二次創作
光の子守り人
「おお、●●よ、無事だったか!」
翌日。私は、魔物の子どもたちを木の下に置いて一人でまた街に戻っていた。
教会を訪れた私に真っ先に声を掛けたのは、ネコおじだった。
「ネコおじ様、話したいことが……」
挨拶もそこそこに私が話し出そうとすると、ネコおじは分かっておると何度も頷いた。
「話は聞いた。勇者たちの家が狙われたそうだな」とネコおじは言う。「ほとんどが瓦礫になっていたと聞いた。無事で何よりだ、●●よ」
「でも……」
私には引っ掛かることがあったが、ネコおじは続けざまに喋り続けた。
「やはり教会で休みなさい。部屋はあるから、いつまでもここにいていいのだよ、●●よ」
「ううん、宿を取ったので大丈夫です」私は初めて、ネコおじに嘘をついた。「それで、ネコおじ様、聞きたいことがあるんですが……」
「なんだ?」
「魔王が、人を操ることはありますか」
私の発言に、ネコおじは目を大きく開いて私を見つめた。それからしばらく黙り込み、私から目を逸らす。
「それは……聞いたことはないが」それからボソリとネコおじは言い、私の目を見る。「なぜ急にそんなことを聞いたのかね?」
「いえ、念の為聞いただけです」
まさか、アパートの放火犯が人間だった、とその場にいなかったはずの私が言うと、また話がややこしくなる。あの魔物の子たちがわざわざ「人間」と言うとは思えないし、私は言葉を慎重に選ばなくてはいけなかった。
「私、もう一回家に戻ります。誰が家を壊したのか、手掛かりがあるかもしれません」
私は逃げるようにその場を後にした。
翌日。私は、魔物の子どもたちを木の下に置いて一人でまた街に戻っていた。
教会を訪れた私に真っ先に声を掛けたのは、ネコおじだった。
「ネコおじ様、話したいことが……」
挨拶もそこそこに私が話し出そうとすると、ネコおじは分かっておると何度も頷いた。
「話は聞いた。勇者たちの家が狙われたそうだな」とネコおじは言う。「ほとんどが瓦礫になっていたと聞いた。無事で何よりだ、●●よ」
「でも……」
私には引っ掛かることがあったが、ネコおじは続けざまに喋り続けた。
「やはり教会で休みなさい。部屋はあるから、いつまでもここにいていいのだよ、●●よ」
「ううん、宿を取ったので大丈夫です」私は初めて、ネコおじに嘘をついた。「それで、ネコおじ様、聞きたいことがあるんですが……」
「なんだ?」
「魔王が、人を操ることはありますか」
私の発言に、ネコおじは目を大きく開いて私を見つめた。それからしばらく黙り込み、私から目を逸らす。
「それは……聞いたことはないが」それからボソリとネコおじは言い、私の目を見る。「なぜ急にそんなことを聞いたのかね?」
「いえ、念の為聞いただけです」
まさか、アパートの放火犯が人間だった、とその場にいなかったはずの私が言うと、また話がややこしくなる。あの魔物の子たちがわざわざ「人間」と言うとは思えないし、私は言葉を慎重に選ばなくてはいけなかった。
「私、もう一回家に戻ります。誰が家を壊したのか、手掛かりがあるかもしれません」
私は逃げるようにその場を後にした。