みんな!ぼくのものがたりだよ!by40代男性
1月13日。早朝。
[明朝体]バッ[/明朝体]
ぼくはピカピカのすーつを着る。
ふふ…いつぶりだろう。すーつ着たの……
……ねくたいってどうやって結ぶんだっけ?
「ちょ、ちょっと弘!」
そう言ってドタバタと部屋に入ってきたのは、母さん。
「どうしたの?母さん」
「どうしたのじゃないわよ!なんで朝5時からスーツ着てるのよ!」
「えっ?なんでって?だって今日は成人式じゃん!ぼく楽しみにしてたんだもん」
「えっ」ともいわんばかりにこっちを見てる母さん。
なんで母さんは驚いてるのかな?
「今日は精神科行くって言ったじゃない!成人式って……お年玉とかサンタさんならまだ1無量大数歩譲ってまだわかる…わ。でも成人式は絶対に18歳が参加するものよ。」
「ひどい!さーべつ!今はたようせいの時代ですから!」
「多様性の次元超えちゃってるわよ!」
えー。せっかく楽しみにしてたのに。
……でも。ぼくは、いくんだ。
もしかしたら18歳と間違われるかもしれないし!
もしかしたら「きみは18歳未満でしょ?」って言われるかもしれないしさ。
「市民ホールで今日朝の9時からやるらしいの。それめがけて身支度もととのえるの!」
「だから、今日は精神科!せっかく予約したんだから、行ってくれないと困るわよ!」
「えーやだ!ぼくは成人式に行くの!……あれ、まだねくたい結べない……」
えっと、ここをこうして、そうしたら……ってこれはリボンしばりだよ〜!!
「……まぁ今ここで教えておけばまた仕事始めてくれるかしらね……」
そう呟いた母さんは、ぼくのもとに近づいてねくたいを奪った。
「わーん!!ひどい!ねくたい返して!」
「結び方を教えようとしてるのよ!……ええとね、ここをこうしてそうして、そうしたらこうで……はい!できた!」
「お〜!!すごい!さすが母さん!」
ほんとにすごい!こんなに複雑なねくたいを結べるなんて!!
「これは常識よ……。さぁ、スーツを脱いで精神科へ向かおう!」
「やだー!」
「なんでー!!行くって約束でお年玉上げたの忘れたの?!」
「いやだったらいやー!!」
病院って、お注射して、おくすり飲まなきゃだもん!
「あなた精神科の意味わかってるの…?ただの心の病院よ、世界一簡単に言うと……」
「ぼく嫌なことなんてないもんっ!ってあれ、もうこんな時間じゃん、いかないと!」
「あ、ちょっと、まちなさい!」
なんか聴こえたけどまあいいや。
多分「いってらっしゃい」だよね!
「……はぁ、ふぅ、……へぇ、ふぅ、ひぃ……」
久しぶりに走ると疲れるなぁ……
「ええと、市民ホールは…あ、あった!」
だいぶ時間かかっちゃった……
「こんにちは!佐藤弘です!成人するひと……です!」
「はい……ええと、ん……君どうみても40……50代だよね。成人式は新成人が参加するものですよ」
えっ……?
「ぼくは成人式いきたぁい!いや!ぼくはいくのぉ!」
そう騒ぐと、まわりから視線が……
なんかアイドルになったみたいだ!!
「だから、成人式は18歳のものなの、速くかえってくれないかな…」
……えー…せっかくやわらかいふいんきだったのに。
[水平線]
「もうっ、なんなの!ぼくのことおいだして!!」
「……それが普通の対応だと思うわ」
「ええ!なんで?!よのなかはぼくにきびしいよ!」
ひどい!みんなぁ!ぼくにきびしすぎる!
「さぁ、あたりまえのようにかえってきたけど精神科行くわよ」
「えええ?いやだ!ぼく行かないもん!お注射いやだもーん!!」
[明朝体]バッ[/明朝体]
ぼくはピカピカのすーつを着る。
ふふ…いつぶりだろう。すーつ着たの……
……ねくたいってどうやって結ぶんだっけ?
「ちょ、ちょっと弘!」
そう言ってドタバタと部屋に入ってきたのは、母さん。
「どうしたの?母さん」
「どうしたのじゃないわよ!なんで朝5時からスーツ着てるのよ!」
「えっ?なんでって?だって今日は成人式じゃん!ぼく楽しみにしてたんだもん」
「えっ」ともいわんばかりにこっちを見てる母さん。
なんで母さんは驚いてるのかな?
「今日は精神科行くって言ったじゃない!成人式って……お年玉とかサンタさんならまだ1無量大数歩譲ってまだわかる…わ。でも成人式は絶対に18歳が参加するものよ。」
「ひどい!さーべつ!今はたようせいの時代ですから!」
「多様性の次元超えちゃってるわよ!」
えー。せっかく楽しみにしてたのに。
……でも。ぼくは、いくんだ。
もしかしたら18歳と間違われるかもしれないし!
もしかしたら「きみは18歳未満でしょ?」って言われるかもしれないしさ。
「市民ホールで今日朝の9時からやるらしいの。それめがけて身支度もととのえるの!」
「だから、今日は精神科!せっかく予約したんだから、行ってくれないと困るわよ!」
「えーやだ!ぼくは成人式に行くの!……あれ、まだねくたい結べない……」
えっと、ここをこうして、そうしたら……ってこれはリボンしばりだよ〜!!
「……まぁ今ここで教えておけばまた仕事始めてくれるかしらね……」
そう呟いた母さんは、ぼくのもとに近づいてねくたいを奪った。
「わーん!!ひどい!ねくたい返して!」
「結び方を教えようとしてるのよ!……ええとね、ここをこうしてそうして、そうしたらこうで……はい!できた!」
「お〜!!すごい!さすが母さん!」
ほんとにすごい!こんなに複雑なねくたいを結べるなんて!!
「これは常識よ……。さぁ、スーツを脱いで精神科へ向かおう!」
「やだー!」
「なんでー!!行くって約束でお年玉上げたの忘れたの?!」
「いやだったらいやー!!」
病院って、お注射して、おくすり飲まなきゃだもん!
「あなた精神科の意味わかってるの…?ただの心の病院よ、世界一簡単に言うと……」
「ぼく嫌なことなんてないもんっ!ってあれ、もうこんな時間じゃん、いかないと!」
「あ、ちょっと、まちなさい!」
なんか聴こえたけどまあいいや。
多分「いってらっしゃい」だよね!
「……はぁ、ふぅ、……へぇ、ふぅ、ひぃ……」
久しぶりに走ると疲れるなぁ……
「ええと、市民ホールは…あ、あった!」
だいぶ時間かかっちゃった……
「こんにちは!佐藤弘です!成人するひと……です!」
「はい……ええと、ん……君どうみても40……50代だよね。成人式は新成人が参加するものですよ」
えっ……?
「ぼくは成人式いきたぁい!いや!ぼくはいくのぉ!」
そう騒ぐと、まわりから視線が……
なんかアイドルになったみたいだ!!
「だから、成人式は18歳のものなの、速くかえってくれないかな…」
……えー…せっかくやわらかいふいんきだったのに。
[水平線]
「もうっ、なんなの!ぼくのことおいだして!!」
「……それが普通の対応だと思うわ」
「ええ!なんで?!よのなかはぼくにきびしいよ!」
ひどい!みんなぁ!ぼくにきびしすぎる!
「さぁ、あたりまえのようにかえってきたけど精神科行くわよ」
「えええ?いやだ!ぼく行かないもん!お注射いやだもーん!!」