二次創作
邪悪な兄弟に捧げるパラレルワールド
「邪悪の王め!!コガネを離せ!!」
「フッフッフッ……ハッハッハッ!
そう!俺様は邪悪の王 ギラ! 卑怯!卑劣!最低!俺様が世界を支配する!」
「いーやー。助けてー。」
とある日のこと。
ラクレスたちはいつものように孤児院で平和に暮らしていた。
「お前たち〜、そろそろご飯になるから切りのいいところで終わらせなよ〜。」
「はーい!お兄ちゃん!」「はーい!ラクレス兄ちゃん!」
ラクレスたちが来たばかりの頃は、まだあまり人のいなかった孤児院も、もう子どもたちでいっぱいになっている。
「ありがとう、ラクレス。」
「ううん。こっちこそいつもありがとう。」
十五歳ほどと比較的高い年齢で孤児院へ入ってきたラクレスは、いつだって孤児院の子どもたちの柱的存在だった。
他の子どもたちがどんどんいなくなってしまっても、ラクレスは子どもたちを守る為残っている。
ギラも、それにくっついている状態だ。
本人が子ども好きというのもあるのだろうが。
「王凱武装!!」
「そっ……それは!!!王にしか扱えぬ伝説の!!」
「あははっ……みんな楽しそうで良かった。」
物語の中の王様戦隊。ラクレスも一時期それに憧れていた。
けれど、平民の自分は王にはなれないので、その夢は諦めた。
今の彼の夢はこの孤児院を守り抜くことである。
王は国民を、国民は手の届くみんなを。
それがラクレスの信条だ。
「さ、そろそろ止めるかな。」
昼ご飯を用意し終えたラクレスは、ギラたちのごっこ遊びを止めるために一歩を踏み出した。
すると。
「おやめください!!!」
孤児院のおじさんの声があたりに響き渡る。
なんだなんだ、と子どもたちも、ギラも、ラクレスも、みんな声の方を向く。
「もう今月分の税はお納めいたしました!
ですのでどうか!!」
「国王様の命令に逆らう気か!!」
ラクレスはまたか、と肩を落とした。最近、こういう兵士たちが増えている。
国王の名を語って税を搾り取る悪党どもが。
王様がそんな事するはずないのに___。
「あなた!!」
おばさんも駆け出して兵士たちに反抗しようとする。
しかし、相手は剣を振りかざし、どうにかして税を取っていこうとしている。
見るに見かねたラクレスが一つ兵士に言いにいこうとした、その時だった。
「グダグダ抜かすな愚民共!」
ギラが兵士と肩を組み、なにか騒ぎ始める。
兵士が困惑する中で、子どもたちはこれをごっこ遊びの一環と思ったようだ。
「行くぞー!!キングオージャー!!」
ポーズを決め、構えるとそこら辺にあった石を投げ始める。
それでも引かない兵士に、しょうがないとラクレスは歩み寄り、キッと相手を睨みつけた。
「お引き取りください。
これ以上みんなを困らせるようならば、力ずくにでも出ていっていただきますよ。」
「う………。」
ラクレスの眼力に圧倒された兵士は、後ずさりながら逃げていく。
やれやれとラクレスはため息を一つ吐き出した。
数秒経ち、悪役のふりをしていたギラと、子どもたちがラクレスの方にぱっと駆けてくる。
「大成功だね!お兄ちゃん!」
「ラクレス兄ちゃんかっこよかった〜!!!」
「うん。よかった。」
ぽんぽんと一人ひとりの頭を順に撫でて、ラクレスはおじさんやおばさんの方を向く。
「ほんと、ありがとね。」
「でも、二人が捕まりでもしたら子どもたちが路頭に迷っちゃうからね。
無茶はしないでおくれ。私は心配だよ。」
ラクレスはごめん、と一回頭を下げると、子どもたちに笑いかけた。
「さ、ご飯にしよう。」
普段通りの平和な日常のはずだった。
どこから変わってしまったのだろうか。
「はーいっ!」
「こら、ブーン!転ぶぞ〜!」
「フッフッフッ……ハッハッハッ!
