【参加型】アークライト魔道具店に今日も何方か来たようです。
《side アモ・ユタリ》
ボクの名前はアモ・ユタリ。
今日は魔道学園がお休みだから、ちょっと魔法界の街に出てるんだ!
それで探検してたんだけどさぁ、ビルの間の、すっごい細い路地に入っちゃって。
今、めっちゃくちゃ迷ってるっぽいんだよね…
いつの間にか魔法界っぽくなくなってるし。なんかこう、空気がいつもとちょっと違う。まぁ、ボクが普段いるのは厳密に言えば魔法界じゃないんだけど。
でもね、怪しい感じ、っていうのかな?なんか、変な感じ。
そう思ってはいても、なぜか引き返すっていう選択肢は出なかった。後から思い返して見ても、その理由は分からない。一体、なんでなんだろう。
そう思いながらも進んで行った先に建物があった。
何かに躓いて転んでしまう。足元を見ると、木の根っこだった。
いつの間にか辺りは自然に溢れてて、ビル街の気配はカケラもない。
そこにこう、ポツンと佇む…っていえばいいのかな、とりあえずなんか、お店っぽいのが一軒だけ立ってる。
考えていても仕方ないし、ノックして入ってみる事にする。
「こんにちはー!」
お店の中を見渡すと、よく分からない道具がたっくさん並んでる。
綺麗な物からちょっと怖い物、おかしなぐらい高い魔力を感じる物、それはもうたっくさん。
ぐるりと見渡すだけで、あっという間に不思議な世界に迷い込んだような気がした。
「いらっしゃいませ、アークライト魔道具店にようこそ!」
「初めまして、こんにちは。本日は何をお探しでしょうか?」
出迎えてくれたのは二人の店員さん。
片方は綺麗な銀髪のお姉さんで、もう片方は和服の…多分、男の子、かな。
やっぱり、ココお店だったんだ。
「んー…探してるってワケじゃないんだけど…なんか着いちゃった、みたいな?」
そう言いながら、思わず首を傾げる。ココ、なんか変な感じ。もしかして、マズイ所に来ちゃったのかも。そう思いながらも、ドアから出ようって気はやっぱり起きない。何か、楽しい事が始まりそうな気がするから。
「なんか着いちゃった…ですか。あ、もしかしてあの張り紙が役に立ったんです?」
「確かにそうかもしれないが…お客の可能性だってある。無視をしてはいけないだろう。」
そんな風に二人は話しているけれど、ボクにはその意味がちっとも分からない。張り紙?それに、お客さん以外でこのお店に、何が来るっていうんだろう?
「ああすみません。ワタシはカノと申します。」
「私はブレンダです。こう見えて、ここの店主なんですよ。」
にっこりと笑う二人には、何か話していない事がありそう。だけど…
「「ひとまず、ゆっくり見ていって下さい。」」
そう言われちゃうと、やっぱり見たくなるよね。どれもこれもすごくて目移りしちゃうな…
あ、コレとか格好いいかも。なんだかよく分からないけど。
「おかしいですね。普段ならもう、丁度いいのが目に止まってるハズです。」
「確かに。彼だか彼女だか分からないが…どうやらお客ではないようだ。」
やっぱり変だ。お客さんに条件があるとか、そんな感じなのかな?
うん、こういうのは聞いてみなきゃ、だよね!
「ここは、本当に心の底から欲しい物がある方しか来られないようになっているのです。」
「まぁアナタは、私の張り紙に引き寄せられたのかもしれませんが。」
そう言われたので入口を出て見てみると、店員を募集する張り紙が張られている。
…気づかなかったな。
店員募集中…年齢不問、服装自由…
ちょっと、いや、かなり楽しそうかも!
「ねぇコレ、ボクみたいな年齢でもやって良いの!?じゃあじゃあ、ボディーガード、やりたい!!」
「もちろん構いませんよ。あ、親御さんは?」
「っ…!」
…実は、ボクに親はいない。ずっと前に、悪い人に殺されてしまった。
そして、その悪い人はボクが殺してしまった。そのせいでボクは今、「殺人鬼」なんて呼ばれている。
でも、この店長さんはそれを知らないんだ……
なんか、久しぶりな感じだ。
隣の男の子…カノさんも、黙ってしまったボクをじっと見ている。
不思議そうな顔。この人も、ボクに付けられたあの呼び名を知らないみたい。
じゃあ、ココなら。
ココならボクも、楽しく、自由に、生きれるかもしれない!
