二次創作
稲荷崎高校オカルト研究会所属の「さしすせ」
バブル期に建てられ、崩壊した途端にその存在は忘れ去られることになった兵庫県神戸市某所の廃ビルに、
私と傑くんと“それ”はいた。
『あ、あはははははははははっふうぅぅ、ふふふふふふふふふふふっ。あ、ああああ、アソボウ、遊ぼう。ねねぇぇええええ、遊ぼう。遊ぼう、遊ぼう』
壊れた機械のように一文字繰り返していただけなのに、
急に流暢に喋り出し始めたそれに思わず「これが成長ってやつかな」という言葉が出てしまった。
傑くんがちょっと吹き出したけど、
構わず相棒になって2ヶ月記念を一昨日迎えたばっかりの単管パイに呪力を流した。
私から流れる呪力に気づいたのか、“それ”……呪霊はゆっくり女の方を向きペタペタと足音を鳴らしながら近寄ってくる。
異常に手足が痩せ細った子供のような体だけど、明確に顔は人ではないと分かる。
落ち窪んでいるどころか存在しない眼球と、逆さまについた鼻。
口は頬まで裂けており覗く歯は鋭く尖っていて、もはや歯ではなく牙だった。
「見たところ準2級ってところかな。でも、まだ生まれて1ヶ月ぐらいだからやっぱり弱いねぇ……」
『遊ぼう。遊ぼう、あああそぼう、遊ぼう』
「どうする傑くん。これ要る?」
「や、今はいいかな。もうちょい寝かしてから欲しい」
「りょうかーい。じゃあ呪霊ちゃん、私と遊ぼうか」
その言葉を合図に呪霊は駆け出し、私も駆け出した。
最近生まれたにしては早い方に入るんだろうけど、
足は私の方が早いし攻撃の動作に入ったのも私の方が早かった。
振りかぶった単管パイプが頭部らしき部分を捉えたコンマ数秒後。
鈍い音を立てて呪霊は落書きされた廃墟の壁にめり込んだ。
すかさず身動きを封じる札を投げて暴れないようにする。
眼球がないところから涙が溢れて頭を抑えて泣き喚く呪霊の前にしゃがんで囁くように喋りかける。
「痛いねぇ、痛いねぇ。痛いのは誰だって嫌だけど、まぁ仕方ないよね」
だって、弱いものは食われる。
君だってそういう理由で人を食ってきたんでしょう?
片手で持てるぐらい小さな箱の蓋を開けて、嫌がる呪霊を無理やり突っ込んだ。
この小さな箱の中では呪霊同士の殺し合いが行われていて、
強いものが弱いものを食って力を付けて、また弱いものを食らう……。
いわば呪霊版蠱毒のようなもので、最後に残った呪霊が4級にもなれない雑魚だったのに。
運と意地で特級相当の呪霊にまで進化した事例がある。
もしかしたらさっきの例のように特級まで行くかもしれないし、
他の呪霊に食われてしまうかもしれない。
この子は何処までいくのか………。
「また開けるのが楽しみになるね、イキノコッタライイネ!!」
「……世羅、前から言おうと思っていたんだが蠱毒の箱に文章としか思えない名前をつけるのはやめにしないか?」
「なんで?名前あった方が愛着湧くし可愛く見えるよ」
「蠱毒の箱に愛着は要らないとおもうんだが……」
「そんなことないよねぇ、イキノコッタライイネ?」
返事の代わりにカタカタと揺れた小さな箱を鞄に入れる。
傑くんは諦めたみたいで業務終了の連絡を仲間内のLINEに入れていた。
ちなみにイキノコッタライイネの他にもオオキクナルトイイネ、ツヨクナルトイイネ、イッパイタベレルトイイネなどが居る。
我ながら素晴らしいネームセンスだと思うけど、
傑くんはそうは思わないらしい。
「せっかく可愛い名前なのにね」
「カワイイ……?」
「イキノコッタライイネって響がもう可愛いじゃん!!」
「まぁ、ウン……君が可愛いと思うなら私は別にイイが。………あっ、悟から連絡だ。あっちも終わったそうだ」
「今日はだいぶ早く済んだね」
今日も任務………じゃなくて、部活終了。
そうだ!
