少女に明日を
敗北と勝利は表裏一体だ。
敗北を実感し、成長するのであれば勝利へと変わるだろう。
同時に勝利から何も学ぼうとしなければ敗北へと繋がるだろう。
敗北者達…お前は何を学ぶ?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『お前達の負けだ。』
ピッタリ重なったその声が上から聞こえてくる。紅の瞳は恐怖を覚えるくらい慈悲のない冷たいものだった。罠にかけられて、私には最早なす術なんてなかった。
…負け…嫌だ。私は…まだ、まだ、終わりたくない。ねぇ、姉さん。勝ち方を教えて。ここで終わりじゃないよね。ねぇ…
ーーー絶望した明日華が見た永遠の顔は希望に満ちていた。
淡い桃色の瞳は変わらず敵意と確かな光を持っていて、真っ直ぐに前を向いていた。
…そっか。私が馬鹿だった。姉さんは負けない。だって、姉さんはーーだから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
声が上からかかる。慢心と確信に満ちたその声は不快感を感じるには十分だった。この2人の能力は確かに強い。けどさ、どこまで内側からの衝撃に耐えられるの?あんまり使いたくなかったんだけどさ。
ーーー仕方ないよね。
能力【生死裁決】
彼女は姿勢の1つも変えないまま、真っ直ぐに2人を見つめながら、能力を使用した。パキリ、と音が響き渡る。それに対して双子は信じられないものを見る様に目を見開いた。
「は?」
「何が起こって…?」
困惑に満ちたその声を聞きながら、能力の出力を少し上げる。そうすればヒビは広がっていき、やがて首輪は少し力を入れれば壊れる様になる。
そして、ついに首輪が粉々に砕け散る。鉄らしい鈍い光を反射しながら、2人の驚愕した表情を映し、やがてそれは地にカラン、と音を立てて落ちた。
「嘘だろ。」
「ありえない。」
その紅の瞳は揺れ動き、確かな動揺が見てとれたが、やがて片方が思い出した様に声を上げる。
「でも、僕らにはまだ人質がいる。」
「そうだ。1人が強かったところでお前は僕らに勝てない。」
そういって落ち着きを取り戻した双子はナイフを私の妹と兄に突き付ける。だが、滲んだ汗は強い動揺と想定外の事柄に対する恐怖を孕んでいた。
その双子を見て、少し笑った後に堂々と真っ直ぐ紅を、光を反射するナイフを見つめながら告げる。
永遠「そうだね。本当に面倒な敵だと思うよ。でも、あなた達じゃ、私に勝てない。」
その自信に満ちた言葉に双子はピッタリと声をそろえる。
『は?』
その続きが紡がれる前に終わらせる。手をナイフに…そしてらそれを持つ双子に対して向ける。そして、ナイフが私に触れる前に、能力を発動させた。
【生死裁決】
『絶命死化』
双子は一瞬でその場に倒れる。先程まで敵意や困惑等様々な感情に彩られていた顔が無となる。まるで糸の解かれた人形の様に、2人はその場に崩れ落ちた。
それと同時に【絶対服従】が解け、私以外の2人の身にも自由が戻ってくる。
何が起きたかなんて答えは簡単だ。絶命した。死亡した。ただそれだけだ。自分でも理不尽な能力だと思う。でも、他にもこの世界には理不尽な能力がたくさんある。確かに双子の能力も強い。だからこそ、ただ敵が悪かった、というだけである。
虚無魔法『虚無世界』
そのまま崩れ落ちた2人に手を翳して、魔法を発動させた後、能力も発動させる。
【生死裁決】『復活生化』
何も手出しできない世界に閉じ込めた後に復活させる。あとは2人の首輪を壊してあげるだけ。これでまた…前に進める…はず…、、はぁ、能力…使ったら、、目眩がしてきた。まだ、私は王を倒すまでは、止まる…訳には……。
ドサリ、と誰かが…否、私が崩れ落ちる音が聞こえた様な気がした。その後すぐに視界が暗転する。目を開けなくてはいけない。前に進まなくてはならない。それは分かってる。でももう…眠気が……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
姉さんは敵を倒した後に倒れてしまった。急いで駆け寄れば、疲労故に寝ているだけだったらしく、ほっと息を吐く。疲労しきった身体で戦っても負けるだけだ。一旦休ませてあげよう。
