二次創作
邪悪な兄弟に捧げるパラレルワールド
トンボックリは空を飛ぶ。
今や城は見えなくなり、海を超えてどこかへ向かっているようだ。
「それで、連れてきたはいいがお前ら何モンだ?」
「俺様の名はギラ!!邪悪の王になる男よ!!」
「私の名はラクレス。邪知暴虐の王にして、邪悪の守護者。ギラは弟だ。」
青い王__ヤンマ・ガストは私たちの言葉を何回か飲み込んだ後、
頭を抱えてため息を付いた、
「そういうことじゃねぇんだけど。」
「ならどういうことだ?」
「……国に着いてから話す。それまでは大人しくしてやがれ。」
どこかの国へ向かっているのだろうか。
シュゴッダム以外の国となると、私たちはあまり知らない。
ゴッカンくらいだろうか。
悪いことをすればゴッカンで裁かれるぞ、それが子どもたちへの脅し文句の[漢字]十八番[/漢字][ふりがな]おはこ[/ふりがな]だ。
「ナーッハッハ!!!そんなことより早くシュゴッダムに戻れ!!」
ギラはまだ邪悪の王をやっている。
早くコーサスを討ちたいのだろうが流石に危なすぎる。
私はギラの目を見ると、いつもより少し低い声を出す。
「ギラ?死ぬかもしれないところに自分から突っ込むなと、普段から何回も言っただろう?
真っ直ぐなのはいいことだが、私たちの心臓が持たん。」
ぐ、とギラの顔がゆがむ。
自覚ありならそれこそ良くない。
なぜ自覚があるのに突っ込むんだか……。
こっちの心臓がいくつあっても足らない。
「とりあえず今は大人しくしていよう。
いつかコーサスへの情報が集まったら、戦えるくらいになったら、その時に行こう?」
「うん。わかった、お兄ちゃん。」
良くできました、と頭を撫でてやると、えへへっとギラは笑った。
本当に可愛い。こんな可愛い子を捕らえるように命令したのか?
コーサス許さん、いくら斬っても許さん。
こんなに愛い子なんて、こんなに優しい子なんて、こんなに純粋な子なんて
他のどこにもいないだろう。
「可愛い。世界一可愛い。」
「ちょ、お兄ちゃん!?僕は可愛いんじゃないって!」
やっぱりそんなギラは可愛い。
それ以上の何物でもない。可愛い。
他人から兄馬鹿と言われようが、子どもたちから引かれようが、問題ない。
事実は事実だ。
「お前………さっきまでの邪悪ムーブはどこ行ったんだよ?
そして俺はいつから空気になったんだよ。」
ヤンマが呆れたように言葉を紡ぐ。
私はそんな彼の頭も撫でてみた。
「なっ!?何すんだよ、てめー!」
「……?君も構ってほしかったんじゃないのか?」
「俺はそんなガキじゃねぇ!!」
違ったらしい。
そんなに怒らなくてもいいのに。
[水平線]
「テクノロジーの国、ンコソパへようこそ。」
「ンコソ……?ってなんだ?」
ギラは首を傾げてヤンマの方を見る。
うーん。私も知らない。ごめんなさい、青い王。
「あぁ!?」
周りを見てみると、キラキラの町並み。
なんとも眩しい。目が眩みそうだ。
通りすがる人々も、シュゴッダムとはまた違う。
何だか新鮮だ。
「すごいな、この国。」
「だろ?……こういうの見たことあんのか?」
私は首を振る。見たことはない。
まず日々の生活が大変すぎて他のことに気を回せない。
けれど、すごい、ということはわかる。
「ブーンたちにも見せてあげたいな。」
「そうだな。」
昼間なのか、夜なのか、それすらわからないが。
明るいこの世界を、子どもたちに見せてあげたい。
世界が平和になったら、連れて行ってあげよう。
それまで私が生きているかはわからないけれど。
「着いたぜ、ここが、ンコソパの城。ペタ城だ。」
でかい。とかくでかい。
なんか改造されているような感じもする。
中も機械類ばかりで何が何だかわからない。
本当に城なのか?大きい一つの機械じゃないのか?
私は本当にそう思った。
王の間にはお堅い玉座ではなく、不思議な椅子が置いてあった。
「やんまくぅぅぅんっ!!!!」
入るとすぐ、駆けてくる男性。
「おう、シオカラ。」
「ヤンマくん!!シュゴッダムの王様と喧嘩してきたってホントっすか!?」
「喧嘩は売られたから買っただけだ。
んなことよりあのでかダンゴムシ解析しとけ。」
シオカラ、と呼ばれた青年はヤンマのその行動が気に食わないようで、ぷくっと頬を膨らませながらそっぽを向いてしまった。
「総長はいつも自分の事ばっか!それでもンコソパの国王っすか!」
「黙って言うこと聞いてろ!!このスカポンタヌキ!」
スカポンタヌキ。可愛い悪口だ。
あまりまじまじと見てこなかった彼の目が、真っ直ぐ私たちを見つめる。
さてはこの男、ギラと同じくらいの年齢なのだろうか。
「さて、どうやってキングオージャーを動かした?」
「どうやってだと?バーンでドーンでドカーンだ!」
「そんな擬音でわかるかっ!!!!
