?ブレンダさん大勝利ー!じゃありません?
うんうん、コレでようやく本格的にお店が開けます!
「それじゃあ、よろしくお願いします。」
「せやな、これからよろしゅう。」
ええ、面白いモノたっくさん作りましょうね!
「さぁて、どんな魔道具を仕入れましょうか。面白いモノ、見つかると良いんですが…」
今、私は魔道具職人がたくさん住んでいる職人街を歩いています。色んな工房を覗きながら歩くの、すごく面白いです。
ちなみに、今日の私は非常に機嫌がいい方です。何か面白い事が起きそうな予感がするので。
なんせ、普段滅多な事では予算を下ろしてくれないカノが、今日はふんだんに渡してくれたんですよ?
そりゃあ、機嫌も良くなって当然というモノでしょう?
ええ、何考えてるか分からないって言われる私にだって、感情ぐらいキチンとありますよ。当然です。
「まぁカレの場合、小説のネタにしようとしている可能性が大なんですケド…」
でも、私も面白いし別に構いません。人が何考えてるかなんて分からないし、正直どうでも良いので。
おや、この工房…入った事がない気がします。新しく建ったんでしょうか。覗いてみるしかありませんね!
「ごめんくださーい。」
軽くノックしてソコに入ると、ふわりとした良い匂いがします。
これは…紅茶でしょうか。私はあまり飲みませんケド…結構美味しいモノだと聞いた事があります。
「いらっしゃい〜。あ、良いモン無かったら俺に言ってな?あっちの棚のは俺が作ったヤツやから。」
テーブルについて何やら作業をしていた背の高い男性が、顔をあげてニコリと笑いました。
紫の髪に、紫がかった灰色の瞳。大きめの緑色のズボンが中々オシャレです。
紅茶も、ココの職人らしきカレが飲んでいたモノみたいですね。こざっぱりとしていて整った作業台があって、中々良い雰囲気の工房です。
「そうなんですか。私は魔道具店を営んでいる者で…ブレンダと申します。いくつか仕入れたいので、作品を拝見させて頂いても?」
ええで、と軽い関西弁で言われたので見回してみると、面白い作りをしているモノがたくさん見受けられます。
あ、コレとかぜひ仕入れたいですね…
おやおや、コッチも中々です。
コレ、どんな挙動するのか非常に気になりますね…
たっぷりと魔道具の世界に浸っていると、職人サンから声をかけられました。
「じっくり見とるが…何が欲しいんや?」
「いえ、特に。面白いモノを探しに来ただけですね。」
そんなモンか、と呟くカレに背を向け、私は再び店内を見渡します。
おや、アレも結構良いかもしれません。
ソッチは…かなり大きいですね。でも面白そうです!
そうなれば…うん、決まりました。
「コレとコレとソレと…あとアレも、お願いします!」
「多いなぁ、持って帰れるんか?」
心配はご無用です、なんせこのバッグがあるので!と言って、カレの前でバックを広げます。
このバッグ、前に私の固有魔法で性質を変化させたら、なんでも入るようになっちゃったんですよね。でも便利なので、そのまま使ってます。
「こりゃまた、おもろいな…どういう仕組みなんや?」
「分かりません!」
まぁ面白いし良くないです?と言うと、まぁそんなモンか、と納得したように笑う職人サン。
私が言うのもアレですが、このヒト割とアレですね。おっとりってヤツなんです?
しかし改めて近くで眺めてみると…ホントにキレイな作りですね、この魔道具。
丁寧でキメ細かい作業が得意な方のようです。
普段なら値切るトコなんですが…値切れる理由が見つかりません。
うーん、むしろ値切るより、ウチの専属になってほしいところです…
「しかし良い買いっぷりやなぁ…君、どこの店なんや?」
「ああ、アークライト魔道具店ですよ。祖父から数年前に継いで、今は私が店主です。」
驚嘆の表情になるカレ。まぁ私のお店、普通は行けませんからね。
あ、もしかして伝説みたいになってるんでしょうか。ソレなら、ちょっと面白いかもです。
「そうだ、アナタの名前を聞いても?というか、一人でココやってるんです?」
「俺はミオ・スミーラや。そんで、師匠っつーか親方がおるで。今たまたま俺しかおらんだけや。」
ふむふむ…やっぱり、スカウトしてみましょうか。面白そうな気配がするんですよね、この方。
このトシまで生きてきて、私の直感はハズれたコトはありません。
…いや、ちょっと嘘つきました。たまにハズします。でもタマにですタマに。
まぁいいです。モノは試しって言いますし、声だけでもかけてみましょう!
「アナタ、ウチの専属になる気はないです?住み込みですが、食費と家具はコチラ持ちですよ?」
「また急やな…確かに、そろそろ独り立ちしよとは思っとったが……」
お、コレは好感触!このままガンガン行ってみましょうか。
ドコから落とすのが早いですかね…
やっぱり、広くて自由に使える工房?それとも沢山の材料なんです?
「分かった分かった、ちょいと落ち着きや。せやけど親方に話通してから…」
「分かりました、いくらでも待ちますとも!ソレで、その親方サンとやらはいつ帰ってくるんです?」
あと数分もせず帰ってくるで、と言われた直後、どうやらその親方サンらしき方が帰って来ました。背の高い、見るからに矍鑠としたお爺さんですね。
さぁ、どうやって丸め込…ん、失敬。どう説得しましょうか。
「ああ、いらっしゃいましたか。今、この方にウチの専属になって頂けないかと打診していまして…」
「ハァ!?急にやって来て一体全体なんだって言うんだ!?」
おやおや、随分お元気な方ですねぇ。でもこの手合いなら説得なんてラクなモノ、チョチョイのチョイ、です。
[水平線]
「いやぁ、ブジに説得カンリョーです!」
「ブレンダ…やったか。すごいやん君。あの人、めっちゃアタマ硬いねんで。」
工房から一歩踏み出して伸びをしていると、ミオサンは驚いたような顔でこちらを見ています。頭が硬い…良く分かりませんね。
確かに面白い方ではありますが、あの程度で簡単に丸め込めるようじゃ、まだまだなんじゃないです?
「そんなモンなんか…」
「そんなモノなんですよ。それじゃ、荷物まとめて来て頂けます?ソレとも私が手伝いましょうか。」
さすがにそれは自分でやるで、と言いながら部屋に向かわれるミオサン。
数分後、戻ってきた時にはもうトランクを抱えていました。そして、なぜか右手には巨大なぬいぐるみ。とても大きいです。人間並みのサイズなんて、そう滅多にお目にかかれるモノじゃないと思います。
「なんなんです?そのぬいぐるみサン。」
「俺の宝物や。一応聞くが…こいつも連れてってええか?」
なるほど、大切なモノなんですね。コッチにまで持ち込む意味は分かりませんが…コレを言ってしまうと大抵の方は怒ります。
せっかくの優秀な方なのでソレは避けたい…となれば、深く気にせずこのぬいぐるみサンごと受け入れる事にしますか。
「構いませんよ。広く見積もっても八畳くらいの部屋なので、場所はかなり取ってしまうと思いますが。」
「おおきに。ああそうそう、広さの方は問題ないで。」
ソレなら良かったです。
いやぁしかし、良い買い物をした上にいい職人サンまで雇えた私、すごくないです?ブレンダさん大勝利ー!じゃありません?
うんうん、コレでようやく本格的にお店が開けます!
「それじゃあ、よろしくお願いします。」
「せやな、これからよろしゅう。」
ええ、面白いモノたっくさん作りましょうね!