「親はいないんだけど…でも、ちゃんと頑張るからお願いします!」
そう言ってチラリと相手を見ると、目を交わしてパチクリと瞬きしていた。ちょっとの沈黙の時間が過ぎて、店長さんは口を開く。
「分かりました、雇いましょう。どこか、学校には通ってるんです?」
「おいおい、帳簿を預かっているこのワタシに、なんの相談も無しに決めるのかい?そもそも、保護者がいないのはかなりの問題だろう…」
カノさんは不満げだけど、店長さん…ブレンダさんは良いんですよと言ってニコニコと笑っている。
…この二人の関係、一体なんなんだろう。そう思わなくもないけど、ひとまずボクはこのお店に入れる事になったらしい。
「学校は寮で入ってるけど…それがどしたの?」
「ああいえ、未成年誘拐ー!とか言われたら大変ですので、しっかり連絡はしておこうかと思いまして。」
確かに、それは大変かも。
でも学校の名前、改めて言うってなると、ちょっと変な感じだな。
そう思いながらもボクが今通っている所の名前を言うと、ブレンダさんとカノさんは目を見開いている。
「なんだ、キミと同じですよカノ。同校のよしみ、って事で認めてあげて下さい。」
「はぁ…ま、成年の保護者がいない、という点ではワタシも人の事は言えないか。」
そう言ったあとで、寮に入ってるなら家から通う手続きをすれば住み込みに変われるよ、と付け加えニコリと笑うカノさん。
その真っ黒な瞳は、ボクの奥底まで見透かされそうな感じがする。
でもまぁ、それでもいっか。
「それじゃ、ボクはアモ・ユタリ!これからよろしくね!」
ああ、楽しい日々が始まりそうだね!
ボクの名前はアモ・ユタリ。
今日は魔道学園がお休みだから、ちょっと魔法界の街に出てるんだ!
それで探検してたんだけどさぁ、ビルの間の、すっごい細い路地に入っちゃって。
今、めっちゃくちゃ迷ってるっぽいんだよね…
いつの間にか魔法界っぽくなくなってるし。なんかこう、空気がいつもとちょっと違う。まぁ、ボクが普段いるのは厳密に言えば魔法界じゃないんだけど。
でもね、怪しい感じ、っていうのかな?なんか、変な感じ。
そう思ってはいても、なぜか引き返すっていう選択肢は出なかった。後から思い返して見ても、その理由は分からない。一体、なんでなんだろう。
そう思いながらも進んで行った先に建物があった。
何かに躓いて転んでしまう。足元を見ると、木の根っこだった。
いつの間にか辺りは自然に溢れてて、ビル街の気配はカケラもない。
そこにこう、ポツンと佇む…っていえばいいのかな、とりあえずなんか、お店っぽいのが一軒だけ立ってる。
考えていても仕方ないし、ノックして入ってみる事にする。
「こんにちはー!」
お店の中を見渡すと、よく分からない道具がたっくさん並んでる。
綺麗な物からちょっと怖い物、おかしなぐらい高い魔力を感じる物、それはもうたっくさん。
ぐるりと見渡すだけで、あっという間に不思議な世界に迷い込んだような気がした。
「いらっしゃいませ、アークライト魔道具店にようこそ!」
「初めまして、こんにちは。本日は何をお探しでしょうか?」
出迎えてくれたのは二人の店員さん。
片方は綺麗な銀髪のお姉さんで、もう片方は和服の…多分、男の子、かな。
やっぱり、ココお店だったんだ。
「んー…探してるってワケじゃないんだけど…なんか着いちゃった、みたいな?」
そう言いながら、思わず首を傾げる。ココ、なんか変な感じ。もしかして、マズイ所に来ちゃったのかも。そう思いながらも、ドアから出ようって気はやっぱり起きない。何か、楽しい事が始まりそうな気がするから。
「なんか着いちゃった…ですか。あ、もしかしてあの張り紙が役に立ったんです?」
「確かにそうかもしれないが…お客の可能性だってある。無視をしてはいけないだろう。」
そんな風に二人は話しているけれど、ボクにはその意味がちっとも分からない。張り紙?それに、お客さん以外でこのお店に、何が来るっていうんだろう?
