二次創作
光の子守り人
暴れるデビふくんをなんとか街外れまで連れ出し、周りに人がいなくなってから解放すると、そこには落ち込んだ様子の魔物の顔があった。
「●●さん、ごめんなさい。いきなり人間たちがお家を襲ってきて、僕は吹き飛ばされちゃったんよ」
とおらふくんは言った。
起きたことを責めても仕方がないので私は許そうと思ったが、おらふくんから予想外の話が出てきて驚いた。
「え……今なんて言った?」
「えっと、吹き飛ばされたって……」
「違う違う! もっと前の話!」
「人間たちがお家を襲ってきてって……」
「え?!?!」
私は大きな声を出してしまった。どうして、なぜ。私は彼らをこっそり連れてきたから、家に魔物の子どもがいるなんて誰も知らないはず。私は急いで自宅へ向かった。私の部屋はアパートの角にあるはずが、そこには瓦礫しか残っていなくて言葉を失った。
立ち尽くしていると、フラフラと小さな魔物が瓦礫から出てきた。
「あ、●●さん、おかえりなさい!」
と言ったのは半裸の魔物、ドズルだ。髪には煤がついて体中がボロボロだ。私は膝をついた。
「どうしてこんなことに……」
怪我はないのか、と聞こうとして、ドズルは眉を下げた。
「ごめんなさい、●●さん。いきなり人間たちが襲ってきて、●●さんの部屋をちゃんと守れなかったよ……」
とドズルは後ろの残っている壁を振り向く。私はその壁に近づいてみた。壁や天井はほぼないものの、家具や道具はほとんど残っていた。他の部屋は跡形もなく崩れているのに。
「あ、おらふくんも無事だったのか」
瓦礫の片付けをしていたらしい豚の魔物のMENが出てきた。うん、無事だったよ〜とおらふくんは空中でくるりと回ったが、まだ見当たらない魔物の子たちがいる。
「ぼんくんとおんりーくんは?」
私は彼らに恐る恐る訊ねた。私はまだ、失うことへの恐怖が拭い取れていなかったのだ。
「こっちです」
MENが何か答えようとするより早く、おんりーが出てきて声を掛けてきた。見た目はボロボロだが、歩けるならまだ大怪我はないようである。
「ぼんさんが、●●さんの部屋を守るって大きな魔法陣を張ったんです」とおんりーは言いながら瓦礫から離れたところへ向かう。「ぼんさん、魔力を使い過ぎちゃったのかもしれないです」
「……っ!」
そこには、辛そうに横たわるぼんがいて、出会った時から掛けていた黒い眼鏡が大きくズレていた。
「今治すからね……!」
私は僧侶だ。すぐに杖を取り出して魔法を詠唱した。
「あらゆる痛みを取り除け、リカバル!」
私の魔法はキラキラした光の粒となってぼんへ注ぐ。すると、みるみる内にぼんの表情が和らいでいった。
「……うん、これで大丈夫」
あとは安静な場所に行けば、ぼんはいずれ目を覚ますだろう。
闇の存在の魔物に、私の光属性の治療魔法を掛けて良かったかは不安は残るけれど。
「とりあえず……寝るところを探そうか」
「●●さん、ごめんなさい。いきなり人間たちがお家を襲ってきて、僕は吹き飛ばされちゃったんよ」
とおらふくんは言った。
起きたことを責めても仕方がないので私は許そうと思ったが、おらふくんから予想外の話が出てきて驚いた。
「え……今なんて言った?」
「えっと、吹き飛ばされたって……」
「違う違う! もっと前の話!」
「人間たちがお家を襲ってきてって……」
「え?!?!」
私は大きな声を出してしまった。どうして、なぜ。私は彼らをこっそり連れてきたから、家に魔物の子どもがいるなんて誰も知らないはず。私は急いで自宅へ向かった。私の部屋はアパートの角にあるはずが、そこには瓦礫しか残っていなくて言葉を失った。
立ち尽くしていると、フラフラと小さな魔物が瓦礫から出てきた。
「あ、●●さん、おかえりなさい!」
と言ったのは半裸の魔物、ドズルだ。髪には煤がついて体中がボロボロだ。私は膝をついた。
「どうしてこんなことに……」
怪我はないのか、と聞こうとして、ドズルは眉を下げた。
「ごめんなさい、●●さん。いきなり人間たちが襲ってきて、●●さんの部屋をちゃんと守れなかったよ……」
とドズルは後ろの残っている壁を振り向く。私はその壁に近づいてみた。壁や天井はほぼないものの、家具や道具はほとんど残っていた。他の部屋は跡形もなく崩れているのに。
「あ、おらふくんも無事だったのか」
瓦礫の片付けをしていたらしい豚の魔物のMENが出てきた。うん、無事だったよ〜とおらふくんは空中でくるりと回ったが、まだ見当たらない魔物の子たちがいる。
「ぼんくんとおんりーくんは?」
私は彼らに恐る恐る訊ねた。私はまだ、失うことへの恐怖が拭い取れていなかったのだ。
「こっちです」
MENが何か答えようとするより早く、おんりーが出てきて声を掛けてきた。見た目はボロボロだが、歩けるならまだ大怪我はないようである。
「ぼんさんが、●●さんの部屋を守るって大きな魔法陣を張ったんです」とおんりーは言いながら瓦礫から離れたところへ向かう。「ぼんさん、魔力を使い過ぎちゃったのかもしれないです」
「……っ!」
そこには、辛そうに横たわるぼんがいて、出会った時から掛けていた黒い眼鏡が大きくズレていた。
「今治すからね……!」
私は僧侶だ。すぐに杖を取り出して魔法を詠唱した。
「あらゆる痛みを取り除け、リカバル!」
私の魔法はキラキラした光の粒となってぼんへ注ぐ。すると、みるみる内にぼんの表情が和らいでいった。
「……うん、これで大丈夫」
あとは安静な場所に行けば、ぼんはいずれ目を覚ますだろう。
闇の存在の魔物に、私の光属性の治療魔法を掛けて良かったかは不安は残るけれど。
「とりあえず……寝るところを探そうか」