二次創作
光の子守り人
「ここが、魔王城……」
数ヶ月後。私はたった一人で、魔王城の敷地内に足を踏み入れた。
魔王城の付近は常に毒の霧で蔓延していたが、光騎士である私には通用しないものであった。例え鎧を貫通する猛毒になろうとも、私は「元僧侶」である。解毒魔法は心得ていた。
そんな霧の中で巨大な黒い城を目前にした時は、さすがに私も恐怖を感じた。ここに、魔王がいるのか。握った拳に力が入る。
魔王城の周りは毒の堀になっていて、足を滑らせたら例え光騎士でもひとたまりもないと思われた。私は慎重に進み、堀を渡る唯一の橋の前まで来た。
(この先に、魔王が……)
毒の霧のせいか、周りはあまりにも静かだった。魔物が枝を踏みしめる音すらない。
橋は木製だった。あんなに立派な城なのに橋は随分質素だなと思っていた矢先、ガラリと橋が崩れて私の視界は傾いた。
「きゃあ?!」
思わず悲鳴が出てしまったが、咄嗟の判断で出した手がなんとか崖の端を掴んだ。
これが、魔王の罠なのか偶然なのか。
私はこんなところで足止めされまいと崖をよじ登り、魔王城の目前までやって来た。
出迎えの敵は一人もいない。それがますます不気味さを感じる。
魔王は、幹部となる魔物を使役しているはずだ。私は一度もその幹部と接触していない。ここで数体の強敵と戦うことになるかもしれない。
覚悟を決めて魔王城の門を開いた。
数ヶ月後。私はたった一人で、魔王城の敷地内に足を踏み入れた。
魔王城の付近は常に毒の霧で蔓延していたが、光騎士である私には通用しないものであった。例え鎧を貫通する猛毒になろうとも、私は「元僧侶」である。解毒魔法は心得ていた。
そんな霧の中で巨大な黒い城を目前にした時は、さすがに私も恐怖を感じた。ここに、魔王がいるのか。握った拳に力が入る。
魔王城の周りは毒の堀になっていて、足を滑らせたら例え光騎士でもひとたまりもないと思われた。私は慎重に進み、堀を渡る唯一の橋の前まで来た。
(この先に、魔王が……)
毒の霧のせいか、周りはあまりにも静かだった。魔物が枝を踏みしめる音すらない。
橋は木製だった。あんなに立派な城なのに橋は随分質素だなと思っていた矢先、ガラリと橋が崩れて私の視界は傾いた。
「きゃあ?!」
思わず悲鳴が出てしまったが、咄嗟の判断で出した手がなんとか崖の端を掴んだ。
これが、魔王の罠なのか偶然なのか。
私はこんなところで足止めされまいと崖をよじ登り、魔王城の目前までやって来た。
出迎えの敵は一人もいない。それがますます不気味さを感じる。
魔王は、幹部となる魔物を使役しているはずだ。私は一度もその幹部と接触していない。ここで数体の強敵と戦うことになるかもしれない。
覚悟を決めて魔王城の門を開いた。