不遇水魔法使いの禁忌術式 オケアノスの塔
「先手必勝です。アクアキャノン!」
『そんなトロい攻撃当たんねぇよ。』
サーシャの放った水の奔流をケンタウロスは横に飛び軽々しく避けていた。
「速いですね。私の攻撃は当たりそうにないです。では作戦通りお願いしますよ。アクアアーマー。」
サーシャは俺に魔法をかけ俺は呼吸をするための口元以外を水の鎧で覆われた。
「持続時間は2分程度ですし衝撃でも解除されるので気をつけてください。」
直後、ケンタウロスが矢を放ってきた。また3本同時に放たれ電気を纏っている。前は感電してしまったがー
今度は感電することなく矢を斬り伏せた。
『ほぉ。対策はしてきたのか。』
ケンタウロスが感心するように言った。
ー遡ること1時間前ー
「とりあえず、狭い塔の中で私の魔法の物量で何とかします。少し休憩したら塔へ向かいましょう。」
「あいつは知能があるし物量だけでどうにかできる相手じゃないと思うんだよな。でも他に案はないし、そもそも相性が…いや、もしかしたら。」
「何か思いついたんですか?」
「水ってのは本来絶縁体なんだよ。」
「ゼツエンタイ?」
「電気を通さないって意味だ。魔法で生成した水は不純物とかないんだよな?」
「おそらくないはずです。」
「水が電気を通しやすいってのは不純物が水に含まれてる前提だ。それがなければ水は人体よりも電気を通しにくいんだよ。これなら水魔法でどうにかできるんじゃないか?」
サーシャは俺の説明を聞き、腕を組みながら理解しようとしていた。
「大体今の話はわかりました。なら私がハヤアキの水の鎧を作れば電気を防げそうです。」
「いいな、それで行こう。」
ーそして現在ー
実際に電気を纏った矢を防ぐことができた。100%電気を防ぐことはできないが戦闘には影響がない程度だろう。弓が効かないとわかるとケンタウロスは跳躍し一気に湖の浅瀬まで跳んできた。俺もケンタウロスに近づき浅瀬に足を踏み入れた。
そしてお互いがお互いの間合いに入り、攻撃の応酬が始まった。
「うおおおぉぉぉ!!」
『おらああぁぁぁ!!』
剣と斧がぶつかり合い激しい金属音が鳴り響いた。実力は互角ーーーーではない。俺=デュランハルの方がやや上だ。その証拠にケンタウロスは防戦一方、小さな傷も増えていった。このままなら押し切れるだろう。
『…お前、剣の腕はすごいが体の動かし方はド素人だな。』
ケンタウロスが戦法を変更。俺の周りを駆け回りヒットアンドアウェイの形で攻撃してきた。
「それは…まずい!」
デュランハルを使う上での致命的な弱点。それは俺が認識しているものでないと攻撃や防御をできないことだ。つまり死角からの攻撃などの不意討ちには対処不可。そこは俺の反射神経でどうにか視界に入れたりするしかない。一流の剣士なら当たり前に持っている身体能力が俺にはない。超一流の剣技と平凡な身体能力のアンバランスから生まれる弱点だ。
ケンタウロスはそれを見抜き死角に入りながら攻撃してきた。今度は俺が防戦一方だ。
『もう終わりか?』
遂に斧が直撃、アクアアーマーで防げたが、その衝撃でアクアアーマーは弾け飛んだ。次は直撃したら間違いなく致命傷になる上アクアアーマーがないので電気を纏った斧を剣で受けることすらできない。
「くっ…サーシャ!爆弾を!」
「はいっ!アクアボム!」
『チッ』
サーシャは水の爆弾を投げ、ケンタウロスは爆弾を避けるため俺から離れた。俺には当たらない位置で爆発したため、俺にもダメージはない。だが爆風でお互いが少しの間見えなくなった。だから俺が剣を振りかぶっていることにあいつは気づけない。あいつは俺の間合い入らなければ安全だと思っているだろう。それは間違いで剣技の定義も勘違いしている。
少なくともデュランハルの剣技の定義は
「斬る」「振る」「払う」「薙ぐ」「突く」「弾く」「受け止める」「受け流す」
ーそして「投げる」だ
超一流の剣技による剣の投擲が爆風の向こうからケンタウロスを襲った。咄嗟に斧で防ごうとしていたが完全に意識外からの攻撃には間に合わない。
魔剣がケンタウロスの胸を貫いていた。
『やるじゃねえか…』
