高速道路でバイクに乗っていた俺は、目の前にカラスが飛んできて、避けようとした瞬間バランスを崩して、そのまま死んだ。
そして目が覚めたら...
「...⁉」
自分の家だ。しかも、自分の布団だ。バイクで転んで死んだはずなのに、もう一度自分に転生してしまったというのか。
だが、そうなれば人生もう一度やり直したい。確かバイクで転んだのは...24日だ。そして今日は24日。今日は絶対にバイクに乗らない。外にも出ない。そうすれば、死ぬことは無いだろう。
だが転生したとなると、周りの人にこのことを教えたくなる。たとえ信じてくれなくても、聞いてくれればそれで満足だ。
試しに、友人のＡに電話を掛けた。
「おお、どうした？」
電話の向こうのＡも、寝起きの様だ。
「実は俺、転生したんだよ」
「......は？」
「だから、バイクで転んで死んだと思ったら、死んだ日の朝の俺に転生したんだよ」
「...............それ、夢から覚めただけだよ」