少女に明日を
世界は理不尽と不平等で生まれている。
世界は、優しくなどなかった。
火傷しまいそうな程熱く、直ぐに息が苦しくなりそうになりながら、車へとかけて行く。
免許さ最早身分証明としての意味しか持たず、子供でも最新AI搭載の自動運転により1人で車に乗れる時代。
私は自動運転の車に乗り込み、涼しい風を受けながら1番大切な人の家へと向かった。
まだ、外に出れた時には何度も何度も両親に連れられて車で向かった場所。
何度も遊びに行っては、馬鹿みたいにはしゃいで笑い合った。
…もう、戻らない思い出。
でも、私の宝物だった。
何度も通った道をできる限りのスピードで走り抜け、そこに着いた時、体内の水分が全部出たんじゃないかと思うくらい流れ出る汗も、全部無視して、階段を駆け上がった。
元から運動はそこまでする方じゃないから足が重い。息が切れるのも、全部見て見ぬ振りをして走る、走る、走る。重い扉の前に立つとインターホンを鳴らすも、中々出てこない。扉をガンガンと叩くと、違和感を感じて、扉を思い切り自分の方向に引く。
開いた扉の先も熱気に満ちていて、暑さで溶けそうになりながら、倒れた友人とその家族を見て、119番に連絡を入れる。
こんな暑い中、外に出る人は滅多にいない事と、住み込みの人とAIしか動いていないとはいえまだ封鎖されていない病院が比較的遠くはないだけが救いだった。
それが早く到着する事を祈りつつ、急いでエアコンを確認する。AIが動いていれば最適な温度に常に調整する筈。それなのにそうなって居ない事には2つの可能性があった。
1つはエアコンの機械そのものが故障した事。AIが管理している以上考えにくいが、外部からの衝撃で壊れる可能性はある。それを考えて近寄るが外部からの衝撃も、機材の故障もなさそうだった。
そして、次にそれ以上に考えられるのはAIの故障。勿論AIそのものが壊れたと言う話ではない。ただ、AIはプログラムであり、それを形にしている以上半導体の存在がある。急いで付け加えられた要素である為、家によってはそれが比較的壊れやすくなってしまっている事もある。
身を焼くような暑さの中、台を拝借し、その上に乗って中を覗き込む。そこには案の定壊れた半導体があった。
暑さを考えると熱か、それとも過剰な電流が流れたか…どちらも対策があまりされていなさそうな様子を見るとありある話だ。だが、AI部分が駄目になっているだけなら、まだ手はある。
エアコンそのものは故障して居なさそうだし、冷房は少し弄ればかけられた。一旦それをかけながら、次は倒れている3人に近寄る。
救急車が来るまでの時間が永遠にも感じられる中、真っ先に3人の衣服を緩めて、冷たい物を冷蔵庫から引っ張り出して首周りや脇の下、足の付け根に数が許す限り当てる。
だが、その時触れた体温が嫌な予感を加速させていた。
友人の両親の温度はそこまで高くない。恐らくまだ軽度なのだろう。適切な処置をすれば大丈夫な筈だ。それより、友人だった。明らかに熱い。エアコンもかけたばかりで、先程まで嫌になる程熱い状態で動いていた私や、同じく倒れて居た2人よりずっと。
出来るだけの、私が知っているだけの処置はした。それなのに、頭の警報は鳴り止まず、嫌な予感は大きくなるばかりだった。
________________________________________________
その数分後、救急車がやってきて、事情を説明すれば、貴女も危険な可能性があるので病院に来るようにと指示された。
AIは人が死ぬ確率が少しでもあれば警戒するようになっている。そう、プログラムされている。妥当な提案だったので乗ることにした。
最近の世の中は全てをAIに頼って居た。まぁ、外に出て動いただけで命の危険性を示唆される時代だ。仕方ないとも言える。
でも、AIはまだプログラムだった。感情を持たない。…否、正確には持たせていない。正しい判断をさせる為にわざわざその部分は切り抜いたのだ。感情を持たない以上、発想力もあるにはあるが、普通の人と同程度、天才程ではない。
進化が中々起こらない。人々はAIを信じ、AIに縋るが、人の手で成長を制限されたAIはこの状況をきっと打破できない。
診断を受けた後、3人の様子も聞く。
…世界が遠のいて感じた。嫌な言葉だった。思い出したくもない。
「ご友人はもう…」
だから、私は、
