不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
「よしっ2人とも全快だな。五層もこの調子で行こう」
「ええ、今なら楽勝ですよ。」
サーシャが自信満々に言ったのを聞きつつ五層への階段を登ろうとした時…
『最近騒がしいと思ったら、人間が来てんのか。』
突如声が聞こえそれは階段を降りてきた。それは下半身が馬、上半身が人の魔物だった。鋭い犬歯が特徴的だ。また、背中に弓を背負い、右手には手斧を持っている。手斧と言っても人間からしたらかなり大きいものだったが。
「ケンタウロスです!気をつけて!」
「五層から…降りてきたのか?」
『あー違う違う。オレが居たのは六層だ。五層のやつは邪魔だったからこの通りだ。』
ケンタウロスが左手に持っていたのは大きなトカゲのようなものの頭部だった。五層にはこいつがいたがケンタウロスにやられたらしい。
『やるか。』
ケンタウロスは魔物の頭部を投げ捨て戦闘態勢をとった。そして斧を振りかざされ、俺はデュランハルで迎え撃った。この距離ならデュランハルで切り刻める。そう確信したが…
『しっかり反応したな。でもそれじゃオレには勝てねぇよ。』
「ぐっ」
俺は苦痛で声を漏らした。その原因はケンタウロスの斧、それが電気を纏っていることだった。このまま打ち合えば感電してそれどころではないだろう。
「一旦引きますよ!アクアショットガン!」
そうサーシャに手を引かれながら言われ、俺達は壊れた壁から大雨の湖へと飛び降りた。ケンタウロスは魔法で妨害されこちらを追えていない。湖まで高さ数十mあったがサーシャが水のクッションを作りだし衝撃を吸収、そして水の上を魔法で歩きだした。逃げ切れたと思ったが…
『逃げんなよ。つまんねぇな。』
塔に残っているケンタウロスは背中の弓を取り出し、一気に3本の矢を装填し放った。
「頼むぞ、デュランハル!」
それに応えるようにデュランハルはキラッと光り、3本の矢を全て撃ち落とした。だが鋭い痛みが体を走った。
「ぐあっ!」
この痛みはさっきと同じ感電の痛みだ。どうやら矢にも電気を纏わせていたらしい。体に力が入らない。だがそんな俺をサーシャは抱きかかえながら湖を渡りその奥の森へ何とか逃げ込むことができた。
「はぁはぁ…あれはやばかった…」
「ケンタウロスは雷属性の魔物で戦闘力、知能も高く遠距離、近距離にも対応できる厄介な魔物です。対策を考えましょう。」
「そうは言ったって金属性の剣を使う俺と、水魔法を使うサーシャはあの電気は相性悪いだろう。」
「とりあえず、狭い塔の中で私の魔法の物量で何とかします。少し休憩したら塔へ向かいましょう。」
1時間後、回復した俺とサーシャは湖の目の前に着いた。そこで見たのは待ち伏せしていたミノタウロスだった。
『なかなか来ないからこっちから来てやったぜ。』
ケンタウロスとは湖を挟んでいるので距離があるが威圧感が伝わってくる。直後、湖を渡ろうとしたケンタウロスの足元へ魚の群れが集まっていた。前にサーシャが言っていたエーギルピラニアだろう。このままケンタウロスを食ってくれると助かるが…
『なんだこいつら?鬱陶しいな。』
ケンタウロスは電気を纏った斧を湖へ叩きつけると、足元のエーギルピラニアは肉塊になり、ケンタウロスから離れていたエーギルピラニアも湖に広がった電気で感電死し水面へ浮き上がっていた。
『邪魔はなくなったな。始めようぜ。』
そうして大雨の中、湖を挟みケンタウロスとの戦闘が始まった。
「ええ、今なら楽勝ですよ。」
サーシャが自信満々に言ったのを聞きつつ五層への階段を登ろうとした時…
『最近騒がしいと思ったら、人間が来てんのか。』
突如声が聞こえそれは階段を降りてきた。それは下半身が馬、上半身が人の魔物だった。鋭い犬歯が特徴的だ。また、背中に弓を背負い、右手には手斧を持っている。手斧と言っても人間からしたらかなり大きいものだったが。
「ケンタウロスです!気をつけて!」
「五層から…降りてきたのか?」
『あー違う違う。オレが居たのは六層だ。五層のやつは邪魔だったからこの通りだ。』
ケンタウロスが左手に持っていたのは大きなトカゲのようなものの頭部だった。五層にはこいつがいたがケンタウロスにやられたらしい。
『やるか。』
ケンタウロスは魔物の頭部を投げ捨て戦闘態勢をとった。そして斧を振りかざされ、俺はデュランハルで迎え撃った。この距離ならデュランハルで切り刻める。そう確信したが…
『しっかり反応したな。でもそれじゃオレには勝てねぇよ。』
「ぐっ」
俺は苦痛で声を漏らした。その原因はケンタウロスの斧、それが電気を纏っていることだった。このまま打ち合えば感電してそれどころではないだろう。
「一旦引きますよ!アクアショットガン!」
そうサーシャに手を引かれながら言われ、俺達は壊れた壁から大雨の湖へと飛び降りた。ケンタウロスは魔法で妨害されこちらを追えていない。湖まで高さ数十mあったがサーシャが水のクッションを作りだし衝撃を吸収、そして水の上を魔法で歩きだした。逃げ切れたと思ったが…
『逃げんなよ。つまんねぇな。』
塔に残っているケンタウロスは背中の弓を取り出し、一気に3本の矢を装填し放った。
「頼むぞ、デュランハル!」
それに応えるようにデュランハルはキラッと光り、3本の矢を全て撃ち落とした。だが鋭い痛みが体を走った。
「ぐあっ!」
この痛みはさっきと同じ感電の痛みだ。どうやら矢にも電気を纏わせていたらしい。体に力が入らない。だがそんな俺をサーシャは抱きかかえながら湖を渡りその奥の森へ何とか逃げ込むことができた。
「はぁはぁ…あれはやばかった…」
「ケンタウロスは雷属性の魔物で戦闘力、知能も高く遠距離、近距離にも対応できる厄介な魔物です。対策を考えましょう。」
「そうは言ったって金属性の剣を使う俺と、水魔法を使うサーシャはあの電気は相性悪いだろう。」
「とりあえず、狭い塔の中で私の魔法の物量で何とかします。少し休憩したら塔へ向かいましょう。」
1時間後、回復した俺とサーシャは湖の目の前に着いた。そこで見たのは待ち伏せしていたミノタウロスだった。
『なかなか来ないからこっちから来てやったぜ。』
ケンタウロスとは湖を挟んでいるので距離があるが威圧感が伝わってくる。直後、湖を渡ろうとしたケンタウロスの足元へ魚の群れが集まっていた。前にサーシャが言っていたエーギルピラニアだろう。このままケンタウロスを食ってくれると助かるが…
『なんだこいつら?鬱陶しいな。』
ケンタウロスは電気を纏った斧を湖へ叩きつけると、足元のエーギルピラニアは肉塊になり、ケンタウロスから離れていたエーギルピラニアも湖に広がった電気で感電死し水面へ浮き上がっていた。
『邪魔はなくなったな。始めようぜ。』
そうして大雨の中、湖を挟みケンタウロスとの戦闘が始まった。