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今作は第1部「能力者たちの詩編歌」、第2部「希望に満てる知識欲」、第3部「誠と偽りの狂情曲」、第4部「真実、誠実の優等生」
の続編です。
まだそれらを見ていない人は、先にそちらをご覧いただけると話がわかりやすいと思います。
第1部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=1969&no=1
第2部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2089&no=1
第3部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2280#JumpTitle
第4部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2733&no=1

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想い出は友情、時々希望。

#11

旅路の意味


王巳「…へぇ…」



黄夏「交渉は成立でしょ?さっさと装飾品の情報を頂戴」



王巳「…オーケー。」



黄夏「あっ、言っておくけど情報はレイルさんたち…わたしの仲間に渡してよ。
わたしに渡されても困るわ、どうせここから帰れなくなるのに」
王巳「あらめざとい。騙してやろうかと思ったのに」


王巳「……」

黄夏「何?」


王巳「ううん、なんでもない。…そだ、これ」

黄夏「…チョーカー?」


王巳「仲間の印ね。私もつけてるでしょ?」


そういって彼女は首元を見せてくる。
押し付けてきたチョーカーとまるで同じ、
琥珀色の装飾がついたシンプルなチョーカーがつけられていた。


黄夏「ふーん。その辺拘るんだ」
王巳「当たり前、組織でしょ?」


[水平線]


シエル視点


ガチャ


神威「!」

ドアが開いて、入ってきたのは、王巳さんと黄夏さんだ。

王巳「ハーイ☆」

レイル「…黄夏ちゃん…」


黄夏「…みんな」


少し伏せた目をこちらに向けなおして、きっぱりと言い切った。


黄夏「[太字]わたしは、この組織に入る。[/太字]」

シエル「えっ!?」

アルト「あんた…」



レイル「…っなんで!?どうして…」


黄夏「…決めたこと、だから。取り消さないよ」


レイル「さっき言ったばかりでしょう!?あいつに屈するわけないって!!」


黄夏「別に屈してはない。…ただ、逆らえなかっただけ。」


黄夏「断ったらたぶん、[太字]皆まとめて死ぬだけだから[/太字]」



黄夏「…ただ仲間失うだけじゃ嫌だけど、わたしの夢託して去れるならいいじゃん。」


レイル「[太字]黄夏ちゃんがいなくて、この旅に何の意味があるの!?
…だって、だってあんたの願いなのに…![/太字]」


黄夏「…大丈夫、わたしの望み以外にも[太字]意味はあるよ[/太字]」



レイル「…それって」



黄夏「だってこうして旅して、さ。」


黄夏「[太字]シエルさんは決断の大切さを[/太字]」


シエル「…っ」


黄夏「[太字]アルトさんは自分を受け入れることを[/太字]」


アルト「!」


黄夏「[太字]レイル先輩は誰かに頼ることを知った[/太字]」


レイル「…」


黄夏「意味ないわけないじゃない。これ、確かな成長だよ。」


レイル「……成長」


黄夏「だからわたし、皆に夢を託す。」



黄夏「[太字]みんながこの旅路で成長できるように、わたしはその旅路を途絶えさせないようにする[/太字]」



シエル「…」



王巳「…話は終わった?」


黄夏さんはうなずく。


王巳「じゃあ仲間の印。つけて。」


黄夏「…」


黄夏さんは首にチョーカーをつけると、突然…


目が虚ろになった。


神威「えっ…!」


王巳「もう仲間だからね。[太字]ちょっと言う通りにしてもらうよ。[/太字]」


レイル「…っ黄夏ちゃん!!」


黄夏「…わたしは___」



王巳「交渉はちゃんと果たしてあげる。はい、これ。」



ぽす、と。地図のような、古ぼけた紙が床に置かれる。



ソプラノ「……」


王巳「じゃ。行きましょ。」


王巳さんはそう言って黄夏さんの肩に手を置くと、連れていくように歩き出した。

2025/02/19 00:21

おとうふ ID:≫ 31hS/PgHyuAsc
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