不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
二層での激戦が終了した後、日も落ちてきたようなので寝ることにした。どうやら水魔法でベッドのようなものを生成できるらしい。水というよりもスライムのような感触でとても寝心地が良かった。
「よく眠れましたか?今日も次の階層へ進みますよ。」
「あ〜い。今度は慎重にいくからな。もう変なものには触らないよ。」
そう言って起き上がり、朝食として魔法食を食べた。
そしてすぐに三層への階段へ向かい登り始めた。
「そういえば、この塔って何層まであるんだ。まさか百層までとか言わないよな。」
「そんなに多くはないですよ。十層だけです。残り八層だけですから、頑張りましょう!」
サーシャは明るく言っているが、二層で既に命懸けだったので先が心配だ。そうして三層に上がると、見えたのは二層のように異常の見られない普通の石造りの階層だった。ただ一つ気になるのは階層の中心に兜の部分がない騎士のような鎧があったことだ。
「あれも魔物か?静かだけど今にも動き出しそうだぞ。」
「デュラハン…首なしの騎士の魔物です。近接は魔物の中で最強とも言われているので近づかないように。今はこっちに気づかれてないようなのでこの隙に何とかしましょう。」
「アクアショットガン」
その詠唱で20個近くの水の散弾がデュラハンへ降り注ぐ。無防備な状態なのでダメージを与えられると思ったが、デュラハンは高速で騎士剣を抜刀、続けて神速の剣技で全ての散弾を迎撃し撃ち落としていた。
「嘘だろ!?あれ防がれんのか!?」
「想定内です。デュラハンは近接に全振りした魔物…移動は遅いですし、あの剣技抜きの素の防御力も大したことありません。」
確かにこっちに歩いてきてはいるがのそのそと遅い歩みのため、まだ大丈夫だろう。ただ大丈夫と言っても距離は20m程度であまり時間はない、間合いに入ったら確実にバラバラにされるだろう。
「私の最高火力をぶつけます。下がっててください。」
そう言われ一歩下がると、サーシャは左手で右手首を掴み魔力を込めていた。
「アクアキャノン!!」
右手の手のひらから、水竜の息吹とも遜色ないような、水の極太レーザーが放たれた。
だか近接最強の魔物、デュラハンは騎士剣を高速で回転させ衝突したアクアキャノンの勢いをほとんど減衰させていた。しかしこちらも水の最上位魔法、最後の勢いでかろうじて騎士剣だけデュラハンの手から弾くことができた。
「これでもほぼノーダメージかよ…」
デュラハンが弾かれた剣を拾うまで数秒、その後はまたこちらに向かって来るだろう。このままで勝てるのか、そう不安がよぎった時…
「ハヤアキ、私達の勝ちですよ。アクアキャノンは少し上に逸らしました…天井を崩すために。」
よく見ると天井にヒビが入っていた。そのヒビはどんどん大きくなっていて…
直後、剣を手放し防御手段がないデュラハンは崩落した三層の天井の瓦礫に飲み込まれた。
「よく眠れましたか?今日も次の階層へ進みますよ。」
「あ〜い。今度は慎重にいくからな。もう変なものには触らないよ。」
そう言って起き上がり、朝食として魔法食を食べた。
そしてすぐに三層への階段へ向かい登り始めた。
「そういえば、この塔って何層まであるんだ。まさか百層までとか言わないよな。」
「そんなに多くはないですよ。十層だけです。残り八層だけですから、頑張りましょう!」
サーシャは明るく言っているが、二層で既に命懸けだったので先が心配だ。そうして三層に上がると、見えたのは二層のように異常の見られない普通の石造りの階層だった。ただ一つ気になるのは階層の中心に兜の部分がない騎士のような鎧があったことだ。
「あれも魔物か?静かだけど今にも動き出しそうだぞ。」
「デュラハン…首なしの騎士の魔物です。近接は魔物の中で最強とも言われているので近づかないように。今はこっちに気づかれてないようなのでこの隙に何とかしましょう。」
「アクアショットガン」
その詠唱で20個近くの水の散弾がデュラハンへ降り注ぐ。無防備な状態なのでダメージを与えられると思ったが、デュラハンは高速で騎士剣を抜刀、続けて神速の剣技で全ての散弾を迎撃し撃ち落としていた。
「嘘だろ!?あれ防がれんのか!?」
「想定内です。デュラハンは近接に全振りした魔物…移動は遅いですし、あの剣技抜きの素の防御力も大したことありません。」
確かにこっちに歩いてきてはいるがのそのそと遅い歩みのため、まだ大丈夫だろう。ただ大丈夫と言っても距離は20m程度であまり時間はない、間合いに入ったら確実にバラバラにされるだろう。
「私の最高火力をぶつけます。下がっててください。」
そう言われ一歩下がると、サーシャは左手で右手首を掴み魔力を込めていた。
「アクアキャノン!!」
右手の手のひらから、水竜の息吹とも遜色ないような、水の極太レーザーが放たれた。
だか近接最強の魔物、デュラハンは騎士剣を高速で回転させ衝突したアクアキャノンの勢いをほとんど減衰させていた。しかしこちらも水の最上位魔法、最後の勢いでかろうじて騎士剣だけデュラハンの手から弾くことができた。
「これでもほぼノーダメージかよ…」
デュラハンが弾かれた剣を拾うまで数秒、その後はまたこちらに向かって来るだろう。このままで勝てるのか、そう不安がよぎった時…
「ハヤアキ、私達の勝ちですよ。アクアキャノンは少し上に逸らしました…天井を崩すために。」
よく見ると天井にヒビが入っていた。そのヒビはどんどん大きくなっていて…
直後、剣を手放し防御手段がないデュラハンは崩落した三層の天井の瓦礫に飲み込まれた。