少女に明日を
人生とは分岐の連続だ。
分岐点でどのような選択をするのか。それは1人1人の選択であり、決して誰かに強制されるものではない。
そしてその細かな選択が自分自身の背中を押すか、それとも自分自身の首を絞めるか、それは自分次第である。
選択はやり直せない。一度進み出したら戻れない。
あとから後悔するなんて…許されない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レデェス国は今崖っぷちに立たされている。
大国だし、そんな事ないだろうと思われるかも知れないが、崖っぷちとしか言いようがないのだ。
レデェス国を構成する兵士の多くは祖国に対する愛が強い者がほとんどだ。それは通常ならとても良い事なのだが、世界統一を手助けする立場ならば、革命がなされた時に我も祖国のメリットはないに等しい。なぜなら、統一されたのならば、全てが平等でなくてはならなくなるのだから。この土地だけ優遇するなどすれば一瞬で反抗心が湧き上がる。
だからこそ、桜ノ王国と手を組んだ私の首を取ろうとする輩も多い。なぜ桜ノ王国と手を組んだのか、と。
そんなの簡単だ。
ーーー私に選択の余地がなかったからだ。
分岐点などという選択の余地があるものなんかではない。必然とした言いようがない。後ろ盾が強すぎるとでもいうのだろうか。あれは素直に従うしかなかった。ほぼ強制的に頷かされた様なものだ。
だがそんなもの説明のしようがない。私の能力で読み取ったものなのだから。
この国の国民は基本的に聡明だ。それ故に、メリットがない事も分かるし、私の肩を持つ必要がないことも分かる。
ディジジョン[はぁ…頭が痛いですね…]
??[お困りの様ですね。]
…は?
ディジジョン[誰でしょうか?来客の予定はなかったはずですが…]
??[ああ、失礼…自己紹介が遅れてしまいましたね。私の名前は…
羽咲 多岐です。]
ディジジョン[…名前からして桜ノ王国の人でしょうか?]
多岐[えぇ。そうです。突然すみません。]
ディジジョン[出来れば来ることを教えて欲しかったのですが…まぁ良いでしょう…それで要件はなんですか?現在は自国の事で忙しいのですが…]
多岐[存じています。だからこそそれの解決を手伝おうと思いまして…]
ディジジョン[手伝う…ですか。これはこの国の問題であり、桜ノ王国に干渉される筋合いはないのですが…]
多岐[ですが、このままではいけない…それはあなたも分かっているでしょう。今は自分自身の強さでなんとかしている様ですが…そのうちそれは通用しなくなりますよ?]
ディジジョン[…相変わらず痛いところをつきますね…ですが少なからず他国に干渉される筋合いは…]
多岐[時に、武力も強い力となります。]
ディジジョン[…何が言いたいのですか?]
多岐[この世界の悪名を背負う覚悟はありますか?]
ディジジョン[…何故きいたのですか?私に選択の余地なんてないでしょうに…]
多岐[いいえ。あなたには確かに選択の余地があります。このまま耐え忍び続ければ革命はなされ、あなたは英雄となる事ができるでしょう。それが最も賢く、自分が傷を負わない方法です。それを選んだって構わないのですよ。というかむしろ、こちらとしては耐え続ける事を選んでいただきたいくらいですよ。]
ディジジョン[…悪名…ですか…
ーーーいいでしょう。背負って差し上げましょう。
ところでなにをするおつもりで?]
多岐[…やはりあなたならそれを選びますよね…なにをするか…ですか?そんなの簡単ですよ。
ーーーあなたが頭を悩ませる存在の力を借り、この国を武力で制圧するのです。]
ディジジョン[…正気ですか?それは…]
多岐[えぇ、革命で勝ったところでその悪名は消えないでしょうね…なにより革命にも泥がつく。]
ディジジョン[それになんのメリットが?]
多岐[だからこそ…悪名すらも正当化しましょう。仕方がなかったのだと…]
ディジジョン[どうやって…?]
多岐[…新宗教を成しましょう。]
ディジジョン[…は?]
思わず心からの声が漏れ出たがこれは私は悪くないと思う。新宗教…?…まさかあれを信仰するつもりか?