「ああすみません。ワタシはカノと申します。」
「私はブレンダです。こう見えて、ここの店主なんですよ。」
にっこりと笑う二人には、何か話していない事がありそう。だけど…
「「ひとまず、ゆっくり見ていって下さい。」」
そう言われちゃうと、やっぱり見たくなるよね。どれもこれもすごくて目移りしちゃうな…
あ、コレとか格好いいかも。なんだかよく分からないけど。
「おかしいですね。普段ならもう、丁度いいのが目に止まってるハズです。」
「確かに。彼だか彼女だか分からないが…どうやらお客ではないようだ。」
やっぱり変だ。お客さんに条件があるとか、そんな感じなのかな?
うん、こういうのは聞いてみなきゃ、だよね!
「ここは、本当に心の底から欲しい物がある方しか来られないようになっているのです。」
「まぁアナタは、私の張り紙に引き寄せられたのかもしれませんが。」
そう言われたので入口を出て見てみると、店員を募集する張り紙が張られている。
…気づかなかったな。
店員募集中…年齢不問、服装自由…
ちょっと、いや、かなり楽しそうかも!
「ねぇコレ、ボクみたいな年齢でもやって良いの!?じゃあじゃあ、ボディーガード、やりたい!!」
「もちろん構いませんよ。あ、親御さんは?」
「っ…!」
…実は、ボクに親はいない。ずっと前に、悪い人に殺されてしまった。
そして、その悪い人はボクが殺してしまった。そのせいでボクは今、「殺人鬼」なんて呼ばれている。
でも、この店長さんはそれを知らないんだ……
なんか、久しぶりな感じだ。
隣の男の子…カノさんも、黙ってしまったボクをじっと見ている。
不思議そうな顔。この人も、ボクに付けられたあの呼び名を知らないみたい。
じゃあ、ココなら。
ココならボクも、楽しく、自由に、生きれるかもしれない!
「親はいないんだけど…でも、ちゃんと頑張るからお願いします!」
そう言ってチラリと相手を見ると、目を交わしてパチクリと瞬きしていた。ちょっとの沈黙の時間が過ぎて、店長さんは口を開く。
「分かりました、雇いましょう。どこか、学校には通ってるんです?」
「おいおい、帳簿を預かっているこのワタシに、なんの相談も無しに決めるのかい?そもそも、保護者がいないのはかなりの問題だろう…」
カノさんは不満げだけど、店長さん…ブレンダさんは良いんですよと言ってニコニコと笑っている。
…この二人の関係、一体なんなんだろう。そう思わなくもないけど、ひとまずボクはこのお店に入れる事になったらしい。
「学校は寮で入ってるけど…それがどしたの?」
「ああいえ、未成年誘拐ー!とか言われたら大変ですので、しっかり連絡はしておこうかと思いまして。」
確かに、それは大変かも。
でも学校の名前、改めて言うってなると、ちょっと変な感じだな。
そう思いながらもボクが今通っている所の名前を言うと、ブレンダさんとカノさんは目を見開いている。
「なんだ、キミと同じですよカノ。同校のよしみ、って事で認めてあげて下さい。」
「はぁ…ま、成年の保護者がいない、という点ではワタシも人の事は言えないか。」
そう言ったあとで、寮に入ってるなら家から通う手続きをすれば住み込みに変われるよ、と付け加えニコリと笑うカノさん。
その真っ黒な瞳は、ボクの奥底まで見透かされそうな感じがする。
でもまぁ、それでもいっか。
「それじゃ、ボクはアモ・ユタリ!これからよろしくね!」
ああ、楽しい日々が始まりそうだね!