はぁぁぁぁ。シュゴッドのシステムを理解してるのは俺だけだ。
だから断言できる。 てめぇがやった事は全部あり得ねぇんだよ。」
ギラに一言もっともなツッコミを入れた後、彼はギラの方へ詰め寄る。
「えっ!?僕にしか使えないの?」
のんきだな。そういうところが可愛い。驚いている顔も可愛い。
私がそんなギラを見てふふっと笑っていると、シオカラくんが騒ぎ出す。
「えっ……えぇ!?し、指名手配犯のギラ!?あとラクレス!?」
「ははっ。気づくの流石に遅いぞ。」
彼は慌ててロープを用意したりしだしたがヤンマがそれを止めた。
「お前ら、ほんとはワルじゃねぇだろ。」
「ち、違う!!俺様は邪悪の王……です!!」
「ギラ、敬語敬語。」
しまった、と目を見開いた後、高笑いを始めるギラ。
うん、可愛((ry
「うちの可愛い弟がお騒がせしてます。」
「いやお前も指名手配犯なんだけどな。
ってかお前、さては相当な兄馬鹿だな。」
初対面の人にすらバレてしまうほど私は兄馬鹿らしい。
意外と悪い気はしない。
「んで、お前は邪悪ムーブしないんだな。」
「まぁ、ごっこ遊びはあんまりしてこなかったから。
慣れてないだけだよ。」
ごっこ遊び、と言う言葉に、ヤンマは首を傾げる。
もしかして………やったことないのか?
「……っていうか、トンボックリどこ?」
「とんぼっくり?なんだそりゃ。」
あれ、トンボックリのこと知らないのか?
自分からあんなに名乗ってたのに??
―こっちこっち~!ギラ、ラクレス〜!―
「あ、上かぁ!トンボックリ。」
「だからなんなんだよ、そのとんぼっくりって!?」
「え。君、乗ってたでしょ。トンボックリに。」
ヤンマは一瞬思考を止めたように固まり、ハァ!?と叫んだ。
「お前ら、ゴッドトンボのことトンボックリって呼んでんのか!?」
「呼んでるも何も、トンボックリが自分で名乗ったんだし。」
ヤンマはまたもんもんと考え込んだ後、諦めたようにこちらを信じられないと言うかのような瞳で見た。
「お前ら、まさか……。シュゴッドと聖剣無しで意思疎通できるとか言うんじゃねぇよな?」
今や城は見えなくなり、海を超えてどこかへ向かっているようだ。
「それで、連れてきたはいいがお前ら何モンだ?」
「俺様の名はギラ!!邪悪の王になる男よ!!」
「私の名はラクレス。邪知暴虐の王にして、邪悪の守護者。ギラは弟だ。」
青い王__ヤンマ・ガストは私たちの言葉を何回か飲み込んだ後、
頭を抱えてため息を付いた、
「そういうことじゃねぇんだけど。」
「ならどういうことだ?」
「……国に着いてから話す。それまでは大人しくしてやがれ。」
どこかの国へ向かっているのだろうか。
シュゴッダム以外の国となると、私たちはあまり知らない。
ゴッカンくらいだろうか。
悪いことをすればゴッカンで裁かれるぞ、それが子どもたちへの脅し文句の[漢字]十八番[/漢字][ふりがな]おはこ[/ふりがな]だ。
「ナーッハッハ!!!そんなことより早くシュゴッダムに戻れ!!」
ギラはまだ邪悪の王をやっている。
早くコーサスを討ちたいのだろうが流石に危なすぎる。
私はギラの目を見ると、いつもより少し低い声を出す。
「ギラ?死ぬかもしれないところに自分から突っ込むなと、普段から何回も言っただろう?
真っ直ぐなのはいいことだが、私たちの心臓が持たん。」
ぐ、とギラの顔がゆがむ。
自覚ありならそれこそ良くない。
なぜ自覚があるのに突っ込むんだか……。
こっちの心臓がいくつあっても足らない。
「とりあえず今は大人しくしていよう。
いつかコーサスへの情報が集まったら、戦えるくらいになったら、その時に行こう?」
「うん。わかった、お兄ちゃん。」
良くできました、と頭を撫でてやると、えへへっとギラは笑った。
本当に可愛い。こんな可愛い子を捕らえるように命令したのか?
コーサス許さん、いくら斬っても許さん。
こんなに愛い子なんて、こんなに優しい子なんて、こんなに純粋な子なんて
他のどこにもいないだろう。
「可愛い。世界一可愛い。」
「ちょ、お兄ちゃん!?僕は可愛いんじゃないって!」
やっぱりそんなギラは可愛い。
それ以上の何物でもない。可愛い。
他人から兄馬鹿と言われようが、子どもたちから引かれようが、問題ない。
事実は事実だ。
「お前………さっきまでの邪悪ムーブはどこ行ったんだよ?