そう!俺様は邪悪の王 ギラ! 卑怯!卑劣!最低!俺様が世界を支配する!」
「いーやー。助けてー。」
とある日のこと。
ラクレスたちはいつものように孤児院で平和に暮らしていた。
「お前たち〜、そろそろご飯になるから切りのいいところで終わらせなよ〜。」
「はーい!お兄ちゃん!」「はーい!ラクレス兄ちゃん!」
ラクレスたちが来たばかりの頃は、まだあまり人のいなかった孤児院も、もう子どもたちでいっぱいになっている。
「ありがとう、ラクレス。」
「ううん。こっちこそいつもありがとう。」
十五歳ほどと比較的高い年齢で孤児院へ入ってきたラクレスは、いつだって孤児院の子どもたちの柱的存在だった。
他の子どもたちがどんどんいなくなってしまっても、ラクレスは子どもたちを守る為残っている。
ギラも、それにくっついている状態だ。
本人が子ども好きというのもあるのだろうが。
「王凱武装!!」
「そっ……それは!!!王にしか扱えぬ伝説の!!」
「あははっ……みんな楽しそうで良かった。」
物語の中の王様戦隊。ラクレスも一時期それに憧れていた。
けれど、平民の自分は王にはなれないので、その夢は諦めた。
今の彼の夢はこの孤児院を守り抜くことである。
王は国民を、国民は手の届くみんなを。
それがラクレスの信条だ。
「さ、そろそろ止めるかな。」
昼ご飯を用意し終えたラクレスは、ギラたちのごっこ遊びを止めるために一歩を踏み出した。
すると。
「おやめください!!!」
孤児院のおじさんの声があたりに響き渡る。
なんだなんだ、と子どもたちも、ギラも、ラクレスも、みんな声の方を向く。
「もう今月分の税はお納めいたしました!
ですのでどうか!!」
「国王様の命令に逆らう気か!!」
ラクレスはまたか、と肩を落とした。最近、こういう兵士たちが増えている。
国王の名を語って税を搾り取る悪党どもが。
王様がそんな事するはずないのに___。
「あなた!!」
おばさんも駆け出して兵士たちに反抗しようとする。
しかし、相手は剣を振りかざし、どうにかして税を取っていこうとしている。
見るに見かねたラクレスが一つ兵士に言いにいこうとした、その時だった。
「グダグダ抜かすな愚民共!」
ギラが兵士と肩を組み、なにか騒ぎ始める。
兵士が困惑する中で、子どもたちはこれをごっこ遊びの一環と思ったようだ。
「行くぞー!!キングオージャー!!」
ポーズを決め、構えるとそこら辺にあった石を投げ始める。
それでも引かない兵士に、しょうがないとラクレスは歩み寄り、キッと相手を睨みつけた。
「お引き取りください。
これ以上みんなを困らせるようならば、力ずくにでも出ていっていただきますよ。」
「う………。」
ラクレスの眼力に圧倒された兵士は、後ずさりながら逃げていく。
やれやれとラクレスはため息を一つ吐き出した。
数秒経ち、悪役のふりをしていたギラと、子どもたちがラクレスの方にぱっと駆けてくる。
「大成功だね!お兄ちゃん!」
「ラクレス兄ちゃんかっこよかった〜!!!」
「うん。よかった。」
ぽんぽんと一人ひとりの頭を順に撫でて、ラクレスはおじさんやおばさんの方を向く。
「ほんと、ありがとね。」
「でも、二人が捕まりでもしたら子どもたちが路頭に迷っちゃうからね。
無茶はしないでおくれ。私は心配だよ。」
ラクレスはごめん、と一回頭を下げると、子どもたちに笑いかけた。
「さ、ご飯にしよう。」
普段通りの平和な日常のはずだった。
どこから変わってしまったのだろうか。
「はーいっ!」
「こら、ブーン!転ぶぞ〜!」