多岐[えぇ。おそらくあなたの考えているとおりですよ。あなたが頷かされた理由…
“世界の創造者”
の力を借り、信仰しましょう。]
正気の沙汰じゃない。としか言いようがなかった。だが体は自分自身の心に忠実だった。
ーーー[面白い…その賭け…乗りましょう。]
分岐点でどのような選択をするのか。それは1人1人の選択であり、決して誰かに強制されるものではない。
そしてその細かな選択が自分自身の背中を押すか、それとも自分自身の首を絞めるか、それは自分次第である。
選択はやり直せない。一度進み出したら戻れない。
あとから後悔するなんて…許されない。
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レデェス国は今崖っぷちに立たされている。
大国だし、そんな事ないだろうと思われるかも知れないが、崖っぷちとしか言いようがないのだ。
レデェス国を構成する兵士の多くは祖国に対する愛が強い者がほとんどだ。それは通常ならとても良い事なのだが、世界統一を手助けする立場ならば、革命がなされた時に我も祖国のメリットはないに等しい。なぜなら、統一されたのならば、全てが平等でなくてはならなくなるのだから。この土地だけ優遇するなどすれば一瞬で反抗心が湧き上がる。
だからこそ、桜ノ王国と手を組んだ私の首を取ろうとする輩も多い。なぜ桜ノ王国と手を組んだのか、と。
そんなの簡単だ。
ーーー私に選択の余地がなかったからだ。
分岐点などという選択の余地があるものなんかではない。必然とした言いようがない。後ろ盾が強すぎるとでもいうのだろうか。あれは素直に従うしかなかった。ほぼ強制的に頷かされた様なものだ。
だがそんなもの説明のしようがない。私の能力で読み取ったものなのだから。
この国の国民は基本的に聡明だ。それ故に、メリットがない事も分かるし、私の肩を持つ必要がないことも分かる。
ディジジョン[はぁ…頭が痛いですね…]
??[お困りの様ですね。]
…は?
ディジジョン[誰でしょうか?来客の予定はなかったはずですが…]
??[ああ、失礼…自己紹介が遅れてしまいましたね。私の名前は…
羽咲 多岐です。]
ディジジョン[…名前からして桜ノ王国の人でしょうか?]
多岐[えぇ。そうです。突然すみません。]
ディジジョン[出来れば来ることを教えて欲しかったのですが…まぁ良いでしょう…それで要件はなんですか?現在は自国の事で忙しいのですが…]
多岐[存じています。だからこそそれの解決を手伝おうと思いまして…]
ディジジョン[手伝う…ですか。これはこの国の問題であり、桜ノ王国に干渉される筋合いはないのですが…]
多岐[ですが、このままではいけない…それはあなたも分かっているでしょう。今は自分自身の強さでなんとかしている様ですが…そのうちそれは通用しなくなりますよ?]
ディジジョン[…相変わらず痛いところをつきますね…ですが少なからず他国に干渉される筋合いは…]
多岐[時に、武力も強い力となります。]
ディジジョン[…何が言いたいのですか?]
多岐[この世界の悪名を背負う覚悟はありますか?]
ディジジョン[…何故きいたのですか?私に選択の余地なんてないでしょうに…]
多岐[いいえ。あなたには確かに選択の余地があります。このまま耐え忍び続ければ革命はなされ、あなたは英雄となる事ができるでしょう。それが最も賢く、自分が傷を負わない方法です。それを選んだって構わないのですよ。というかむしろ、こちらとしては耐え続ける事を選んでいただきたいくらいですよ。]
ディジジョン[…悪名…ですか…
ーーーいいでしょう。背負って差し上げましょう。
ところでなにをするおつもりで?]
多岐[…やはりあなたならそれを選びますよね…なにをするか…ですか?そんなの簡単ですよ。
ーーーあなたが頭を悩ませる存在の力を借り、この国を武力で制圧するのです。]
ディジジョン[…正気ですか?それは…]
多岐[えぇ、革命で勝ったところでその悪名は消えないでしょうね…なにより革命にも泥がつく。]
ディジジョン[それになんのメリットが?]
多岐[だからこそ…悪名すらも正当化しましょう。仕方がなかったのだと…]
ディジジョン[どうやって…?]
多岐[…新宗教を成しましょう。]
ディジジョン[…は?]
思わず心からの声が漏れ出たがこれは私は悪くないと思う。新宗教…?…まさかあれを信仰するつもりか?
多岐[えぇ。おそらくあなたの考えているとおりですよ。あなたが頷かされた理由…
“世界の創造者”
の力を借り、信仰しましょう。]
正気の沙汰じゃない。としか言いようがなかった。だが体は自分自身の心に忠実だった。
ーーー[面白い…その賭け…乗りましょう。]