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再会は必ず紅葉とともに

#1


紅葉が美しく、道が夕焼け色に染まる季節。
それは年号が明治だということに実感が湧き始めたころだった。
今夜は月が綺麗だそうだ。早めに帰って楽しもう。
そんなことを考えつつ、橋に一歩踏み出した時。
僕はある女から目が離せなくなった。
真っ白く、偏り無く塗られた白い肌に赤い目元と唇。
舞妓の女だった。
周りにいた舞妓と全く同じ化粧。
だが、僕の視界には彼女しか映っていなかった。
この感覚を僕は知っていた、いや、正しくは初めて経験する感覚だからこそ気がついた。
僕は恋に落ちたのだと。
目が合う。目が離せない。彼女も目を離さない。
3秒ほど経った時だろうか、彼女は目を逸らした。
今まで経験した中で一番長い3秒だったであろう。
途端に強く陽が差し込む。舞妓は和傘をさしはじめる。
ああ、隠れてしまう。彼女の目が口元が。
言葉を発する間もなく、彼女の顔は完全に隠れた。
名前を聞かなくては。
そう思ったが初めて恋に落ちた僕は喉が強く締め付けられ、出た声は情けなく、紅葉の落ちる音に掻き消された。
やがて舞妓は歩き始めた。
ああ、行ってしまう。
恋をするとこんなにも弱くなるのだろうか。
彼女を引き止めようと腕を伸ばすことさえできなかった。
僕の真横を通り過ぎる。その瞬間、
「また_逢いましょう。」
その声は琴の音のように上品で、今日見られるであろう月のごとく美しかった。
耳に絡んだその声は何度も何度も再生される。
彼女を見つけたい。
貴方に逢いに行きます。
貴方が誰かのものになろうとも。
必ず私のものにしたいのです。


今世で彼女と出逢うことは無かった。

作者メッセージ

歴史はあまり詳しくないので間違えていたら教えていただきたいです。

2025/01/17 22:04

ぽんず ID:≫ 22gjySNK33alk
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