二次創作
ボクの理解者は、君しかいない
#1
「そんなに墓ン中がが好きなら…オレが連れてってやるよ!!」
ザックがそう叫び、ボクに鎌を振り下ろす。レイチェルにフラれたショックが大きかった僕は、わずかに反応が遅れた。
「っ!!」
胸元を切りつけられる。鋭い痛みが僕を襲った。
「丁度良い墓があるじゃねぇか」
そう呟くと、ザックは僕を蹴り飛ばした。真っ暗な穴の中へ落とされる。
(どうして…どうして僕じゃダメなの、レイチェル…)
ただ、その悔しさだけが渦巻く。だんだん意識が薄れていくのがわかった。
(もう、終わりだ…)
目を閉じかけた、その時。"何か"がキラリと光を反射した。ハッと息を呑む。最後の力を振り絞り、それを引っ張り出す。出てきたのは…[漢字]一枚の鏡[/漢字][ふりがな]僕の理解者[/ふりがな]。
"エディ"
「…"シン"?」
懐かしい声が、僕の名前を呼ぶ。気がつくと周りは真っ白になっていて、何一つ残ってなかった。いつのまにか胸の痛みも引いている。驚きながらキョロキョロと辺りを見回す。そして…こちらに向かって歩いてくる、一人の男性に目が止まった。
「久しぶりだな、エディ」
彼は僕に微笑みかける。その瞬間、ボクは彼―…シンの方へ走り出していた。
「シン…シン〜〜〜!!!」
顔が涙でぐちゃぐちゃになる。それでも僕は拭おうとせず、彼に飛びついた。
「なんだエディ、まだお子様のままなのか?」
「だって、だって…!」
シンが優しく僕の頭を撫でる。ますます涙が止まらなくなった。シンは、黙って待ってくれていた。
少しして僕が落ち着いてくると、彼は僕に質問をしてくる。
「なぁエディ、お前はまだ墓を作っているのか?」
僕はゴシゴシと目をこすり、鼻をすすりながら答えた。
「当たり前じゃん!僕を誰だと思ってるのさ!」
「やはりそうか!エディ、その話をもっと詳しく聞かせてくれないか?」
しばらく見ることのなかった、シンの好奇心に満ちた目。ようやく、僕は笑った。
「もちろん!えっとね…」
僕の心には、お墓を作るときよりものっと強いワクワク感で溢れていた―…
「おい、いつまでボーッとしてるんだ。行くぞ」
「…うん」
ザックの言葉に、レイチェルは歩きだす。…が、途中で、もう一度エディが中にいる墓のほうを見た。青く透き通った瞳に、最後に見た幸せそうに眠る彼の姿が映る。
(きっと、大好きなお墓の中で眠れたから…あの子は天国に行けるよね)
「…バイバイ」
レイチェルは小さく呟くと、早足でザックの後を追いかけた。
―END―
ザックがそう叫び、ボクに鎌を振り下ろす。レイチェルにフラれたショックが大きかった僕は、わずかに反応が遅れた。
「っ!!」
胸元を切りつけられる。鋭い痛みが僕を襲った。
「丁度良い墓があるじゃねぇか」
そう呟くと、ザックは僕を蹴り飛ばした。真っ暗な穴の中へ落とされる。
(どうして…どうして僕じゃダメなの、レイチェル…)
ただ、その悔しさだけが渦巻く。だんだん意識が薄れていくのがわかった。
(もう、終わりだ…)
目を閉じかけた、その時。"何か"がキラリと光を反射した。ハッと息を呑む。最後の力を振り絞り、それを引っ張り出す。出てきたのは…[漢字]一枚の鏡[/漢字][ふりがな]僕の理解者[/ふりがな]。
"エディ"
「…"シン"?」
懐かしい声が、僕の名前を呼ぶ。気がつくと周りは真っ白になっていて、何一つ残ってなかった。いつのまにか胸の痛みも引いている。驚きながらキョロキョロと辺りを見回す。そして…こちらに向かって歩いてくる、一人の男性に目が止まった。
「久しぶりだな、エディ」
彼は僕に微笑みかける。その瞬間、ボクは彼―…シンの方へ走り出していた。
「シン…シン〜〜〜!!!」
顔が涙でぐちゃぐちゃになる。それでも僕は拭おうとせず、彼に飛びついた。
「なんだエディ、まだお子様のままなのか?」
「だって、だって…!」
シンが優しく僕の頭を撫でる。ますます涙が止まらなくなった。シンは、黙って待ってくれていた。
少しして僕が落ち着いてくると、彼は僕に質問をしてくる。
「なぁエディ、お前はまだ墓を作っているのか?」
僕はゴシゴシと目をこすり、鼻をすすりながら答えた。
「当たり前じゃん!僕を誰だと思ってるのさ!」
「やはりそうか!エディ、その話をもっと詳しく聞かせてくれないか?」
しばらく見ることのなかった、シンの好奇心に満ちた目。ようやく、僕は笑った。
「もちろん!えっとね…」
僕の心には、お墓を作るときよりものっと強いワクワク感で溢れていた―…
「おい、いつまでボーッとしてるんだ。行くぞ」
「…うん」
ザックの言葉に、レイチェルは歩きだす。…が、途中で、もう一度エディが中にいる墓のほうを見た。青く透き通った瞳に、最後に見た幸せそうに眠る彼の姿が映る。
(きっと、大好きなお墓の中で眠れたから…あの子は天国に行けるよね)
「…バイバイ」
レイチェルは小さく呟くと、早足でザックの後を追いかけた。
―END―
/ 1