不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
巨大サソリを倒した後、俺は砂の坂を登り、なんとか地上に戻ることができた。地上に戻るとサーシャがいた。そして遠くを見るとヴェルダーが何体かの魔物と戦っている。だがすぐに全ての魔物が撃ち抜かれ消滅した。
「サーシャ。そっちは大丈夫か?」
「私も魔物に襲われましたが倒せましたよ。ヴェルダーさんは大群を相手取って丁度今倒し終えたようですね。ハヤアキは…怪我してますね。回復魔法かけてあげます」
サーシャは俺の体に手を当て回復魔法を発動させた。傷が治るとともに違和感を覚えた。
「前に回復魔法を使ってた時は詠唱してなっかたか?」
「よく気づきましたね。なんと私、無詠唱で魔法を使えるようになったのです。元から簡単な魔法は無詠唱でしたが自分を理解してすべての魔法が詠唱いらずです」
「自分を理解?」
「私は人一倍好奇心が強いようです。今まで無自覚だったそれを自覚したんです」
そう言ってサーシャは好奇心の浮かんだ目で見てきたが少し怖い。召喚された時の初対面の感じに近いだろうか。
『(なんか…彼女変わったね)』
俺と同じ目で見られているデュランハルがそう呟いた。その感想には俺も同意だ。話題を変えたい。
「そういえばこっちもいろいろあってデュランハルと会話できるようになった」
「ホントですか!?私も話したいです」
『(残念だけどボクは剣を介して喋っているわけだからこの声はご主人様にしか聞こえないよ)』
「あー今知ったんだがどうやらデュランハルと喋れるのは俺だけらしい。期待させてごめんな」
「……そうなんですか」
サーシャしょんぼりした様子で呟いた。すると戦いを終えたヴェルダーがこちらに向ったきた。
「お前ら良く無事だったな。こっちも数は多かったが一体一体は大したことなかったから大丈夫だ」
「おっさんも来たことだしこのまま魔獣を倒しに行くか」
「さっき感知魔法を使ったのでいる方角ならわかります。でも作戦とかどうしますか?」
「また封印魔法で動きを止めればいいんじゃないか?」
「あれは大昔の魔法使いが対クラーケン用に調整して作ったものなのでクラーケン以外には効果がありませんよ」
どうやら同じ手は使えないらしい。しかしクラーケンと同じ魔獣相手だといくら成長した俺とサーシャ、それにヴェルダーを加えても策がないと厳しいだろう。
「作戦ならオレにあるぞ。嬢ちゃんとアマガサが魔獣の足止め、その隙にオレが遠くから狙撃する。対魔獣ならお前らの方が経験し近くで足止めしてほしい。これでどうだ?」
「その作戦で大体はいいと思うが、おっさんは砂嵐の中でも狙撃できるのか?」
「オレは剣も魔法も使えんがこの銃だけで騎士団最強に上り詰めたんだ。それぐらいできるさ」
ヴェルダーのその言葉を信じることにし俺達は魔獣の元へと向かった。
歩くこと1時間、道中で何体かの魔物に遭遇したがどれも苦戦することなく倒せた。そして最初に異変を感じたのはデュランハルだった。
『(この先に魔力の塊を感じる。気を付けて)』
「二人共警戒。魔獣が近い」
全員が戦闘態勢に入った。だがその魔獣の姿形を見る前に俺達は荒れ狂う暴風に吹き飛ばされてしまった。
「サーシャ。そっちは大丈夫か?」
「私も魔物に襲われましたが倒せましたよ。ヴェルダーさんは大群を相手取って丁度今倒し終えたようですね。ハヤアキは…怪我してますね。回復魔法かけてあげます」
サーシャは俺の体に手を当て回復魔法を発動させた。傷が治るとともに違和感を覚えた。
「前に回復魔法を使ってた時は詠唱してなっかたか?」
「よく気づきましたね。なんと私、無詠唱で魔法を使えるようになったのです。元から簡単な魔法は無詠唱でしたが自分を理解してすべての魔法が詠唱いらずです」
「自分を理解?」
「私は人一倍好奇心が強いようです。今まで無自覚だったそれを自覚したんです」
そう言ってサーシャは好奇心の浮かんだ目で見てきたが少し怖い。召喚された時の初対面の感じに近いだろうか。
『(なんか…彼女変わったね)』
俺と同じ目で見られているデュランハルがそう呟いた。その感想には俺も同意だ。話題を変えたい。
「そういえばこっちもいろいろあってデュランハルと会話できるようになった」
「ホントですか!?私も話したいです」
『(残念だけどボクは剣を介して喋っているわけだからこの声はご主人様にしか聞こえないよ)』
「あー今知ったんだがどうやらデュランハルと喋れるのは俺だけらしい。期待させてごめんな」
「……そうなんですか」
サーシャしょんぼりした様子で呟いた。すると戦いを終えたヴェルダーがこちらに向ったきた。
「お前ら良く無事だったな。こっちも数は多かったが一体一体は大したことなかったから大丈夫だ」
「おっさんも来たことだしこのまま魔獣を倒しに行くか」
「さっき感知魔法を使ったのでいる方角ならわかります。でも作戦とかどうしますか?」
「また封印魔法で動きを止めればいいんじゃないか?」
「あれは大昔の魔法使いが対クラーケン用に調整して作ったものなのでクラーケン以外には効果がありませんよ」
どうやら同じ手は使えないらしい。しかしクラーケンと同じ魔獣相手だといくら成長した俺とサーシャ、それにヴェルダーを加えても策がないと厳しいだろう。
「作戦ならオレにあるぞ。嬢ちゃんとアマガサが魔獣の足止め、その隙にオレが遠くから狙撃する。対魔獣ならお前らの方が経験し近くで足止めしてほしい。これでどうだ?」
「その作戦で大体はいいと思うが、おっさんは砂嵐の中でも狙撃できるのか?」
「オレは剣も魔法も使えんがこの銃だけで騎士団最強に上り詰めたんだ。それぐらいできるさ」
ヴェルダーのその言葉を信じることにし俺達は魔獣の元へと向かった。
歩くこと1時間、道中で何体かの魔物に遭遇したがどれも苦戦することなく倒せた。そして最初に異変を感じたのはデュランハルだった。
『(この先に魔力の塊を感じる。気を付けて)』
「二人共警戒。魔獣が近い」
全員が戦闘態勢に入った。だがその魔獣の姿形を見る前に俺達は荒れ狂う暴風に吹き飛ばされてしまった。