不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
目を覚ますと宿のベッドの中だった。サーシャが湖からここまで運んでくれたのだろう。するとテーブルに置き手紙があるのが目に入った。内容は今回の件を都市長に報告してくるというものだった。とりあえず待っていることにすると部屋の扉が勢いよく開けられた。
「アマガサ・ハヤアキだな。都市長がお呼びだ。ついて来い」
衛兵と見られる男が入ってきた。嫌な予感がしたがとりあえずついていくことにした。
そうして誘導された部屋に入るとサーシャと都市長と思われる男性がいた。
「私はこの街の都市長のデモルド・アコーネスだ。サーシャくんから話は聞いた。単刀直入に言おう、君達二人をオケアノスの塔破壊の罪でアイオロス砂漠へ追放する」
俺は理解が及ばなかった。
「どういうことだ!?俺達塔は壊したけど魔物と魔獣は倒したぞ」
「君は知らなかったかもしれないが1ヶ月後、王都から魔物の討伐隊が来る予定だった。この街に住んでいるサーシャくんが知らないはずないだろう。討伐隊なら魔物相手にオケアノスの塔を傷つけずに制圧できたさ。魔獣相手だと討伐隊もどうなるかわからないがそもそも消滅したという魔獣がいた証拠は何一つない」
次々と溢れてくる新情報を聞いた俺はサーシャに疑惑の目を向けた。
「ええと…討伐隊が来るのは知ってましたけど先に問題を解決したら名誉になるかなーって思ってですね…魔法には自信がありましたし」
もしかして俺はろくでもない理由で召喚されたのだろうか。それともう一つ気になることをサーシャに聞いた。
「なあ、オケアノスの塔って歴史的に価値があるものだったりしたのか?」
「そ、そうですね。トリトン遺産にも登録されているものですよ…」
トリトン遺産…こっちの世界の世界遺産みたいなものだろうか。俺の中でサーシャの株がどんどん下がっていく。
「でもですね!魔獣を倒したのは本当なんですよ!あれが野放しになったら大変なことになってました。信じてください!」
サーシャは都市長に必死に懇願した。
「魔獣は消滅したのだろう。これでは悪魔の証明だ。だが一ついい話があるぞ。アイオロス砂漠には魔獣がいる可能性が高い。それを倒せば追放は取り消し、それに加え莫大な褒賞金も与えよう」
「ちょっと待ってくれ。魔獣は絶滅したって話じゃなかったのか?それと今度魔獣を倒した証拠はどうすればいいんだ?」
「絶滅したと言われているのは遭遇して生還した者がいないため情報がほとんどないからだ。証拠に関しては監視役をつけるから問題ない」
俺は頭を抱えた。どうやらまた厄介事に巻き込まれるらしい。
「褒賞金ですよ!二人でなんとか頑張って手に入れましょう!」
そんなサーシャの明るい言葉に俺は頭が痛くなるばかりだった。
そうして水魔法使いと異世界人、ついでに1本の魔剣はアイオロス砂漠に追放されるのだった。
「アマガサ・ハヤアキだな。都市長がお呼びだ。ついて来い」
衛兵と見られる男が入ってきた。嫌な予感がしたがとりあえずついていくことにした。
そうして誘導された部屋に入るとサーシャと都市長と思われる男性がいた。
「私はこの街の都市長のデモルド・アコーネスだ。サーシャくんから話は聞いた。単刀直入に言おう、君達二人をオケアノスの塔破壊の罪でアイオロス砂漠へ追放する」
俺は理解が及ばなかった。
「どういうことだ!?俺達塔は壊したけど魔物と魔獣は倒したぞ」
「君は知らなかったかもしれないが1ヶ月後、王都から魔物の討伐隊が来る予定だった。この街に住んでいるサーシャくんが知らないはずないだろう。討伐隊なら魔物相手にオケアノスの塔を傷つけずに制圧できたさ。魔獣相手だと討伐隊もどうなるかわからないがそもそも消滅したという魔獣がいた証拠は何一つない」
次々と溢れてくる新情報を聞いた俺はサーシャに疑惑の目を向けた。
「ええと…討伐隊が来るのは知ってましたけど先に問題を解決したら名誉になるかなーって思ってですね…魔法には自信がありましたし」
もしかして俺はろくでもない理由で召喚されたのだろうか。それともう一つ気になることをサーシャに聞いた。
「なあ、オケアノスの塔って歴史的に価値があるものだったりしたのか?」
「そ、そうですね。トリトン遺産にも登録されているものですよ…」
トリトン遺産…こっちの世界の世界遺産みたいなものだろうか。俺の中でサーシャの株がどんどん下がっていく。
「でもですね!魔獣を倒したのは本当なんですよ!あれが野放しになったら大変なことになってました。信じてください!」
サーシャは都市長に必死に懇願した。
「魔獣は消滅したのだろう。これでは悪魔の証明だ。だが一ついい話があるぞ。アイオロス砂漠には魔獣がいる可能性が高い。それを倒せば追放は取り消し、それに加え莫大な褒賞金も与えよう」
「ちょっと待ってくれ。魔獣は絶滅したって話じゃなかったのか?それと今度魔獣を倒した証拠はどうすればいいんだ?」
「絶滅したと言われているのは遭遇して生還した者がいないため情報がほとんどないからだ。証拠に関しては監視役をつけるから問題ない」
俺は頭を抱えた。どうやらまた厄介事に巻き込まれるらしい。
「褒賞金ですよ!二人でなんとか頑張って手に入れましょう!」
そんなサーシャの明るい言葉に俺は頭が痛くなるばかりだった。
そうして水魔法使いと異世界人、ついでに1本の魔剣はアイオロス砂漠に追放されるのだった。