少女に明日を
宗教とはなんだろうか。
神とは一体なんだったのだろうか。
そもそも存在していたのだろうか。
存在していたのならば、なぜ助けてくれなかったのだろうか。
信じていれば報われるなんて嘘を吐いたのは誰だろうか。
…本当に存在していたとしても、結局それは私にとっては絵空事に過ぎなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ディジジョン[…【神力《偽》】?]
私がそう呟いた目の前に文字盤が表示された。
ーーーーー
【神力《偽》】
・全智
・天罰
・神託
・現人神
ーーーーー
これが【神力《偽》】の権能なのだろうか?
試しに…
ディジジョン[『全智』]
そう言った瞬間に大量の情報が頭に流れ込んできた…とてつもない頭痛がし、体が多すぎる情報に悲鳴をあげた。
ディジジョン[っっっ…『解除』…!]
【慧眼全知】を使ってきたからこそ耐えられたが恐らく並大抵の人間ならあまりの情報量の多さに体が耐えきれなかっただろう。【慧眼全知】では少しずつ情報を集めてきた。だからこそ体が悲鳴を上げる事はほぼなかったが、『全智』は違う。これまでの事も、これからの事も全てが流れ込んでくるのだ。それも【慧眼全知】よりも正確で細かな情報が。こんなものに耐えられるなど…本当にデウスと名乗った存在は…神に等しい存在なのだと思い知らされる…。
配下[国王様…!報告でございます…!そこらじゅうで国王様の判断を非難する声が上がり、ここまだくるのも時間の問題かと…]
玉座に戻った途端配下に声をかけられた。それはこれまでなら頭を抱える状況だったが、今は不思議と恐怖すらも感じなかった。
ディジジョン[そうですか。]
配下[冷静ですね…解決策でもあるのでしょうか?]
ディジジョン[そうですね…さっきこの世界の神と会ってきました、そう言ったらあなたは信じますか?]
配下[神…ですか?それは…、…いえ、あなた様がおっしゃるのであれば…信じます。]
その回答に少し驚くと同時に安心を覚えた。
(ガンガンッ、)
その瞬間大きな音が城内に響いた。それと同時に酷く城内が騒がしくなった。
(「こんなの認められるか!」「さがせさがせ!」)
ディジジョン[…私1人で十分です。あなたは下がっていてください。]
配下[…かしこまりました…。]
配下が去った後も黙って玉座に座り続けた。先ほどよりも近くで怒声が響く。
(ガチャ…ダンッ)
扉の鍵が開けられ、勢いよく扉が開く。
なんのつもりだだとか見損なっただとか、そんな声が響き、人々は武器を構えた。私を殺したいらしい。
だが、焦りも恐怖も未来への不安も感じなかった。
ディジジョン[【神力《偽》】『天罰』]
私がそう呟いた瞬間、この場に存在する全てが人々の敵となった。比喩なんかではない。文字通り全てが敵になったのだ。城内に設置された灯りに使われていた火は不滅の炎となり、飲み水は激流となった。その部屋の床が、壁が、天井が鋭利な刃となり、そこに存在した空気は全て置き換わり呼吸ができない状況が作り出された。
そして私の言葉を聞いていたであろう誰かが呟いた…
ーーー[これは神の力だ]、と。
神とは一体なんだったのだろうか。
そもそも存在していたのだろうか。
存在していたのならば、なぜ助けてくれなかったのだろうか。
信じていれば報われるなんて嘘を吐いたのは誰だろうか。
…本当に存在していたとしても、結局それは私にとっては絵空事に過ぎなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ディジジョン[…【神力《偽》】?]
私がそう呟いた目の前に文字盤が表示された。
ーーーーー
【神力《偽》】
・全智
・天罰
・神託
・現人神
ーーーーー
これが【神力《偽》】の権能なのだろうか?
試しに…
ディジジョン[『全智』]
そう言った瞬間に大量の情報が頭に流れ込んできた…とてつもない頭痛がし、体が多すぎる情報に悲鳴をあげた。
ディジジョン[っっっ…『解除』…!]
【慧眼全知】を使ってきたからこそ耐えられたが恐らく並大抵の人間ならあまりの情報量の多さに体が耐えきれなかっただろう。【慧眼全知】では少しずつ情報を集めてきた。だからこそ体が悲鳴を上げる事はほぼなかったが、『全智』は違う。これまでの事も、これからの事も全てが流れ込んでくるのだ。それも【慧眼全知】よりも正確で細かな情報が。こんなものに耐えられるなど…本当にデウスと名乗った存在は…神に等しい存在なのだと思い知らされる…。
配下[国王様…!報告でございます…!そこらじゅうで国王様の判断を非難する声が上がり、ここまだくるのも時間の問題かと…]
玉座に戻った途端配下に声をかけられた。それはこれまでなら頭を抱える状況だったが、今は不思議と恐怖すらも感じなかった。
ディジジョン[そうですか。]
配下[冷静ですね…解決策でもあるのでしょうか?]
ディジジョン[そうですね…さっきこの世界の神と会ってきました、そう言ったらあなたは信じますか?]
配下[神…ですか?それは…、…いえ、あなた様がおっしゃるのであれば…信じます。]
その回答に少し驚くと同時に安心を覚えた。
(ガンガンッ、)
その瞬間大きな音が城内に響いた。それと同時に酷く城内が騒がしくなった。
(「こんなの認められるか!」「さがせさがせ!」)
ディジジョン[…私1人で十分です。あなたは下がっていてください。]
配下[…かしこまりました…。]
配下が去った後も黙って玉座に座り続けた。先ほどよりも近くで怒声が響く。
(ガチャ…ダンッ)
扉の鍵が開けられ、勢いよく扉が開く。
なんのつもりだだとか見損なっただとか、そんな声が響き、人々は武器を構えた。私を殺したいらしい。
だが、焦りも恐怖も未来への不安も感じなかった。
ディジジョン[【神力《偽》】『天罰』]
私がそう呟いた瞬間、この場に存在する全てが人々の敵となった。比喩なんかではない。文字通り全てが敵になったのだ。城内に設置された灯りに使われていた火は不滅の炎となり、飲み水は激流となった。その部屋の床が、壁が、天井が鋭利な刃となり、そこに存在した空気は全て置き換わり呼吸ができない状況が作り出された。
そして私の言葉を聞いていたであろう誰かが呟いた…
ーーー[これは神の力だ]、と。