二次創作
光の子守り人
「それで、勇者たちは全員……?」
ことの成り行きを全て話し終えた私は、ネコおじの言葉にゆっくり頷いた。今でも信じ難い話だった。目の前で崩落した建物に、彼らが下敷きになったこと。遺体すら発見出来なかったことも。
「なんてことだ……これも魔王の仕業だろう」
とネコおじは言い、私は目を上げた。
「そうなんですか?」
私が聞くと、ネコおじのグレー色のフードが揺れた。
「そんなことが出来るのは魔王しかいない。魔王は、対象を遠くに飛ばしたり連れて来たりする魔法が使えるのじゃよ」
「そんな魔法が……」
だとしたら、あの遺跡には本当は、魔王に関する手掛かりが何かあったのではないか。そう思い始めてきて、あの場にいた魔物の子どもたちが頭を過ぎった。
もし、彼らが魔王関係の何かだったら。私が、彼らを退治しなくてはいけないのだろうか。
私は俯いた。
「……今日は疲れただろう、僧侶●●よ。部屋があるから、今日はここで泊まっていきなさい」
私が落ち込んでいると思ってのことの提案だろう。私は首を振った。
「いえ、今日は、自分の家に帰ります……」
何より、あの子たちが心配だ。と思った矢先。
「大きなクワガタがいたぞー!」
「特大サイズのクワガタだ!」
「みんな、追え追えー!」
教会の外が、子どもたちの声で賑やかになった。皆、虫でも追いかけているのだろうか……?
「違うよ! 僕はクワガタじゃない! デビューふくんだよ!」
え?
私は、急いで教会を飛び出した。
ことの成り行きを全て話し終えた私は、ネコおじの言葉にゆっくり頷いた。今でも信じ難い話だった。目の前で崩落した建物に、彼らが下敷きになったこと。遺体すら発見出来なかったことも。
「なんてことだ……これも魔王の仕業だろう」
とネコおじは言い、私は目を上げた。
「そうなんですか?」
私が聞くと、ネコおじのグレー色のフードが揺れた。
「そんなことが出来るのは魔王しかいない。魔王は、対象を遠くに飛ばしたり連れて来たりする魔法が使えるのじゃよ」
「そんな魔法が……」
だとしたら、あの遺跡には本当は、魔王に関する手掛かりが何かあったのではないか。そう思い始めてきて、あの場にいた魔物の子どもたちが頭を過ぎった。
もし、彼らが魔王関係の何かだったら。私が、彼らを退治しなくてはいけないのだろうか。
私は俯いた。
「……今日は疲れただろう、僧侶●●よ。部屋があるから、今日はここで泊まっていきなさい」
私が落ち込んでいると思ってのことの提案だろう。私は首を振った。
「いえ、今日は、自分の家に帰ります……」
何より、あの子たちが心配だ。と思った矢先。
「大きなクワガタがいたぞー!」
「特大サイズのクワガタだ!」
「みんな、追え追えー!」
教会の外が、子どもたちの声で賑やかになった。皆、虫でも追いかけているのだろうか……?
「違うよ! 僕はクワガタじゃない! デビューふくんだよ!」
え?
私は、急いで教会を飛び出した。