少女に明日を
運気とは気まぐれなものだ。
そのくせこの世界は運気で成り立っている。
運が良かったから今生きている。運が悪かったから今死んでいる。
ずっと運が良ければきっと幸せになれるだろう。
私にも運があればなぁ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『生み出すは…終焉。素晴らしきこの世界を私が染めてみせましょう。』
終焉。さっきまで脅威にしか思えなかった軍が倒れていく。ものを消すことは不可能だ。だって消したとしてもそれは違う場所に違う形で存在し続ける。だから完全に消去する事は如何なる方法だろうと不可能だ。それを今、理解した。その事で安堵した。だって存在し続けるのならば、永遠姉さんも何らかの形で存在しているはずだ。原子レベルまで遡っても見えない大きさに破壊されていようとも、その破片は必ず残っているから。そして同時に…どこかに存在しているのならば私の能力で修復可能だ。つまり、私は本気を出せる。
でも、本気を出しても同格の相手ならば能力が打ち消し合い効かない。
ねぇ、そうでしょ?
この玉座の頂点に立つ人。彼だけは無理よね。
[…驚きました。ですがそれすらも…意味を持たなくして差し上げましょう。]
明日華[できるものならどうぞ。]
[そういえば自己紹介を忘れていましたね。私の名前は縁 李杯(えん りふい)です。短い間になりそうですが、よろしくお願いします。]
明日華「こちらこそ、長い付き合いになりそうですがよろしくお願いします。」
【死霊召喚】『死者傀儡』
その声に反応し、1人の少年がそこに立つ。冷たく正気の無い目。死者を傀儡として復活させたのだろうか。少年はナイフを構え、静かにこちらを見据える。
【運把声命】『必中』
ナイフで刺そうとしてくる、確かに私はそれを避けたはずだった。だけど…その瞬間…少年はたまたまバランスを崩し、たまたま手が滑り、たまたまそれが私に当たり、たまたまそれが大きな傷になった。…なるほど、運気を操る感じの能力かな。
縁[良い能力でしょう?]
明日華[…そうね、死者を冒涜する素晴らしい能力ね。]
縁はそう言いながら私に攻撃を仕掛けてくる。私は確かに避けた…が、
【運把声命】『運気絶上』
たまたま避けた際に死角ができ、たまたま死角から少年が出てきて、たまたま私に致命傷をくらわせた。
縁[どこまで行ってもあなたは弱い様ですね。]
ああ、本当に…
本当に馬鹿なやつだな。
弱い?ありえない。私は最強ですから。
だから私は…
【万物創造】『概念創造』
明日華「生み出すは冥界への導。死者は冥界へ、帰らせるものよ。」
【運把声命】『死回避』
少年は回避を発動させる。たまたま少年は死から逃れる…
ーーーそんなシナリオだったのだろうか?
回避なんてできやしない。だって…たまたま少年は冥界の導の近くに居て、たまたま冥界の能力使用不可の力が漏れ出ていて、たまたま能力が発動しなかったから。
結局明日華の掌の上でしかなかった。別に能力を使ったわけでもない。ただ、能力を使用していない少年の運気は普通のままであり、その際に少年は運気で彼女に負けた。それだけだ。
石畳の道がひかれ、少年はその強制力に従って冥界へ進んでいく。
縁[…は?っ、]
初めて見た時彼は絶対強者に見えた…けど、
明日華「なんだ。零姉さんにも永遠姉さんにも及ばないね。」
明日華は静かに縁に近寄っていく。
縁[あっ、ああ…]
【万物創造】『概念創造』
明日華「生み出すは終焉。」
すでに縁に対抗できる余力は残っていなかった。使い方次第ではとてつもない力を秘めている…けど、彼もまた能力を扱いきれていなかった。この事からも分かるだろう。能力を完全に扱える彼女達は異質なのだ。
明日華「私は幸運ですね。」
良い能力を得て、良い人と出会ったから。
今を確かに生きているから。
ーーーこれが最高最凶と後に讃えられた人物の始まりだった。
そのくせこの世界は運気で成り立っている。
運が良かったから今生きている。運が悪かったから今死んでいる。
ずっと運が良ければきっと幸せになれるだろう。
私にも運があればなぁ…
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『生み出すは…終焉。素晴らしきこの世界を私が染めてみせましょう。』
終焉。さっきまで脅威にしか思えなかった軍が倒れていく。ものを消すことは不可能だ。だって消したとしてもそれは違う場所に違う形で存在し続ける。だから完全に消去する事は如何なる方法だろうと不可能だ。それを今、理解した。その事で安堵した。だって存在し続けるのならば、永遠姉さんも何らかの形で存在しているはずだ。原子レベルまで遡っても見えない大きさに破壊されていようとも、その破片は必ず残っているから。そして同時に…どこかに存在しているのならば私の能力で修復可能だ。つまり、私は本気を出せる。
でも、本気を出しても同格の相手ならば能力が打ち消し合い効かない。
ねぇ、そうでしょ?
