二次創作
# 最愛の君へ銃口を .
「 潜入捜査……ですか 」
俺にそう伝えてきた相手は、軽く頷き 手元の端末を操作し始める。
「 ターゲットは世界有数の資産家、ジュリアス・ウィンザー。 」
ボスはとんとん、と画面を叩き 宝石が埋め込まれた指輪を見せてきた。
それと同時にという男も、相当な資産を貯め込んでいるのだろうと一目で分かる容姿である。
「 任務は この男が所持しているこの指輪を盗る、簡単だろ? 」
「… 俺が選ばれた理由は何でしょうか。 」
ボスが無言でちらりと俺を見やる。
男の俺でも少したじろいでしまうような美貌の持ち主。
つくづく何故この人のような麗人がこんな汚れ仕事を統率しているのだろうと思っている。
「 …お前は柔軟性があるから。 」
彼は お前ならアクシデントがあっても直ぐに対応できると思っただけだ、と付け足した。
素直に自身を褒められるのは、嬉しいことだ。
「 ありがとうございます。 」
「 …既に1人送り込んではいるが、保険としてお前も送っておく。 」
諸々の書類を渡され、では、と部屋を出ようとすると ボスに一言だけ告げられる。
「 … "任務を遂行するためなら、仲間を殺しても構わない"。 」
ボスらしくない、と思いながらも礼をし、ドアを閉めた。
「 ふっ… 」
男はぎいっと椅子にもたれかかり、悪笑を浮かべた。