し に が み 料 理 店 *
一希が天国へ行った数週間後__
氷華「はーぁ、っ……」
大きくため息を吐いた。店の外にある、氷華の宝である庭で。
その庭にはガーデンチェアとテーブルがあり、
ご自慢の庭を眺めながら午後の優雅なティータイムをしていた。
氷華は死神の中でも上級の死神であり、実は閻魔大王の実の娘である。
そんな氷華でも死んだ人間全員の未練を晴らせるわけではなく、
魔力を使うことで体力が落ちてしまうので、たまに
他の死神たちに任せてしまうこともある。
そんな中、氷華に休日が訪れた。
しかし、厳密に言えば、”休暇”である。
[水平線]
ある日氷華は、神たちの住む街である
黄昏街 に行った。閻魔大王に呼ばれているからである。
天使「わぁ〜っ!お久しぶりですぅ、氷華さんっ!」
氷華「えぇ、久しぶりね。どう?仕事は順調かしら」
天使「はいっ!最近は下界を見に行きたいっていう死人は少ないのでっ!」
天国や黄昏街にいる天使たちは、たまに天国に行って、
死後の人間を下界に連れて行くサービスをしている。下界で言う、幽霊として。
だから怨念が残っていると取り憑いちゃったりするのよね……。
それを防ぐために私が負の感情を浄化してあげてるけど。
氷華「そうなの?どうしてかしらね……?」
天使「閻魔様も仰っていましたけど、スマホの普及化で家族よりも”楽しさ”を求めてるんですよ」
氷華「………はぁ、これだから人間は……」
天使「氷華さんこそお仕事どうなんですかぁ?」
氷華「そうねぇ……あ、でもこの前、すごく家族を大切に想っている[漢字]お客様[/漢字][ふりがな]死者[/ふりがな]が来たわよ。」
天使「じゃあ、そろそろ天国に来るかな……、あ!名前なんていうんですか?」
氷華「…… 葛西 一希 っていうの。」
私は杖を取り出し地面を突いた。
目の前に死者帳が現れ、” 葛西 一希 ”のページを開く。
氷華「はい、この子よ。」
天使「うわ〜、家族喧嘩で家出かぁ〜、…ん?」
氷華「どうしたの?」
天使「[漢字]相手側[/漢字][ふりがな]トラック[/ふりがな]が悪いとは言え、家出した彼女がなぜ通常天国行き認定されてるんでしょうか……?」
氷華「ふふふ。こっちに来てから彼女はしっかり反省して謝りに行ったのよ。」
天使「ま、まさか氷華さんの力を使って、!?」
氷華「ええ。それを閻魔大王に報告したら『天国行きでいいよ〜』ってね。」
天使「あ、あぁ…、そうなんですかぁ……」
氷華「………そろそろ時間だわ。じゃあね、私 閻魔大王 に呼ばれているの、楽しかったわ」
天使「また今度会いましょう!」
氷華「ええ、一希さんによろしく。」
私は 閻魔大王 の住処に急いだ。
[水平線]
目の前には物々しい雰囲気の和城。
ここが私の生家、閻魔城。
氷華「はーぁ、っ……」
大きくため息を吐いた。店の外にある、氷華の宝である庭で。
その庭にはガーデンチェアとテーブルがあり、
ご自慢の庭を眺めながら午後の優雅なティータイムをしていた。
氷華は死神の中でも上級の死神であり、実は閻魔大王の実の娘である。
そんな氷華でも死んだ人間全員の未練を晴らせるわけではなく、
魔力を使うことで体力が落ちてしまうので、たまに
他の死神たちに任せてしまうこともある。
そんな中、氷華に休日が訪れた。
しかし、厳密に言えば、”休暇”である。
[水平線]
ある日氷華は、神たちの住む街である
黄昏街 に行った。閻魔大王に呼ばれているからである。
天使「わぁ〜っ!お久しぶりですぅ、氷華さんっ!」
氷華「えぇ、久しぶりね。どう?仕事は順調かしら」
天使「はいっ!最近は下界を見に行きたいっていう死人は少ないのでっ!」
天国や黄昏街にいる天使たちは、たまに天国に行って、
死後の人間を下界に連れて行くサービスをしている。下界で言う、幽霊として。
だから怨念が残っていると取り憑いちゃったりするのよね……。
それを防ぐために私が負の感情を浄化してあげてるけど。
氷華「そうなの?どうしてかしらね……?」
天使「閻魔様も仰っていましたけど、スマホの普及化で家族よりも”楽しさ”を求めてるんですよ」
氷華「………はぁ、これだから人間は……」
天使「氷華さんこそお仕事どうなんですかぁ?」
氷華「そうねぇ……あ、でもこの前、すごく家族を大切に想っている[漢字]お客様[/漢字][ふりがな]死者[/ふりがな]が来たわよ。」
天使「じゃあ、そろそろ天国に来るかな……、あ!名前なんていうんですか?」
氷華「…… 葛西 一希 っていうの。」
私は杖を取り出し地面を突いた。
目の前に死者帳が現れ、” 葛西 一希 ”のページを開く。
氷華「はい、この子よ。」
天使「うわ〜、家族喧嘩で家出かぁ〜、…ん?」
氷華「どうしたの?」
天使「[漢字]相手側[/漢字][ふりがな]トラック[/ふりがな]が悪いとは言え、家出した彼女がなぜ通常天国行き認定されてるんでしょうか……?」
氷華「ふふふ。こっちに来てから彼女はしっかり反省して謝りに行ったのよ。」
天使「ま、まさか氷華さんの力を使って、!?」
氷華「ええ。それを閻魔大王に報告したら『天国行きでいいよ〜』ってね。」
天使「あ、あぁ…、そうなんですかぁ……」
氷華「………そろそろ時間だわ。じゃあね、私 閻魔大王 に呼ばれているの、楽しかったわ」
天使「また今度会いましょう!」
氷華「ええ、一希さんによろしく。」
私は 閻魔大王 の住処に急いだ。
[水平線]
目の前には物々しい雰囲気の和城。
ここが私の生家、閻魔城。