二次創作
# 最愛の君へ銃口を .
去っていく●●の背中をじっと見つめ、やがて扉が閉まった。
男が溜息を一つ。
「 俺何やってん ... 」
小さく呟く。
ずるずるとエレベーター内の壁に寄りかかると、大理石の冷たい感覚が背中にじわりと広がった。
"私欲を満たす為だけに ●●を怯えさせた"
その事実だけが頭の中を渦巻く。
●●はボスが特に可愛がるお気に入り。
少し話すだけで瞬時に首を飛ばされる事だって有り得るのに、男は
それでも彼女のことを諦めきれない自分に驚く。
暫しの沈黙。
やがてゆっくりと立ち上がり、真っ直ぐに前を見据えた。
「 ... 好きな女を奪われて、黙ってられるような男じゃないんよな 」
悪巧みをするような表情で薄く微笑む。
男は 先程降りて行った彼女の背中を追って、走り去って行った。
嫉妬を抱くほどに大きく育った恋心。
その愛を妨げる独占者。
誰もが彼女を手に入れようと必死だ。
1匹の胡蝶は 小さな檻の中で優雅に羽ばたいていた。