〈最強〉が去った瞬間、僕は静かに振り返った。僕と目線がかち合った瞬間、風が吹き抜け、こちらを鋭く穿つ。ほんと、人を何人殺したのか気になるレベルの視線してるよね〜。そう思いながらも逃げられない為に彼女の手首をグッと掴む。

ブラット［これで良かった？〈絶望〉さん？］
〈絶望〉「…赤点以上及第点未満。」
ブラット［あはっ、厳しいなぁ…］
アプセット［…こいつが〈絶望〉…？これまで歴史上〈絶望〉が干渉したのは2回、それも世界が滅びかけた時だけだったはず…なんでこのタイミングで接触を…？］
ブラット［さぁね？目の前にいるんだから本人に聞いたら？］
〈絶望〉「…教える義理はない。」
ブラット［酷いな〜。ねぇ〈絶望〉、君は〈最強〉をどう見る？］
〈絶望〉「…はぁ、教えない、教えるつもりがない。」
アプセット［…〈絶望〉、それじゃあ世界の変化についてはどう見る？］
〈絶望〉「私に会話の意思がないことは分からないのか？」

〈絶望〉が簡単に僕の手を振り解く。でもまだ聞きたいことがあるから逃げられるわけにはいかない。だから…

【虚化幻偽】『自己変幻』

自身の手を変化させ、より強い力で彼女の手首を掴見直す。彼女は恐らくまだ能力は使いたくないはず…

〈絶望〉「…はぁ、しつこい。何が聞きたい？何が言いたい？」
ブラット［そうだね〜…君の姿は何個かな？そこまでして〈最強〉に干渉したり、今、〈絶望〉の姿をとってこちらに干渉する理由は何？

ねぇ…[大文字]ザーザッザーザッザッ[/大文字]

…］

…都合が悪くなったらそれに逃げるんだ。でも消しきれない。だって四天閣遥とその他の違いは…世界そのものに干渉可能かそうでないかだから。僕の記憶は消せない。誤魔化せない。これまでの経験、僕の知識、それが大きな手掛かりになる。ねぇ、こうやって脳内で話してるのも分かるんでしょ？

[大文字][中央寄せ]ザッザーザーザーザッ[/中央寄せ][/大文字]

アプセット［ブラット…？何をしようとして…］

風が僕の言葉を途切れさせようと吹き荒れ、雑音は勢いを増していく。そこまでして触れさせたくないの？

[大文字][中央寄せ]ザッザー[/中央寄せ][/大文字]

ねぇ、

［[漢字][中央寄せ][大文字]デウス[/大文字][/中央寄せ][/漢字][ふりがな]この世界の創造者[/ふりがな]？］

[大文字][中央寄せ]ザーザッザーザッザッ　ザッザーザーザーザッ　ザッザー[/中央寄せ][/大文字]

[斜体]荳也阜縺ｯ迢ゅ≧[/斜体]

[斜体]蜒輔□縺代′迢ゅ≧[/斜体]

[斜体]繝舌げ蜿悶ｊ縺ｫ縺上ｋ[/斜体]


[大文字][斜体]證苓ｻ｢[/斜体][/大文字]



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［…ラ……、ブ……ト…、…ブラット！］

アプセットにしては珍しい大きな声で目を覚ます。どうやら倒れてたみたいだった。踏み込みすぎたみたいだけど…まぁ、知りたいことは知れたし…

アプセット［〈最強〉が負けたらしい］
ブラット［それは意外。まぁ別にどっちでもいいけど…ど〜せ、死んではないでしょ？］
アプセット「うん。ちなみにさっきのは…」
ブラット［世の中には知らなくていいこともあるんだよ☆］






真相は着々と近づいている。



[大文字][中央寄せ]頑張ってね、[漢字]画面の前の君達[/漢字][ふりがな]観測者さん[/ふりがな]。[/中央寄せ][/大文字]