- 閲覧前にご確認ください -

ある掲示板のネタの派生作品です。同名の作品がいくつかあります。

文字サイズ変更

不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔

#19

一心同体

「上にはすぐには戻れないな」

地下に落ちたとはいえそこまで深くはないのと砂が坂のようになっているので頑張れば登れそうだ。だか目の前の巨大サソリはそれを許してくれないだろう。
サソリその右腕の[漢字]鋏[/漢字][ふりがな]ハサミ[/ふりがな]が早速俺に向かってきた。幸いサソリの動きは速いわけではなく抜刀したデュランハルですぐに防げた。そして反撃をしたがサソリの硬い皮膚によって弾かれた。

「防御特化かよ…クラーケンの核より硬いんじゃないか?」

剣が何とか食い込んだクラーケンの核とは違いサソリには傷一つついていない。スピードとパワーはそこまでないがこの防御力は厄介だ。剣で再び斬ろうとするがまたしても弾かれた。そして両腕の鋏に注目していた俺はサソリの尾に狙われていることに気づかなかった。

「ぐあっ!」

サソリの尾が脇腹に直撃した。サーシャに回復魔法をかけてもらえば治る傷だかサーシャはこの場にいない。そして負傷で剣を握る手に力が入らない。やはり1人では魔物を倒せないのだろうか。

『(ボクのことを忘れるとは…まったく酷いご主人様だな)』

音が聞こえたわけではなく、脳に直接女性の声が響いた。直感でわかる、デュランハルの声だ。今までと違い声で意思疎通をしてきた。

「お前!?喋れるのか!?」
『(長い間ボクと一緒にいたからね。声ぐらい届かせられるようになるさ)』
「理屈はよくわからないがとにかく会話できるってこどだな。とりあえずあいつに勝つ方法を教えてくれ」

サソリが再び攻撃をしようとしてくる。負傷した体で防げるだろうか。

『(そうだね…一心同体になるしかない。ボクに体を委ねる感じだ)』

曖昧な指示だかやるしかない。体の力を程よく抜きデュランハルに委ねた。
そして体は十分に動き見事にサソリの攻撃を防いでみせた。

「何だ…これ…」

デュランハルが俺の体を乗っ取った時とも、俺が剣を振り回していた時とも違う。2人で剣と体を動かす感覚、彼女の言う通り一心同体になるような感じだ。

『(いいねご主人様。その調子だ)』

なんとなくコツは掴んだ。高揚感が溢れる。今なら勝てる。そう確信した。

剣が振るわれサソリに弾かれた、弾かれ、弾かれ、弾かれ、それでも剣を振るう。そしてついにサソリに掠り傷ができた。ただ何度も振ることで傷がついたわけではない、この不思議な感覚は…

「魔力を吸ってる?」
『(どうやらボクの能力を引き出せたみたいだね。ボクの能力は剣を当てた相手の魔力を吸い上げ剣の力に変換するものだ)』

わかりやすく言うなら斬れば斬るほど切れ味が上がる、そういう能力だろうか。その能力が一心同体となったことで発現したらしい。

「流石だよ。どうせなら名前も改めようか。

『[漢字]魔喰剣[/漢字][ふりがな]まぐいけん[/ふりがな]デュランハル・グーラ』

…でどうだ?お前もいいと思うか?」
『(ご主人様らしい良いネーミングだね。このまま反撃と行こう)』

サソリもどうやら本気になったらしい。両腕の鋏と尾の攻撃が連続で来る。全ての攻撃を弾く、そして魔力を吸う。今度はさっきよりも深い傷をつけることができた。剣を振り、傷を負わせる、そして魔力を吸う、その繰り返しだ。

ついにサソリの右の鋏を切り落とした。そしてさらに切れ味の上がった剣閃で左の鋏も切り落とす。サソリは最後の抵抗と言わんばかりに尾を振りかざした。だかその攻撃に当たるつもりはない。俺は剣を振り上げ呟いた。

「会話できるようになったこの際に言うけども、ここまでよく一緒に戦ってくれたよ。本当に感謝してる」
『(決着がついてからそういうことは言ってくれ。だがそう思っているのはボクも同じだよ)』
 
サソリはそんな2人の会話を聞きながら過去最高の切れ味の魔喰剣で尾と体をまとめて両断され消滅した。

作者メッセージ

今までデュランハルの性別は決めていませんでしたがこの際女性ということにしました。

2025/01/23 17:41

メイル ID:≫ip.9O8pz0hH7.
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 26

コメント
[8]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL