「それで、被害者の名前は？」
「久保田恵理子。」
当時の事件を洗っているらしく、パソコンを見ながら答えた。
「久保田恵理子ね。確か..........あった。あった。」
いくつもある棚の中から、一つのダンボールを取り出した。
「ここ、過去の事件資料のほとんどがあるから、便利なんだよね。.......これかな。」
当時の事件資料を見ると、


[水平線]

被害者は、久保田紗友里。高校２年生。
後頭部から、高いビルの上から落ちて即死。遺書が、彼女の懐から見つかった。遺書には、いじめが原因で自殺した。と書いてあった。
現場のビルは紗友里の自宅のマンションで、第一発見者は、沙友理の兄。

「ふーむ。ちょっとひかっかるわね〜。」
「何がですか？まさか、殺人！？」
「違う違う。そうじゃなくって、遺書。パソコンから見つかってる。これじゃ、パスワードを知ってたら誰でも書けるじゃない。」
「自殺に見せかたわけじゃないのに、わざわざ第三者が、遺書を書きますかね。」
「少なくとも、殺人じゃない。」
「なんでそう言い切れるんです？」
高坂が、疑うような目をする。
「現場は、新宿の周辺。新宿の管轄だと、結構、優秀な刑事が多いのよ。　　　　　　　　　　　　　　　それじゃあ、そこに行くか」


　新宿所轄刑事署
「おじさーん。」
「お前、その八百屋のおじさんみたいな言い方やめろ。」
無精髭を生やした、妙に貫禄あるまだ、五十言ってないおじさんが言う。
「紹介するね。こちらは、須藤聖人さん。私の前の前の部署のおじさん。」
「その言い方やめろってば。お前、もう二十四だろ。」
「え。二十四！？　同い年じゃないですか。てっきり、年下だと、、、、、、」
高坂が、驚いたように言う。
「こいつ、もう、成人してるのに、コンビニのおばちゃんに女子高生と間違えられて、酒買わせてもらえなかったんだぜ。受けるだろ。」
「それは、もういいって。こちらは、部下の高坂証です。」
「よろしくお願いします。」
高坂が、頭を下げる。
「それで、要件は？用があって、来たんだろ。」
「ここの管轄で、久保田紗友里の自殺の件で。話を聞かせてもらえないかな。」