少女に明日を
人類は言葉を持った。
いつしか言葉がなければまとまらない様になっていた。
駆け引きでこの世界は成り立っている。そう言っても良いほどに。
だがもし、言葉がなくとも心で繋がれる場合もある。
もしかするとそれが…ほとんどの人が辿り着けない真の繋がりかも知れない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最終確認をした後、すぐに外に出て会談場所に向かった。建物はいかにも高級品らしいものが並んでいる。そして、私達の前に一際大きな扉が現れる…。
会談に参加できるのは、代表者とその護衛1人のみでその他は扉の外で待つ事になっている。理由は単純明快。その場で争いが起こった際に大きな被害を出さないためだ。
ーーー頼んだわ。
そんな無責任な言葉は言えない。実際不安なところもある。けど…任せられる。あの2人なら。だって、あの2人は…違う、私達は、1人1人が最強だから。だから私は送り出すのだ。
ーーー「あなた達なら大丈夫。行ってらっしゃい。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
零姉さんの言葉に背中を押され、扉を開き、中に入った。中はピリピリとした空気が流れていた。
遂にこんな大舞台まで来てしまった。怖い。私に出来るかな…
(トンッ)
不意に永遠姉さんに背中を物理的に押される。
そうだ。大丈夫。だって私には姉さん達が付いているから。姉さん達は最強だから!
そして私は静かに口を開いた。
明日華[お忙しい中、この様な機会を設けていただきありがとうございます。本日、自国の王の代理人として参加させていただく、空音 明日華です。よろしくお願いします。]
えっ?お前外国語出来るの?って?出来るわけないじゃん。魔法で外国語を理解できる自動翻訳をしているだけだよ?ていうか永遠姉さんも今回は言葉の問題で負けない様に魔法使ってるし。
[こんにちは。明日華さん。私はディジジョン・シンニーシュです。こちらこそお願いします。]
言葉は翻訳だから柔らかいけど、圧が、圧が凄い。怖っ、これが大国の王様。でも臆しちゃ駄目だ。ちゃんとしないと!
明日華[本題に入ってもよろしいですか?]
ディジジョン[そうしましょう。]
明日華[同盟を結びたいのです。]
ディジジョン[なるほど…どういった同盟でしょうか?]
明日華[私達はこの世界に革命を起こしたいのです。それに協力してもらえませんか?]
ディジジョン[私達に何の利がありますか?]
明日華[あなた達と利害が一致すると思います。私達は革命を起こしてこの世界を統一したいです。あなた達もそれと同じではないでしょうか?]
ディジジョン[私達はあなた達がいなくても革命を起こせます。それに統一ならば統一時にどちらが頂点に立つかで揉めてしまいます。あなた達の案は間違っています。]
明日華[この国の問題を把握していますか?]
ディジジョン「論点をすり替えないで貰って良いですか。」
ディジジョンさんが私の話を遮ろうとする。けど、これは必要な話だ。
明日華[それは貧富の差が激しい事です。あなた達の政治は弱きを切り捨てます。それではいつか反乱が起きます。]
ディジジョン[何が言いたいのですか?]
明日華[あなた達の政治は間違っています。あなた達に世界は任せられません。]
ディジジョン[私達にくだれとそう言っているのですか?]
言葉の底から怒りを感じる。でも零姉さんが言ってくれた。あなたは、正しいと。永遠姉さんが教えてくれた。強者にも立ち向かわなくてはならないと。姉さん達が背中を押してくれる。私なら…大丈夫。
明日華[そうです。あなた達のやり方は不満を生みます。だから、余計に混乱してしまいます。]
ディジジョン[何かを切り捨てるのは必要な事です。あなた達は何も切り捨てずに革命を起こせると言えますか?]