ケンタウロスはそう言い残し塵となって消滅した。
『そんなトロい攻撃当たんねぇよ。』
サーシャの放った水の奔流をケンタウロスは横に飛び軽々しく避けていた。
「速いですね。私の攻撃は当たりそうにないです。では作戦通りお願いしますよ。アクアアーマー。」
サーシャは俺に魔法をかけ俺は呼吸をするための口元以外を水の鎧で覆われた。
「持続時間は2分程度ですし衝撃でも解除されるので気をつけてください。」
直後、ケンタウロスが矢を放ってきた。また3本同時に放たれ電気を纏っている。前は感電してしまったがー
今度は感電することなく矢を斬り伏せた。
『ほぉ。対策はしてきたのか。』
ケンタウロスが感心するように言った。
ー遡ること1時間前ー
「とりあえず、狭い塔の中で私の魔法の物量で何とかします。少し休憩したら塔へ向かいましょう。」
「あいつは知能があるし物量だけでどうにかできる相手じゃないと思うんだよな。でも他に案はないし、そもそも相性が…いや、もしかしたら。」
「何か思いついたんですか?」
「水ってのは本来絶縁体なんだよ。」
「ゼツエンタイ?」
「電気を通さないって意味だ。魔法で生成した水は不純物とかないんだよな?」
「おそらくないはずです。」
「水が電気を通しやすいってのは不純物が水に含まれてる前提だ。それがなければ水は人体よりも電気を通しにくいんだよ。これなら水魔法でどうにかできるんじゃないか?」
サーシャは俺の説明を聞き、腕を組みながら理解しようとしていた。
「大体今の話はわかりました。なら私がハヤアキの水の鎧を作れば電気を防げそうです。」
「いいな、それで行こう。」
ーそして現在ー
実際に電気を纏った矢を防ぐことができた。100%電気を防ぐことはできないが戦闘には影響がない程度だろう。弓が効かないとわかるとケンタウロスは跳躍し一気に湖の浅瀬まで跳んできた。俺もケンタウロスに近づき浅瀬に足を踏み入れた。
そしてお互いがお互いの間合いに入り、攻撃の応酬が始まった。
「うおおおぉぉぉ!!」
『おらああぁぁぁ!!』
剣と斧がぶつかり合い激しい金属音が鳴り響いた。実力は互角ーーーーではない。俺=デュランハルの方がやや上だ。その証拠にケンタウロスは防戦一方、小さな傷も増えていった。このままなら押し切れるだろう。
『…お前、剣の腕はすごいが体の動かし方はド素人だな。』
ケンタウロスが戦法を変更。俺の周りを駆け回りヒットアンドアウェイの形で攻撃してきた。
「それは…まずい!」
デュランハルを使う上での致命的な弱点。それは俺が認識しているものでないと攻撃や防御をできないことだ。つまり死角からの攻撃などの不意討ちには対処不可。そこは俺の反射神経でどうにか視界に入れたりするしかない。一流の剣士なら当たり前に持っている身体能力が俺にはない。超一流の剣技と平凡な身体能力のアンバランスから生まれる弱点だ。
ケンタウロスはそれを見抜き死角に入りながら攻撃してきた。今度は俺が防戦一方だ。
『もう終わりか?』
遂に斧が直撃、アクアアーマーで防げたが、その衝撃でアクアアーマーは弾け飛んだ。次は直撃したら間違いなく致命傷になる上アクアアーマーがないので電気を纏った斧を剣で受けることすらできない。
「くっ…サーシャ!爆弾を!」
「はいっ!アクアボム!」
『チッ』
サーシャは水の爆弾を投げ、ケンタウロスは爆弾を避けるため俺から離れた。俺には当たらない位置で爆発したため、俺にもダメージはない。だが爆風でお互いが少しの間見えなくなった。だから俺が剣を振りかぶっていることにあいつは気づけない。あいつは俺の間合い入らなければ安全だと思っているだろう。それは間違いで剣技の定義も勘違いしている。
少なくともデュランハルの剣技の定義は
「斬る」「振る」「払う」「薙ぐ」「突く」「弾く」「受け止める」「受け流す」
ーそして「投げる」だ
超一流の剣技による剣の投擲が爆風の向こうからケンタウロスを襲った。咄嗟に斧で防ごうとしていたが完全に意識外からの攻撃には間に合わない。
魔剣がケンタウロスの胸を貫いていた。
『やるじゃねえか…』
ケンタウロスはそう言い残し塵となって消滅した。