まだ10時まで時間あるし、みんなでご飯食べて帰るのもありかも。
合流したら提案してみようーっと。
[水平線]
《[漢字]二階堂[/漢字][ふりがな]にかいどう[/ふりがな] [漢字]世羅[/漢字][ふりがな]せら[/ふりがな]》
・亜麻色の髪に緑の目の美少女。(前世と同じ)
・可愛い:かっこいい=6:3
・結界術や呪符の制作が得意で多分本来の術式よりも使ってる。
・子供っぽいところがあってやや天然。
・だけど、高専にいなかったら呪詛師になっていたレベルでサイコパス。
・ネームセンスが絶望的
・犬派
・強いけど、悟と傑が居るのであんまり力を奮う機会がない
・手先が器用
・術式「魑魅鉱床術」
∟呪力を元に鉱物を産み出すことが出来る術式。
∟産み出した鉱物と他生命を掛け合わせ、鉱石生命体を生み出せる。
私と傑くんと“それ”はいた。
『あ、あはははははははははっふうぅぅ、ふふふふふふふふふふふっ。あ、ああああ、アソボウ、遊ぼう。ねねぇぇええええ、遊ぼう。遊ぼう、遊ぼう』
壊れた機械のように一文字繰り返していただけなのに、
急に流暢に喋り出し始めたそれに思わず「これが成長ってやつかな」という言葉が出てしまった。
傑くんがちょっと吹き出したけど、
構わず相棒になって2ヶ月記念を一昨日迎えたばっかりの単管パイに呪力を流した。
私から流れる呪力に気づいたのか、“それ”……呪霊はゆっくり女の方を向きペタペタと足音を鳴らしながら近寄ってくる。
異常に手足が痩せ細った子供のような体だけど、明確に顔は人ではないと分かる。
落ち窪んでいるどころか存在しない眼球と、逆さまについた鼻。
口は頬まで裂けており覗く歯は鋭く尖っていて、もはや歯ではなく牙だった。
「見たところ準2級ってところかな。でも、まだ生まれて1ヶ月ぐらいだからやっぱり弱いねぇ……」
『遊ぼう。遊ぼう、あああそぼう、遊ぼう』
「どうする傑くん。これ要る?」
「や、今はいいかな。もうちょい寝かしてから欲しい」
「りょうかーい。じゃあ呪霊ちゃん、私と遊ぼうか」
その言葉を合図に呪霊は駆け出し、私も駆け出した。
最近生まれたにしては早い方に入るんだろうけど、
足は私の方が早いし攻撃の動作に入ったのも私の方が早かった。
振りかぶった単管パイプが頭部らしき部分を捉えたコンマ数秒後。
鈍い音を立てて呪霊は落書きされた廃墟の壁にめり込んだ。
すかさず身動きを封じる札を投げて暴れないようにする。
眼球がないところから涙が溢れて頭を抑えて泣き喚く呪霊の前にしゃがんで囁くように喋りかける。
「痛いねぇ、痛いねぇ。痛いのは誰だって嫌だけど、まぁ仕方ないよね」
だって、弱いものは食われる。
君だってそういう理由で人を食ってきたんでしょう?
片手で持てるぐらい小さな箱の蓋を開けて、嫌がる呪霊を無理やり突っ込んだ。
この小さな箱の中では呪霊同士の殺し合いが行われていて、
強いものが弱いものを食って力を付けて、また弱いものを食らう……。
いわば呪霊版蠱毒のようなもので、最後に残った呪霊が4級にもなれない雑魚だったのに。
運と意地で特級相当の呪霊にまで進化した事例がある。
もしかしたらさっきの例のように特級まで行くかもしれないし、
他の呪霊に食われてしまうかもしれない。
この子は何処までいくのか………。
「また開けるのが楽しみになるね、イキノコッタライイネ!!」
「……世羅、前から言おうと思っていたんだが蠱毒の箱に文章としか思えない名前をつけるのはやめにしないか?」
「なんで?名前あった方が愛着湧くし可愛く見えるよ」
「蠱毒の箱に愛着は要らないとおもうんだが……」
「そんなことないよねぇ、イキノコッタライイネ?」
返事の代わりにカタカタと揺れた小さな箱を鞄に入れる。
傑くんは諦めたみたいで業務終了の連絡を仲間内のLINEに入れていた。
ちなみにイキノコッタライイネの他にもオオキクナルトイイネ、ツヨクナルトイイネ、イッパイタベレルトイイネなどが居る。
我ながら素晴らしいネームセンスだと思うけど、
傑くんはそうは思わないらしい。
「せっかく可愛い名前なのにね」
「カワイイ……?」
「イキノコッタライイネって響がもう可愛いじゃん!!」
「まぁ、ウン……君が可愛いと思うなら私は別にイイが。………あっ、悟から連絡だ。あっちも終わったそうだ」
「今日はだいぶ早く済んだね」
今日も任務………じゃなくて、部活終了。
そうだ!
まだ10時まで時間あるし、みんなでご飯食べて帰るのもありかも。
合流したら提案してみようーっと。
[水平線]
《[漢字]二階堂[/漢字][ふりがな]にかいどう[/ふりがな] [漢字]世羅[/漢字][ふりがな]せら[/ふりがな]》
・亜麻色の髪に緑の目の美少女。(前世と同じ)
・可愛い:かっこいい=6:3
・結界術や呪符の制作が得意で多分本来の術式よりも使ってる。
・子供っぽいところがあってやや天然。
・だけど、高専にいなかったら呪詛師になっていたレベルでサイコパス。
・ネームセンスが絶望的
・犬派
・強いけど、悟と傑が居るのであんまり力を奮う機会がない
・手先が器用
・術式「魑魅鉱床術」
∟呪力を元に鉱物を産み出すことが出来る術式。
∟産み出した鉱物と他生命を掛け合わせ、鉱石生命体を生み出せる。