明日華「言えます!私達は停滞派を改革派へここ2日で変えました。実績はあります!」
ディジジョン[…]
通常会議で感情論を出すのは良い事ではない。けれど、感情論も時に必要だ。人々の心を理解しようとしない者は愚かな者になってしまうからだ。
本来は感情と合理性どちらのバランスも取るのが良いのだが…他にも優れ方はある。1つは零姉さんの優れ方だ。感情論を含んだ合理性。この人はこれが嫌だからこっちの方が効率が良い。そう言った具合に合理性に感情論がすでに考慮されている。そしてもう1つは感情論特化型。感情論で話し、感情論で相手を説得する。零姉さんには馬鹿のやり方って言われたけど同時に優しい明日華らしいね、と言われた。感情論に特化するならば、人の心を分からないといけない。優しさを絶対に絶やしてはならない。自分の利を考えてしまう常人には不可能な方法。更に自分が正しくなければ使えない手法。でも、だからこそ
ーーー私は絶対に負けないよ。
いつしか言葉がなければまとまらない様になっていた。
駆け引きでこの世界は成り立っている。そう言っても良いほどに。
だがもし、言葉がなくとも心で繋がれる場合もある。
もしかするとそれが…ほとんどの人が辿り着けない真の繋がりかも知れない。
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最終確認をした後、すぐに外に出て会談場所に向かった。建物はいかにも高級品らしいものが並んでいる。そして、私達の前に一際大きな扉が現れる…。
会談に参加できるのは、代表者とその護衛1人のみでその他は扉の外で待つ事になっている。理由は単純明快。その場で争いが起こった際に大きな被害を出さないためだ。
ーーー頼んだわ。
そんな無責任な言葉は言えない。実際不安なところもある。けど…任せられる。あの2人なら。だって、あの2人は…違う、私達は、1人1人が最強だから。だから私は送り出すのだ。
ーーー「あなた達なら大丈夫。行ってらっしゃい。」
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零姉さんの言葉に背中を押され、扉を開き、中に入った。中はピリピリとした空気が流れていた。
遂にこんな大舞台まで来てしまった。怖い。私に出来るかな…
(トンッ)
不意に永遠姉さんに背中を物理的に押される。
そうだ。大丈夫。だって私には姉さん達が付いているから。姉さん達は最強だから!
そして私は静かに口を開いた。
明日華[お忙しい中、この様な機会を設けていただきありがとうございます。本日、自国の王の代理人として参加させていただく、空音 明日華です。よろしくお願いします。]
えっ?お前外国語出来るの?って?出来るわけないじゃん。魔法で外国語を理解できる自動翻訳をしているだけだよ?ていうか永遠姉さんも今回は言葉の問題で負けない様に魔法使ってるし。
[こんにちは。明日華さん。私はディジジョン・シンニーシュです。こちらこそお願いします。]
言葉は翻訳だから柔らかいけど、圧が、圧が凄い。怖っ、これが大国の王様。でも臆しちゃ駄目だ。ちゃんとしないと!
明日華[本題に入ってもよろしいですか?]
ディジジョン[そうしましょう。]
明日華[同盟を結びたいのです。]
ディジジョン[なるほど…どういった同盟でしょうか?]
明日華[私達はこの世界に革命を起こしたいのです。それに協力してもらえませんか?]
ディジジョン[私達に何の利がありますか?]
明日華[あなた達と利害が一致すると思います。私達は革命を起こしてこの世界を統一したいです。あなた達もそれと同じではないでしょうか?]
ディジジョン[私達はあなた達がいなくても革命を起こせます。それに統一ならば統一時にどちらが頂点に立つかで揉めてしまいます。あなた達の案は間違っています。]
明日華[この国の問題を把握していますか?]
ディジジョン「論点をすり替えないで貰って良いですか。」
ディジジョンさんが私の話を遮ろうとする。けど、これは必要な話だ。
明日華[それは貧富の差が激しい事です。あなた達の政治は弱きを切り捨てます。それではいつか反乱が起きます。]
ディジジョン[何が言いたいのですか?]
明日華[あなた達の政治は間違っています。あなた達に世界は任せられません。]
ディジジョン[私達にくだれとそう言っているのですか?]
言葉の底から怒りを感じる。でも零姉さんが言ってくれた。あなたは、正しいと。永遠姉さんが教えてくれた。強者にも立ち向かわなくてはならないと。姉さん達が背中を押してくれる。私なら…大丈夫。
明日華[そうです。あなた達のやり方は不満を生みます。だから、余計に混乱してしまいます。]
ディジジョン[何かを切り捨てるのは必要な事です。あなた達は何も切り捨てずに革命を起こせると言えますか?]
明日華「言えます!私達は停滞派を改革派へここ2日で変えました。実績はあります!」
ディジジョン[…]
通常会議で感情論を出すのは良い事ではない。けれど、感情論も時に必要だ。人々の心を理解しようとしない者は愚かな者になってしまうからだ。
本来は感情と合理性どちらのバランスも取るのが良いのだが…他にも優れ方はある。1つは零姉さんの優れ方だ。感情論を含んだ合理性。この人はこれが嫌だからこっちの方が効率が良い。そう言った具合に合理性に感情論がすでに考慮されている。そしてもう1つは感情論特化型。感情論で話し、感情論で相手を説得する。零姉さんには馬鹿のやり方って言われたけど同時に優しい明日華らしいね、と言われた。感情論に特化するならば、人の心を分からないといけない。優しさを絶対に絶やしてはならない。自分の利を考えてしまう常人には不可能な方法。更に自分が正しくなければ使えない手法。でも、だからこそ
ーーー私は絶対に負けないよ。