二次創作
光の子守り人
「フィジ・カル!」
ドッ……! と強い覇気のようなものを感じた気がした。
MENの目の前に飛び出したのは他でもない、ドズルだった。
ドズルの鍛え抜かれた人間のような肉体から、一つの拳が突き出されている。その拳に幹部たちは少しも触れてはいないというのになぜか全員が静止していて、時が止まったように見えた。
「ストリング」
そこに、ぼんの一言が空気を裂いた。途端にどこからともなく紫の魔法の紐が現れ、幹部たちの足を掬い取ると全員を逆さ吊りにした。
「おのれ! まだ逆らうというのか!!」
魔王は怒鳴り散らしたが相手にせず、ぼんの黒い眼鏡が私に向いた。
「どうする? これ。●●ちゃんの仲間だったんでしょ?」
そう聞いてぼんは逆さ吊りの彼らを一瞥した。私は、裏切りを目の当たりに停止していた思考を動かした。
「……今は、そのままにして」
私の目的は、裏切りを制裁することではない。
私は、一人取り残された魔王を見据えた。
「魔王──私は、貴方と話し合いをしにここまで来たんです」私は、ずっと前から決めていたことを話し始めた。「私は、子どもの頃から、魔王は悪い者だと聞かされ続けてきました……孤児院にいた時、聖女だと言われた時から、その魔王を倒す為だけに血が滲むような努力をして、やっと勇者一行に加入して……貴方を倒すことを目的として戦い続けていました」
「なんだ、急に。我が魔王に今更憐れみを掛けろと言うのか?」魔王が言い返してきた。「我は忘れないぞ。今まで人間が魔物にどういう仕打ちをしてきたか……! 我が同胞たちの無念を、我ら魔物たちが果たすのだ!」
私は、首を振った。
「それでは、私たちは変われないのです。復讐は復讐を呼びます。だから私は、その復讐を断ち切りたいのです」私は話し続けることをやめない。「私は、彼ら五人と会って知りました……人間と魔物は、手を取り合って生きていけると」
私が五人の魔物たちへ目配せをすると、頷き合って後ろに並んでくれた。私は、あの森で過ごした彼らとの生活を忘れない。きっと、忘れちゃいけないことは、復讐なんかじゃないのだ。
私は、魔王に向かって手を差し伸べた。魔王は、俯いた。よく見ると、魔王の肩が震えていた。私は不思議に思ったが、後ろのドズル社たちが警戒態勢に入る。
やがて、魔王から声が聞こえてきた。
「ふふふふ……ハーハッハッハッハッハッ!!」
ドッ……! と強い覇気のようなものを感じた気がした。
MENの目の前に飛び出したのは他でもない、ドズルだった。
ドズルの鍛え抜かれた人間のような肉体から、一つの拳が突き出されている。その拳に幹部たちは少しも触れてはいないというのになぜか全員が静止していて、時が止まったように見えた。
「ストリング」
そこに、ぼんの一言が空気を裂いた。途端にどこからともなく紫の魔法の紐が現れ、幹部たちの足を掬い取ると全員を逆さ吊りにした。
「おのれ! まだ逆らうというのか!!」
魔王は怒鳴り散らしたが相手にせず、ぼんの黒い眼鏡が私に向いた。
「どうする? これ。●●ちゃんの仲間だったんでしょ?」
そう聞いてぼんは逆さ吊りの彼らを一瞥した。私は、裏切りを目の当たりに停止していた思考を動かした。
「……今は、そのままにして」
私の目的は、裏切りを制裁することではない。
私は、一人取り残された魔王を見据えた。
「魔王──私は、貴方と話し合いをしにここまで来たんです」私は、ずっと前から決めていたことを話し始めた。「私は、子どもの頃から、魔王は悪い者だと聞かされ続けてきました……孤児院にいた時、聖女だと言われた時から、その魔王を倒す為だけに血が滲むような努力をして、やっと勇者一行に加入して……貴方を倒すことを目的として戦い続けていました」
「なんだ、急に。我が魔王に今更憐れみを掛けろと言うのか?」魔王が言い返してきた。「我は忘れないぞ。今まで人間が魔物にどういう仕打ちをしてきたか……! 我が同胞たちの無念を、我ら魔物たちが果たすのだ!」
私は、首を振った。
「それでは、私たちは変われないのです。復讐は復讐を呼びます。だから私は、その復讐を断ち切りたいのです」私は話し続けることをやめない。「私は、彼ら五人と会って知りました……人間と魔物は、手を取り合って生きていけると」
私が五人の魔物たちへ目配せをすると、頷き合って後ろに並んでくれた。私は、あの森で過ごした彼らとの生活を忘れない。きっと、忘れちゃいけないことは、復讐なんかじゃないのだ。
私は、魔王に向かって手を差し伸べた。魔王は、俯いた。よく見ると、魔王の肩が震えていた。私は不思議に思ったが、後ろのドズル社たちが警戒態勢に入る。
やがて、魔王から声が聞こえてきた。
「ふふふふ……ハーハッハッハッハッハッ!!」