二次創作
# 最愛の君へ銃口を .
( ... ボスは●●のことなんも言っとらんかったよな )
シャンデリアの輝く会場で、シャンパングラスを手に歩き回る最中。
顔こそ微笑みを維持できているものの、内心こそ大荒れ状態だった。
「 本宴主催者、ウィンザー様によるご挨拶です 」
ぴんと張った男性の声が耳を貫く。
ターゲットと●●が、レッドカーペットの掛かった階段を登る。
会場中の視線が二人に集まる中、俺は冷や汗が背中を伝うのを感じた。
ウィンザーは満面の笑みで、集まった富豪たちに優雅に手を振っている。
そして、その隣で彼の腕に寄り添う●●は、まるでこの場の主役であるかのように堂々と歩んでいた。
一瞬、俺と視線が合った気がしたが、すぐに彼女は微笑みを深くし、ジュリアスを見上げた。
その仕草はあまりにも自然で、長年の恋人のようにも見えた。
( ... こんな任務受けるんやなかったわ )
任務のためとはいえ、その光景は俺の胸を深く抉られた気分だった。
あんな風に、他の男の隣で微笑む●●を見るのは初めてだった。
そして、そんな彼女が今夜の俺のターゲットに最も近い場所にいる。
「 それでは皆様、今宵の良き夜に、我らの未来に、乾杯! 」
ジュリアスの声に合わせて、会場のあちこちでグラスを合わせる音が響き渡る。
俺は再び、パーティー会場の喧騒の中に溶け込んだ。