二次創作
光の子守り人
「ドズル……?」
その名前、聞いたことはあった。
だけどたった今、城の壁を壊した赤パンツだけの人型をした何かは、私が知っているドズルではなかった。私が知っているドズルは、膝下くらいしかなかった小さな魔物で、あんなに逞しい体と背丈ではなかったはずだ。
でも、さっき私の名前を呼ばれた気がする。私は、頭の整理がつかなかった。
「●●さーん、助けに来ましたよ!」
そこに、聞き覚えのある声が聞こえてきて私は目を上げる。
かつて、おらふくんと呼んでいた真っ白な悪魔モンスターだった彼は、立派な角と大きな翼に成長して私の目の前に現れたのだ。
「おらふくん……?」
「そうですよ!」
小さかった頃と何も変わらない声に、私はなんだか泣けてきそうだった。
「ちょっとちょっと、俺もいるから!」
と言いながら出てきたのは紫髪の美男子。癖っ毛に黒い眼鏡を掛けている一見人間にも見える彼は、その妖艶な美しさがわずかに魔物らしき雰囲気を出していた。
「ぼんくん……?」
しかし、それは別の声で遮られた。
「我が幹部の魔法使い、ぼんじゅうる! なぜそっち側に立っている!」魔王の声だった。「お前は、かつての勇者に封印された一人だろう! なぜ我が城を破壊したのだ!」
「いやいやいや、ちょっと待ってよ? 俺、魔王の幹部だった記憶ないし、そもそも壁壊したのはドズさんでしょ」
とすっかり大人の声になったぼんが、半裸人間のような姿をしたドズルへ目を向ける。
「酷いな。魔力だらけの壁が壊れやすくなるように、ぼんさんだって手伝ってくれたじゃないですか!」
こんな状況だというのに口喧嘩を始めるドズルとぼん。というか、ぼんって魔王の幹部だったの……?
「話についていけないんですが……」そこに、黄色い帽子を被った人形魔物が現れた。「ぼんさんって、魔王の幹部だったんですか」
鋭い目つきでぼんを見やる不死的人形の魔物。姿は大きくなっていて顔に札はなかったが、私はその人形魔物のことも知っていた。
「おんりーくん……?」
その名前、聞いたことはあった。
だけどたった今、城の壁を壊した赤パンツだけの人型をした何かは、私が知っているドズルではなかった。私が知っているドズルは、膝下くらいしかなかった小さな魔物で、あんなに逞しい体と背丈ではなかったはずだ。
でも、さっき私の名前を呼ばれた気がする。私は、頭の整理がつかなかった。
「●●さーん、助けに来ましたよ!」
そこに、聞き覚えのある声が聞こえてきて私は目を上げる。
かつて、おらふくんと呼んでいた真っ白な悪魔モンスターだった彼は、立派な角と大きな翼に成長して私の目の前に現れたのだ。
「おらふくん……?」
「そうですよ!」
小さかった頃と何も変わらない声に、私はなんだか泣けてきそうだった。
「ちょっとちょっと、俺もいるから!」
と言いながら出てきたのは紫髪の美男子。癖っ毛に黒い眼鏡を掛けている一見人間にも見える彼は、その妖艶な美しさがわずかに魔物らしき雰囲気を出していた。
「ぼんくん……?」
しかし、それは別の声で遮られた。
「我が幹部の魔法使い、ぼんじゅうる! なぜそっち側に立っている!」魔王の声だった。「お前は、かつての勇者に封印された一人だろう! なぜ我が城を破壊したのだ!」
「いやいやいや、ちょっと待ってよ? 俺、魔王の幹部だった記憶ないし、そもそも壁壊したのはドズさんでしょ」
とすっかり大人の声になったぼんが、半裸人間のような姿をしたドズルへ目を向ける。
「酷いな。魔力だらけの壁が壊れやすくなるように、ぼんさんだって手伝ってくれたじゃないですか!」
こんな状況だというのに口喧嘩を始めるドズルとぼん。というか、ぼんって魔王の幹部だったの……?
「話についていけないんですが……」そこに、黄色い帽子を被った人形魔物が現れた。「ぼんさんって、魔王の幹部だったんですか」
鋭い目つきでぼんを見やる不死的人形の魔物。姿は大きくなっていて顔に札はなかったが、私はその人形魔物のことも知っていた。
「おんりーくん……?」