私は、私に出来る事をする事にした。
世界は、優しくなどなかった。
火傷しまいそうな程熱く、直ぐに息が苦しくなりそうになりながら、車へとかけて行く。
免許さ最早身分証明としての意味しか持たず、子供でも最新AI搭載の自動運転により1人で車に乗れる時代。
私は自動運転の車に乗り込み、涼しい風を受けながら1番大切な人の家へと向かった。
まだ、外に出れた時には何度も何度も両親に連れられて車で向かった場所。
何度も遊びに行っては、馬鹿みたいにはしゃいで笑い合った。
…もう、戻らない思い出。
でも、私の宝物だった。
何度も通った道をできる限りのスピードで走り抜け、そこに着いた時、体内の水分が全部出たんじゃないかと思うくらい流れ出る汗も、全部無視して、階段を駆け上がった。
元から運動はそこまでする方じゃないから足が重い。息が切れるのも、全部見て見ぬ振りをして走る、走る、走る。重い扉の前に立つとインターホンを鳴らすも、中々出てこない。扉をガンガンと叩くと、違和感を感じて、扉を思い切り自分の方向に引く。
開いた扉の先も熱気に満ちていて、暑さで溶けそうになりながら、倒れた友人とその家族を見て、119番に連絡を入れる。
こんな暑い中、外に出る人は滅多にいない事と、住み込みの人とAIしか動いていないとはいえまだ封鎖されていない病院が比較的遠くはないだけが救いだった。
それが早く到着する事を祈りつつ、急いでエアコンを確認する。AIが動いていれば最適な温度に常に調整する筈。それなのにそうなって居ない事には2つの可能性があった。
1つはエアコンの機械そのものが故障した事。AIが管理している以上考えにくいが、外部からの衝撃で壊れる可能性はある。それを考えて近寄るが外部からの衝撃も、機材の故障もなさそうだった。
そして、次にそれ以上に考えられるのはAIの故障。勿論AIそのものが壊れたと言う話ではない。ただ、AIはプログラムであり、それを形にしている以上半導体の存在がある。急いで付け加えられた要素である為、家によってはそれが比較的壊れやすくなってしまっている事もある。
身を焼くような暑さの中、台を拝借し、その上に乗って中を覗き込む。そこには案の定壊れた半導体があった。
暑さを考えると熱か、それとも過剰な電流が流れたか…どちらも対策があまりされていなさそうな様子を見るとありある話だ。だが、AI部分が駄目になっているだけなら、まだ手はある。
エアコンそのものは故障して居なさそうだし、冷房は少し弄ればかけられた。一旦それをかけながら、次は倒れている3人に近寄る。
救急車が来るまでの時間が永遠にも感じられる中、真っ先に3人の衣服を緩めて、冷たい物を冷蔵庫から引っ張り出して首周りや脇の下、足の付け根に数が許す限り当てる。
だが、その時触れた体温が嫌な予感を加速させていた。
友人の両親の温度はそこまで高くない。恐らくまだ軽度なのだろう。適切な処置をすれば大丈夫な筈だ。それより、友人だった。明らかに熱い。エアコンもかけたばかりで、先程まで嫌になる程熱い状態で動いていた私や、同じく倒れて居た2人よりずっと。
出来るだけの、私が知っているだけの処置はした。それなのに、頭の警報は鳴り止まず、嫌な予感は大きくなるばかりだった。
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その数分後、救急車がやってきて、事情を説明すれば、貴女も危険な可能性があるので病院に来るようにと指示された。
AIは人が死ぬ確率が少しでもあれば警戒するようになっている。そう、プログラムされている。妥当な提案だったので乗ることにした。
最近の世の中は全てをAIに頼って居た。まぁ、外に出て動いただけで命の危険性を示唆される時代だ。仕方ないとも言える。
でも、AIはまだプログラムだった。感情を持たない。…否、正確には持たせていない。正しい判断をさせる為にわざわざその部分は切り抜いたのだ。感情を持たない以上、発想力もあるにはあるが、普通の人と同程度、天才程ではない。
進化が中々起こらない。人々はAIを信じ、AIに縋るが、人の手で成長を制限されたAIはこの状況をきっと打破できない。
診断を受けた後、3人の様子も聞く。
…世界が遠のいて感じた。嫌な言葉だった。思い出したくもない。
「ご友人はもう…」
だから、私は、
私は、私に出来る事をする事にした。