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今作は第1部「能力者たちの詩編歌」、第2部「希望に満てる知識欲」、第3部「誠と偽りの狂情曲」、第4部「真実、誠実の優等生」
の続編です。
まだそれらを見ていない人は、先にそちらをご覧いただけると話がわかりやすいと思います。
第1部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=1969&no=1
第2部→https://novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2089&no=1
第3部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2280#JumpTitle
第4部→novelcake.net/works/lite/?mode=view&log=2733&no=1

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想い出は友情、時々希望。

#10

黄夏


あれから大人になって、


とりあえず廃屋に住んだ。


家を買うお金はないし、職がまず見つからない。



黄夏「どーしようっかなー。このままだと死んじまうぞー」



公園のベンチでゆったりそんなことを呟いていたその時。


「…あのー…」



黄夏「はい?」


「あなた大丈夫?…髪の毛ぼさぼさだし…」


黄夏「あー、あはは、大丈夫といえば大丈夫だしー。大丈夫じゃないといえば大丈夫じゃないですねー。」



「…よし、いったん私の家に来なさい?」


黄夏「?」


「私は[太字]求真レイル[/太字]…あ、怪しくないから。」

[水平線]


それから、ちょっとばかりレイルさんの家に居候する日々が始まった。



レイル「黄夏ちゃん、ごめんねー?私も言うほど豊かじゃないからそんなにいいご飯は出せないけど…
職を紹介することぐらいは出来るし、ね?」

そうして笑ってくれる姿に居心地よさを感じて。


あれからレイルさんが頑張ってくれて、私はレイルさんと同じ会社で働くことになった。



呼び方も職場の方でのやつに慣れちゃって「先輩」呼びになった。


そんなある日。


黄夏「レイル先輩、お皿片付けましたよ…」



レイル「[小文字]…もしもし、お母さん?[/小文字]」


黄夏「…っ」


暗がりで電話口にそう言うレイル先輩の姿を見た。


「[小文字][小文字]ねえまだなの仕送り?シエルを教育しなきゃいけないんだからさっさと全額頂戴よ[/小文字][/小文字]」


もっと小さな声で、女性…レイル先輩の母だろう。

その声がそう急かす。



黄夏「…そっか…だから…」


あんなに働いても、生活がギリギリなのは…


お金を母にたくさん流してたからなんだ。


黄夏「…」


息をする音も聞かせたくない。


その場から静かに立ち去った。


[水平線]



レイル「本当にいいの?」


黄夏「大丈夫ですよ、わたしも職ありますし。」


それからすぐ、レイルさんの家を出る決断をした。

少ない生活費を、わたしのために使わせないように。

もっと早くこうしてればよかったけど…


黄夏「それじゃ、長いことお邪魔しました」


もともと住んでた廃屋に住処を戻し、わたしは家を後にした。


[水平線]



神威視点


神威「……そんなことが…」

黄夏さんは長い話を終えて、ふう、と息をついていた。


正直、言葉が出ない。


自分の幼少期とは比べるにも値しない過去を、目の前の方は超えてきたということに。


黄夏「うん…」

レイル「数年後に黄夏ちゃんから家買ったよって言われた時、私嬉しかったわよ。
…それにしても、そっか…あの電話聞いてたのね」

シエル「廃屋住んでたのってそういうことだったんだ…」


黄夏「…どうしよっかな。これから」


黄夏「通報してビークイーンを壊滅させて…それで終わりだと思ってたからさ。
まさか姉が生きてて、新しく組織作ってわたしを追ってたなんて…」


ソプラノ「かなりしぶといものだね…」


レイル「…黄夏ちゃん、組織になんか行かないわよね?」



黄夏「…」


レイル「だって黄夏ちゃんがいなかったら…装飾品を手に入れたって…」



黄夏「…大丈夫ですよ。わたしがあいつに屈するわけないです」



レイル「…そ、そうよね?」


黄夏「…」


神威「っ…」


笑いかけた黄夏さんが表情を変えたところに、ひとつの違和感を見つけて。

俺は嫌な予感に苛まれる。

____黄夏さんは、きっと_____


[水平線]


黄夏視点


王巳「おっ!来たね?」


黄夏「…」


レイルさんに出会って、人を信じれるようにはなった。

___は?そりゃ一人で調べてたに決まってるでしょ。いい年した女が急に
『神のことが知りたい!一緒に調べて!!!』なんて言って信じてくれる人いないですよ。


でも、まだやっぱり信じてなかった。



___私たちは立派な仲間だ。



そうだね。


黄夏「…決まったよ、覚悟も…答えも」


王巳「…ふぅん?じゃあ聞かせてもらおうかな」




黄夏「[太字]…あんたの意見に…賛同させてもらう[/太字]」

作者メッセージ

過去といいつつ過去パート少ないのは許してネ。((

2025/02/16 15:02

おとうふ ID:≫ 31hS/PgHyuAsc
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