そう考えて寝た姉さんを放置してから暫く経った後、ガラガラという音があたりに響き渡った。
明日華「っ、シャッターが」
シャッターが上がり、光が差し込む。そこには見た事のない黒の辺りに紛れやすい服の女性が居た。サッと弓を構えて、すぐ撃てるようにする。警戒心を露わにしながら問う。
明日華「あなたは誰?」
ーー「私…は…、敵じゃ…ない、。」
そう言って彼女は手を挙げ、降参のポーズをする。確かに武器を構える様子はないし、魔法や能力を使おうっていう準備的なのもない…少しは信用しても良いかも…。そう思って弓を下げると彼女も少しホッとしたように話し始める。そのまま少し話していると姉さんが目を覚ました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明日華「姉さん、大丈夫?」
起きると明日華の虹色の瞳が直ぐに目の前にあり、心配そうに顔を覗き込んできているようだった。寝て回復したけど…それより気になるのは明日華の隣にいる人。
永遠「大丈夫よ。それよりその人は?」
質問に答える暇もなく、虹色の瞳の彼女の代わりに見知らぬ彼女が口を開いた。
ーー「…作戦…、終了…。」
その言葉は淡々としていて、彼女の性格が表れているようにも聞こえたがそんな事よりもなんの作戦が終了したのか、そちらの方が明らかに気にするべきな事柄だった。私は直ぐに問う。
永遠「はぁ?何の話?」
ーー「あなた…の、妹さん」
明日華はここに居るし、なにより私に黙って何かを起こすようには見えない。ならば、思い当たるのは1人だけ。
永遠「零?」
彼女はその問いには答えなかったが、代わりにこう告げてくる。
ーー「付いてきて…、。」
手招きしながらそう告げる彼女に敵意はないようには思えたが、それはあくまでも感覚に近い。見知らぬ誰かについていくなんて、あり得ない。
永遠「信用できる訳が…」
多岐「もしもがあったら倒すまでです。着いていくのが賢明で、分かりやすいでしょう。」
永遠「…分かったわ。」
私の言葉を遮った少し緑がかった白髪の彼の主張に耳を傾け、渋々だけど着いて行くことにした。でも、私の心は変わらない。信用できない。ナイフを構え、能力をいつでも使えるようにしながら着いていく。
そんな私の様子も気にせず、見知らぬ彼女は淡々と廊下を歩く。お世辞にも活気のあるとはいえない…というか人がいるかすらも疑わしい、まるで観賞用とでも言うかのような綺麗だが不気味な廊下は居心地の良いものではなかった。
やがて、見知らぬ彼女は立ち止まる。大きな扉、それを開けばその先には玉座があった。そして、零と黒髪に白い瞳の彼が居た。ここにいるって事は彼は王だろう。零は私達から見て後ろを向いていて、彼はこちらを向いていた。やがて彼は軽くため息を吐く。その瞳に戦意のひとかけらも感じない事、そして零が立ち、彼がその場に立てていない事。状況を見ればすぐに分かった。零が先に倒してくれたんだ、と。
永遠「零〜!」
そう声をかけるとパッと嬉しそうに淡い青と黒の髪が揺れ、紅と淡い青の瞳がこちらを向く。
零「あっ、永遠姉。信じてたよ。」
永遠「負ける訳ないでしょ。この私が!」
自信満々に答えると背後からひょっこり顔を見せた淡い翠色と黒の髪を持つ彼女も頷きながら告げる。
明日華「本当に強かったんだよ、永遠姉さん。」
零「そう。」
その言葉も表情も淡々としているが、長年の付き合いである私にはとても嬉しそうだと感じる。本当に色々と心配したんだから、今度からはもう少し心臓に悪くない作戦にしてほしいわね…そんな事を考えながら、確認という事で彼女に問う。
永遠「制圧って事で良い?」
零「えぇ、良いわよ。」
そう告げると彼女が後処理の為か、他の場所に行こうとしたのを彼女の着ている水色のカーディガンを掴んでアホ毛の彼女が止め、私が両手を上に挙げる。そうすると2人とも察したらしく、片方はやれやれとでも言うようにため息をついた後、片方は目を輝かせて嬉しそうに両手を構える。
「じゃあ、せーの」
その瞬間、パチン!と音が鳴り、其々の手と手を重ねながら私達は声を揃えて言う。
『桜ノ王国制圧〜!』
敗北を実感し、成長するのであれば勝利へと変わるだろう。
同時に勝利から何も学ぼうとしなければ敗北へと繋がるだろう。
敗北者達…お前は何を学ぶ?
