ドアを開けると、思ったより散らかっていた。
中には、私物まである。
そして、部屋の中にあるソファには、高校生......か？いや、童顔なだけであろう女性が、どっかりと座っていた。とあと隣りにいるのは.........
「あれっ南部じゃないか。なんでここに？」
「ちょっと、知り合いでさ〜。それじゃね。」
と逃げるように出ていってしまった。
「やあ。さっきのナベ君から、君がここに来ることを聞いたよ。何やらかしたんの？」
「大したことないじゃない。不祥事を上層部に言ったらここに飛ばされた。」
「ふ～ん。そういやまだ、自己紹介してなかった。私は、[漢字]新田真由美[/漢字][ふりがな]あらたまゆみ[/ふりがな]。よろしく。」
「俺は、[漢字]高坂証[/漢字][ふりがな]こうさかしょう[/ふりがな].......です。」
二人は、握手をかわした。



「こりゃあ面倒臭い案件に絡まれちゃったわねー。」
ある朝、事情を聞いた真由美は困った顔でそう言った。
高坂が来てから、はや一ヶ月になる。
何でも卒なくこなす彼だが、人より正義感が強い立ちらしい。
普段は、冷静さを保った優秀なエリートだが、許せないことがあると私より感情的になる。
その性格が叱責されてここまで飛ばされた理由だろうが。

面倒臭い案件とは、いじめが原因で自殺した、女子高校生の母親がここを訪ねてきた。何でも、女子高校生の父親と兄が続けて自殺してしまったと言う。
それで、いじめの原因を探してほしいということだった。
当時は、四年前で警察では原因を見つけられなかったが、遺書にそう書いてあったということだった。

そこで、高坂の正義感が働いたらしい。
なんとか見つけたいと言ってきた。