不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
「ギリギリで…勝てた…」
俺はケンタウロスが消滅したのを見届けると、湖に落ちた。デュランハルを拾い上げた。
「にしてもその剣はすごいですね。投擲までできるなんて。」
「予想以上に強かった。でも刀身剥き出しだと持ち運びにくいな。どうにかできないだろうか。」
それを聞いたデュランハルがキラッと光り、鞘とベルトを生成し俺に装備した。
「こんなこともできんのか。いや、首無し鎧を操ってた訳だし生成もできるってことか。」
何はともあれこれで持ち運びも楽になるだろう。
「とりあえずケンタウロスがいた六層まで行きましょう。五層の魔物が勝手にやられたのはラッキーでしたね。」
そして俺はサーシャに手を引かれ湖を渡りとりあえず一層まで渡った。すると鞘の中のデュランハルがカタカタと震え出した。
「ん?どうした?」
「異変でも感じ取ったのかもしれません。魔物は魔力に敏感ですし。念の為感知魔法をかけてみましょう。」
「水魔法はそこまでできるのか。」
「感知魔法は無属性の魔法ですよ。そういえばハヤアキには属性のこと説明してなかったですね。魔法は火、水、風、土、雷、氷、光、闇、無の属性があって魔法使いには適正が1つか2つあります。私の適正は水だけなので無属性である感知魔法やあなたを呼び出した召喚魔法を覚えるのは大変でした。」
説明を終えるとサーシャは目を瞑り集中していた。感知魔法を使っているようだ。
「…ここ一層の真下、地下に空間があるようです。そこから大きな魔力も伝わってきます。」
「地下?行く方法なんてなさそうだぞ。」
「どうでしょうか。とりあえず一層を少し調べてみましょう。」
ー何か手掛かりがないか探し始めて1時間後ー
「ここの壁…少し変だな」
暗くて分かりにくいが、その壁に継ぎ目見えたので触ってみた。するとその部分が凹み、床が動き出した。
「地下への階段ですかね?」
そして今まで上の階層に登るのに使っていたのと同じ階段が出現した。
「零層とでも呼べばいいかな。とりあえず行ってみよう。」
零層へ降りるとそこは他の階層より狭く小さな部屋のようだった。そして中央には虹色に光っている台座があった。
「これが塔の制御装置なのか?」
「いえ、制御装置は十層にあるはずなので違います。これは…なんでしょう?少し解析してみます。」
サーシャは台座に手を当て解析を始めた。
「は?ちょっと理解が…」
「落ち着け。解析できたのか?
「は、はい…解析はできました。これは…封印です。それもおそらくただの魔物ではない魔獣のものです。」
「魔獣?」
「魔獣は今では絶滅したと言われている大昔の怪物です。魔物の延長線上の存在ではありますが、力の大きさは比べものになりません。」
魔獣…この世界にはまだまだ知らない厄ネタが転がっているようだ。
「それの封印か。でもなんでこんなところに?」
「この封印は全属性複合魔法。複数の魔法使いが関わっていたに違いありません。もしかしたら天候操作の塔というのはカモフラージュでこの封印が塔の本来の目的なのかもしれません。」
衝撃の事実の連続に頭が痛くなってくる。
「でも封印できているなら問題ないんだろ。」
サーシャはその言葉に顔を曇らせ、口にしたのは…
「前に竜の魔力で魔物が集まったのかもしれないと言ったのは覚えていますか?でもその仮定は間違っていました。竜も魔獣の漏れた魔力で集まった魔物に過ぎないようです。そして魔力が漏れているということは…
封印が壊れかけています。」
今までで最大の最悪の知らせだった。
俺はケンタウロスが消滅したのを見届けると、湖に落ちた。デュランハルを拾い上げた。
「にしてもその剣はすごいですね。投擲までできるなんて。」
「予想以上に強かった。でも刀身剥き出しだと持ち運びにくいな。どうにかできないだろうか。」
それを聞いたデュランハルがキラッと光り、鞘とベルトを生成し俺に装備した。
「こんなこともできんのか。いや、首無し鎧を操ってた訳だし生成もできるってことか。」
何はともあれこれで持ち運びも楽になるだろう。
「とりあえずケンタウロスがいた六層まで行きましょう。五層の魔物が勝手にやられたのはラッキーでしたね。」
そして俺はサーシャに手を引かれ湖を渡りとりあえず一層まで渡った。すると鞘の中のデュランハルがカタカタと震え出した。
「ん?どうした?」
「異変でも感じ取ったのかもしれません。魔物は魔力に敏感ですし。念の為感知魔法をかけてみましょう。」
「水魔法はそこまでできるのか。」
「感知魔法は無属性の魔法ですよ。そういえばハヤアキには属性のこと説明してなかったですね。魔法は火、水、風、土、雷、氷、光、闇、無の属性があって魔法使いには適正が1つか2つあります。私の適正は水だけなので無属性である感知魔法やあなたを呼び出した召喚魔法を覚えるのは大変でした。」
説明を終えるとサーシャは目を瞑り集中していた。感知魔法を使っているようだ。
「…ここ一層の真下、地下に空間があるようです。そこから大きな魔力も伝わってきます。」
「地下?行く方法なんてなさそうだぞ。」
「どうでしょうか。とりあえず一層を少し調べてみましょう。」
ー何か手掛かりがないか探し始めて1時間後ー
「ここの壁…少し変だな」
暗くて分かりにくいが、その壁に継ぎ目見えたので触ってみた。するとその部分が凹み、床が動き出した。
「地下への階段ですかね?」
そして今まで上の階層に登るのに使っていたのと同じ階段が出現した。
「零層とでも呼べばいいかな。とりあえず行ってみよう。」
零層へ降りるとそこは他の階層より狭く小さな部屋のようだった。そして中央には虹色に光っている台座があった。
「これが塔の制御装置なのか?」
「いえ、制御装置は十層にあるはずなので違います。これは…なんでしょう?少し解析してみます。」
サーシャは台座に手を当て解析を始めた。
「は?ちょっと理解が…」
「落ち着け。解析できたのか?
「は、はい…解析はできました。これは…封印です。それもおそらくただの魔物ではない魔獣のものです。」
「魔獣?」
「魔獣は今では絶滅したと言われている大昔の怪物です。魔物の延長線上の存在ではありますが、力の大きさは比べものになりません。」
魔獣…この世界にはまだまだ知らない厄ネタが転がっているようだ。
「それの封印か。でもなんでこんなところに?」
「この封印は全属性複合魔法。複数の魔法使いが関わっていたに違いありません。もしかしたら天候操作の塔というのはカモフラージュでこの封印が塔の本来の目的なのかもしれません。」
衝撃の事実の連続に頭が痛くなってくる。
「でも封印できているなら問題ないんだろ。」
サーシャはその言葉に顔を曇らせ、口にしたのは…
「前に竜の魔力で魔物が集まったのかもしれないと言ったのは覚えていますか?でもその仮定は間違っていました。竜も魔獣の漏れた魔力で集まった魔物に過ぎないようです。そして魔力が漏れているということは…
封印が壊れかけています。」
今までで最大の最悪の知らせだった。