不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
「封印が壊れかけてる!?それはやばいんじゃないか!?」
「お、落ち着いてください!壊れかけてるだけで今すぐ壊れるわけではありませんから。封印から何百年も経って封印が弱まってきたのでしょう。ただいつまで待つか分かりません、明日かもしれないし1年後かもしれません。最悪を想定すれば時間はありません。その時にここに魔物がいると討伐の邪魔になります」
サーシャの頭の中では封印が解かれた魔獣を倒すのは確定事項らしい。
「魔獣を倒すって本気かよ。封印をもっと強固にするとかできないのか?」
「これはそれぞれの属性の熟練した魔法使いが作ったものです。私1人ではどうにもなりませんし、他の属性の私レベルの魔法使いを集めるのも難しいでしょう」
そして覚悟を決めた顔で続けた。
「残りは七、八、九、十、の四層。一つずつ攻略するのは時間がかかります。ですから…塔を破壊してまとめて吹き飛ばしましょう」
サーシャは脳筋としかいえない発言をした。
「は?ちょっと待ってくれ!そんなことしていいのか!?そもそもそれができるなら最初からやればよかったんじゃ…」
「最初にこれをしなかったのは制御装置を残すためですよ、一応農業に使えるものですし。ですが塔の目的が天候操作ではなく封印だとわかった以上もう手段は選びません。では、いきますよ」
サーシャは手を天井にかざし魔力を込め詠唱を開始した。
「水流で穿って、洪水で押し流して、大波で飲み込んで、ーアクアレールガン」
放たれたのは過去最高に圧縮された水の奔流。それが零層の天井を破壊そのまま一層の天井も破壊、そして二層、三層と続き塔を破壊し尽くした。そしてボロボロになったオケアノスの塔は轟音と共に崩れ落ち、湖に瓦礫が降り注いだ。
「アクアシールド」
その瓦礫からサーシャ本人と俺、封印の台座を水のシールドで守った。穴の空いた天井を見ると雨雲が消滅し天気が晴れていた。制御装置も巻き込まれたのだろう。異世界で初めて見る晴れに俺は謎の感慨を覚えた。
「これで魔物は全部倒せたのか…?」
その疑問を否定するように瓦礫と共に落ちてきたのは四角いブロックでできたゴーレムのような魔物だった。どこかしらの階層にいたのだろう。ただ右半身が崩壊していて満身創痍だ。
「これくらいなら何とかなるな。サーシャ、やってくれ」
サーシャが手をゴーレムに向け魔法を発動しようとすると、ゴーレムは水流に飲まれ今度こそ倒された。しかしその水流はサーシャが放ったものではなく空から降り注いだものだ。
「やっぱり来ましたか…」
『グオオオォォォォ!!』
雨雲の晴れた上空から翼をはためかせながら降りてきたのは胸を中心に傷で血塗れた水竜だった。少ないないダメージを与えたようだが戦意は失われいないようだ。そして何より驚くことは水竜の頭が1つではなく3つもあることだった。
「三つ首なんてアリかよ…」
水竜の3つの首それぞれから合わせて3本の破壊の息吹が放たれた。
オケアノスの塔最後の魔物との戦闘が始まった。
「お、落ち着いてください!壊れかけてるだけで今すぐ壊れるわけではありませんから。封印から何百年も経って封印が弱まってきたのでしょう。ただいつまで待つか分かりません、明日かもしれないし1年後かもしれません。最悪を想定すれば時間はありません。その時にここに魔物がいると討伐の邪魔になります」
サーシャの頭の中では封印が解かれた魔獣を倒すのは確定事項らしい。
「魔獣を倒すって本気かよ。封印をもっと強固にするとかできないのか?」
「これはそれぞれの属性の熟練した魔法使いが作ったものです。私1人ではどうにもなりませんし、他の属性の私レベルの魔法使いを集めるのも難しいでしょう」
そして覚悟を決めた顔で続けた。
「残りは七、八、九、十、の四層。一つずつ攻略するのは時間がかかります。ですから…塔を破壊してまとめて吹き飛ばしましょう」
サーシャは脳筋としかいえない発言をした。
「は?ちょっと待ってくれ!そんなことしていいのか!?そもそもそれができるなら最初からやればよかったんじゃ…」
「最初にこれをしなかったのは制御装置を残すためですよ、一応農業に使えるものですし。ですが塔の目的が天候操作ではなく封印だとわかった以上もう手段は選びません。では、いきますよ」
サーシャは手を天井にかざし魔力を込め詠唱を開始した。
「水流で穿って、洪水で押し流して、大波で飲み込んで、ーアクアレールガン」
放たれたのは過去最高に圧縮された水の奔流。それが零層の天井を破壊そのまま一層の天井も破壊、そして二層、三層と続き塔を破壊し尽くした。そしてボロボロになったオケアノスの塔は轟音と共に崩れ落ち、湖に瓦礫が降り注いだ。
「アクアシールド」
その瓦礫からサーシャ本人と俺、封印の台座を水のシールドで守った。穴の空いた天井を見ると雨雲が消滅し天気が晴れていた。制御装置も巻き込まれたのだろう。異世界で初めて見る晴れに俺は謎の感慨を覚えた。
「これで魔物は全部倒せたのか…?」
その疑問を否定するように瓦礫と共に落ちてきたのは四角いブロックでできたゴーレムのような魔物だった。どこかしらの階層にいたのだろう。ただ右半身が崩壊していて満身創痍だ。
「これくらいなら何とかなるな。サーシャ、やってくれ」
サーシャが手をゴーレムに向け魔法を発動しようとすると、ゴーレムは水流に飲まれ今度こそ倒された。しかしその水流はサーシャが放ったものではなく空から降り注いだものだ。
「やっぱり来ましたか…」
『グオオオォォォォ!!』
雨雲の晴れた上空から翼をはためかせながら降りてきたのは胸を中心に傷で血塗れた水竜だった。少ないないダメージを与えたようだが戦意は失われいないようだ。そして何より驚くことは水竜の頭が1つではなく3つもあることだった。
「三つ首なんてアリかよ…」
水竜の3つの首それぞれから合わせて3本の破壊の息吹が放たれた。
オケアノスの塔最後の魔物との戦闘が始まった。