二次創作
光の子守り人
その後、彼らがどうなったのか私は知らない。
原点に戻るため、一度自分の居宅だった場所を見に行ったが、そこには新たなアパートが建っていて、また別の勇者が選ばれたのか、それとも全然関係のない一般人が住んでいるのか私は確認しなかった。
一度、自分の名前を呼ばれた気がして足を止めてしまったが、振り返らずに街を飛び出した。私は、もうあの街には帰らないだろう。私は親も兄弟もいない孤児だし、心配する家族もいない。
それから私は、長い長い道のりを歩き続けた。勇者一行の一人だったとはいえ、それは険しい道でもあった。途中親切な人に馬車に乗せてもらったり、時に複数体の魔物に囲まれたりもしたが、戦う術のない私は、逃げるか隠れるか、地形を利用したりしてなんとか切り抜けた。
「あ、魚」
食事を自分で獲るのもだいぶ上手くなった。いつもは勇者くんたちや、あの魔物の子たちの力を借りていたけれど、僧侶の魔法にも少ないが攻撃魔法があるのだ。それを独学で身につけて、野営を続けていた。
そうして何日も何日も歩き続けた先に、あの偉大なる神殿を遠くで見た時はなんとも言い難い達成感が湧いた。私にもここまで辿り着く力と勇気があったのだ。ボロボロの体に、元気が出てくるみたいに嬉しかった。
私は、その神殿へ向かった。
天職の神殿へ──
原点に戻るため、一度自分の居宅だった場所を見に行ったが、そこには新たなアパートが建っていて、また別の勇者が選ばれたのか、それとも全然関係のない一般人が住んでいるのか私は確認しなかった。
一度、自分の名前を呼ばれた気がして足を止めてしまったが、振り返らずに街を飛び出した。私は、もうあの街には帰らないだろう。私は親も兄弟もいない孤児だし、心配する家族もいない。
それから私は、長い長い道のりを歩き続けた。勇者一行の一人だったとはいえ、それは険しい道でもあった。途中親切な人に馬車に乗せてもらったり、時に複数体の魔物に囲まれたりもしたが、戦う術のない私は、逃げるか隠れるか、地形を利用したりしてなんとか切り抜けた。
「あ、魚」
食事を自分で獲るのもだいぶ上手くなった。いつもは勇者くんたちや、あの魔物の子たちの力を借りていたけれど、僧侶の魔法にも少ないが攻撃魔法があるのだ。それを独学で身につけて、野営を続けていた。
そうして何日も何日も歩き続けた先に、あの偉大なる神殿を遠くで見た時はなんとも言い難い達成感が湧いた。私にもここまで辿り着く力と勇気があったのだ。ボロボロの体に、元気が出てくるみたいに嬉しかった。
私は、その神殿へ向かった。
天職の神殿へ──