この玉座の頂点に立つ人。彼だけは無理よね。
[…驚きました。ですがそれすらも…意味を持たなくして差し上げましょう。]
明日華[できるものならどうぞ。]
[そういえば自己紹介を忘れていましたね。私の名前は縁 李杯(えん りふい)です。短い間になりそうですが、よろしくお願いします。]
明日華「こちらこそ、長い付き合いになりそうですがよろしくお願いします。」
【死霊召喚】『死者傀儡』
その声に反応し、1人の少年がそこに立つ。冷たく正気の無い目。死者を傀儡として復活させたのだろうか。少年はナイフを構え、静かにこちらを見据える。
【運把声命】『必中』
ナイフで刺そうとしてくる、確かに私はそれを避けたはずだった。だけど…その瞬間…少年はたまたまバランスを崩し、たまたま手が滑り、たまたまそれが私に当たり、たまたまそれが大きな傷になった。…なるほど、運気を操る感じの能力かな。
縁[良い能力でしょう?]
明日華[…そうね、死者を冒涜する素晴らしい能力ね。]
縁はそう言いながら私に攻撃を仕掛けてくる。私は確かに避けた…が、
【運把声命】『運気絶上』
たまたま避けた際に死角ができ、たまたま死角から少年が出てきて、たまたま私に致命傷をくらわせた。
縁[どこまで行ってもあなたは弱い様ですね。]
ああ、本当に…
本当に馬鹿なやつだな。
弱い?ありえない。私は最強ですから。
だから私は…
【万物創造】『概念創造』
明日華「生み出すは冥界への導。死者は冥界へ、帰らせるものよ。」
【運把声命】『死回避』
少年は回避を発動させる。たまたま少年は死から逃れる…
ーーーそんなシナリオだったのだろうか?
回避なんてできやしない。だって…たまたま少年は冥界の導の近くに居て、たまたま冥界の能力使用不可の力が漏れ出ていて、たまたま能力が発動しなかったから。
結局明日華の掌の上でしかなかった。別に能力を使ったわけでもない。ただ、能力を使用していない少年の運気は普通のままであり、その際に少年は運気で彼女に負けた。それだけだ。
石畳の道がひかれ、少年はその強制力に従って冥界へ進んでいく。
縁[…は?っ、]
初めて見た時彼は絶対強者に見えた…けど、
明日華「なんだ。零姉さんにも永遠姉さんにも及ばないね。」
明日華は静かに縁に近寄っていく。
縁[あっ、ああ…]
【万物創造】『概念創造』
明日華「生み出すは終焉。」
すでに縁に対抗できる余力は残っていなかった。使い方次第ではとてつもない力を秘めている…けど、彼もまた能力を扱いきれていなかった。この事からも分かるだろう。能力を完全に扱える彼女達は異質なのだ。
明日華「私は幸運ですね。」
良い能力を得て、良い人と出会ったから。
今を確かに生きているから。
ーーーこれが最高最凶と後に讃えられた人物の始まりだった。