そして俺はいつから空気になったんだよ。」
ヤンマが呆れたように言葉を紡ぐ。
私はそんな彼の頭も撫でてみた。
「なっ!?何すんだよ、てめー!」
「……?君も構ってほしかったんじゃないのか?」
「俺はそんなガキじゃねぇ!!」
違ったらしい。
そんなに怒らなくてもいいのに。
[水平線]
「テクノロジーの国、ンコソパへようこそ。」
「ンコソ……?ってなんだ?」
ギラは首を傾げてヤンマの方を見る。
うーん。私も知らない。ごめんなさい、青い王。
「あぁ!?」
周りを見てみると、キラキラの町並み。
なんとも眩しい。目が眩みそうだ。
通りすがる人々も、シュゴッダムとはまた違う。
何だか新鮮だ。
「すごいな、この国。」
「だろ?……こういうの見たことあんのか?」
私は首を振る。見たことはない。
まず日々の生活が大変すぎて他のことに気を回せない。
けれど、すごい、ということはわかる。
「ブーンたちにも見せてあげたいな。」
「そうだな。」
昼間なのか、夜なのか、それすらわからないが。
明るいこの世界を、子どもたちに見せてあげたい。
世界が平和になったら、連れて行ってあげよう。
それまで私が生きているかはわからないけれど。
「着いたぜ、ここが、ンコソパの城。ペタ城だ。」
でかい。とかくでかい。
なんか改造されているような感じもする。
中も機械類ばかりで何が何だかわからない。
本当に城なのか?大きい一つの機械じゃないのか?
私は本当にそう思った。
王の間にはお堅い玉座ではなく、不思議な椅子が置いてあった。
「やんまくぅぅぅんっ!!!!」
入るとすぐ、駆けてくる男性。
「おう、シオカラ。」
「ヤンマくん!!シュゴッダムの王様と喧嘩してきたってホントっすか!?」
「喧嘩は売られたから買っただけだ。
んなことよりあのでかダンゴムシ解析しとけ。」
シオカラ、と呼ばれた青年はヤンマのその行動が気に食わないようで、ぷくっと頬を膨らませながらそっぽを向いてしまった。
「総長はいつも自分の事ばっか!それでもンコソパの国王っすか!」
「黙って言うこと聞いてろ!!このスカポンタヌキ!」
スカポンタヌキ。可愛い悪口だ。
あまりまじまじと見てこなかった彼の目が、真っ直ぐ私たちを見つめる。
さてはこの男、ギラと同じくらいの年齢なのだろうか。
「さて、どうやってキングオージャーを動かした?」
「どうやってだと?バーンでドーンでドカーンだ!」
「そんな擬音でわかるかっ!!!!
はぁぁぁぁ。シュゴッドのシステムを理解してるのは俺だけだ。
だから断言できる。 てめぇがやった事は全部あり得ねぇんだよ。」
ギラに一言もっともなツッコミを入れた後、彼はギラの方へ詰め寄る。
「えっ!?僕にしか使えないの?」
のんきだな。そういうところが可愛い。驚いている顔も可愛い。
私がそんなギラを見てふふっと笑っていると、シオカラくんが騒ぎ出す。
「えっ……えぇ!?し、指名手配犯のギラ!?あとラクレス!?」
「ははっ。気づくの流石に遅いぞ。」
彼は慌ててロープを用意したりしだしたがヤンマがそれを止めた。
「お前ら、ほんとはワルじゃねぇだろ。」
「ち、違う!!俺様は邪悪の王……です!!」
「ギラ、敬語敬語。」
しまった、と目を見開いた後、高笑いを始めるギラ。
うん、可愛((ry
「うちの可愛い弟がお騒がせしてます。」
「いやお前も指名手配犯なんだけどな。
ってかお前、さては相当な兄馬鹿だな。」
初対面の人にすらバレてしまうほど私は兄馬鹿らしい。
意外と悪い気はしない。
「んで、お前は邪悪ムーブしないんだな。」
「まぁ、ごっこ遊びはあんまりしてこなかったから。
慣れてないだけだよ。」
ごっこ遊び、と言う言葉に、ヤンマは首を傾げる。
もしかして………やったことないのか?
「……っていうか、トンボックリどこ?」
「とんぼっくり?なんだそりゃ。」
あれ、トンボックリのこと知らないのか?
自分からあんなに名乗ってたのに??
―こっちこっち~!ギラ、ラクレス〜!―
「あ、上かぁ!トンボックリ。」
「だからなんなんだよ、そのとんぼっくりって!?」
「え。君、乗ってたでしょ。トンボックリに。」
ヤンマは一瞬思考を止めたように固まり、ハァ!?と叫んだ。
「お前ら、ゴッドトンボのことトンボックリって呼んでんのか!?」
「呼んでるも何も、トンボックリが自分で名乗ったんだし。」
ヤンマはまたもんもんと考え込んだ後、諦めたようにこちらを信じられないと言うかのような瞳で見た。
「お前ら、まさか……。シュゴッドと聖剣無しで意思疎通できるとか言うんじゃねぇよな?」