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『お前達の負けだ。』
ピッタリ重なったその声が上から聞こえてくる。紅の瞳は恐怖を覚えるくらい慈悲のない冷たいものだった。罠にかけられて、私には最早なす術なんてなかった。
…負け…嫌だ。私は…まだ、まだ、終わりたくない。ねぇ、姉さん。勝ち方を教えて。ここで終わりじゃないよね。ねぇ…
ーーー絶望した明日華が見た永遠の顔は希望に満ちていた。
淡い桃色の瞳は変わらず敵意と確かな光を持っていて、真っ直ぐに前を向いていた。
…そっか。私が馬鹿だった。姉さんは負けない。だって、姉さんはーーだから。
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声が上からかかる。慢心と確信に満ちたその声は不快感を感じるには十分だった。この2人の能力は確かに強い。けどさ、どこまで内側からの衝撃に耐えられるの?あんまり使いたくなかったんだけどさ。
ーーー仕方ないよね。
能力【生死裁決】
彼女は姿勢の1つも変えないまま、真っ直ぐに2人を見つめながら、能力を使用した。パキリ、と音が響き渡る。それに対して双子は信じられないものを見る様に目を見開いた。
「は?」
「何が起こって…?」
困惑に満ちたその声を聞きながら、能力の出力を少し上げる。そうすればヒビは広がっていき、やがて首輪は少し力を入れれば壊れる様になる。
そして、ついに首輪が粉々に砕け散る。鉄らしい鈍い光を反射しながら、2人の驚愕した表情を映し、やがてそれは地にカラン、と音を立てて落ちた。
「嘘だろ。」
「ありえない。」
その紅の瞳は揺れ動き、確かな動揺が見てとれたが、やがて片方が思い出した様に声を上げる。
「でも、僕らにはまだ人質がいる。」
「そうだ。1人が強かったところでお前は僕らに勝てない。」
そういって落ち着きを取り戻した双子はナイフを私の妹と兄に突き付ける。だが、滲んだ汗は強い動揺と想定外の事柄に対する恐怖を孕んでいた。
その双子を見て、少し笑った後に堂々と真っ直ぐ紅を、光を反射するナイフを見つめながら告げる。
永遠「そうだね。本当に面倒な敵だと思うよ。でも、あなた達じゃ、私に勝てない。」
その自信に満ちた言葉に双子はピッタリと声をそろえる。
『は?』
その続きが紡がれる前に終わらせる。手をナイフに…そしてらそれを持つ双子に対して向ける。そして、ナイフが私に触れる前に、能力を発動させた。
【生死裁決】
『絶命死化』
双子は一瞬でその場に倒れる。先程まで敵意や困惑等様々な感情に彩られていた顔が無となる。まるで糸の解かれた人形の様に、2人はその場に崩れ落ちた。
それと同時に【絶対服従】が解け、私以外の2人の身にも自由が戻ってくる。
何が起きたかなんて答えは簡単だ。絶命した。死亡した。ただそれだけだ。自分でも理不尽な能力だと思う。でも、他にもこの世界には理不尽な能力がたくさんある。確かに双子の能力も強い。だからこそ、ただ敵が悪かった、というだけである。
虚無魔法『虚無世界』
そのまま崩れ落ちた2人に手を翳して、魔法を発動させた後、能力も発動させる。
【生死裁決】『復活生化』
何も手出しできない世界に閉じ込めた後に復活させる。あとは2人の首輪を壊してあげるだけ。これでまた…前に進める…はず…、、はぁ、能力…使ったら、、目眩がしてきた。まだ、私は王を倒すまでは、止まる…訳には……。
ドサリ、と誰かが…否、私が崩れ落ちる音が聞こえた様な気がした。その後すぐに視界が暗転する。目を開けなくてはいけない。前に進まなくてはならない。それは分かってる。でももう…眠気が……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
姉さんは敵を倒した後に倒れてしまった。急いで駆け寄れば、疲労故に寝ているだけだったらしく、ほっと息を吐く。疲労しきった身体で戦っても負けるだけだ。一旦休ませてあげよう。
そう考えて寝た姉さんを放置してから暫く経った後、ガラガラという音があたりに響き渡った。
明日華「っ、シャッターが」
シャッターが上がり、光が差し込む。そこには見た事のない黒の辺りに紛れやすい服の女性が居た。サッと弓を構えて、すぐ撃てるようにする。警戒心を露わにしながら問う。
明日華「あなたは誰?」
ーー「私…は…、敵じゃ…ない、。」
そう言って彼女は手を挙げ、降参のポーズをする。確かに武器を構える様子はないし、魔法や能力を使おうっていう準備的なのもない…少しは信用しても良いかも…。そう思って弓を下げると彼女も少しホッとしたように話し始める。そのまま少し話していると姉さんが目を覚ました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明日華「姉さん、大丈夫?」
起きると明日華の虹色の瞳が直ぐに目の前にあり、心配そうに顔を覗き込んできているようだった。寝て回復したけど…それより気になるのは明日華の隣にいる人。
永遠「大丈夫よ。それよりその人は?」
質問に答える暇もなく、虹色の瞳の彼女の代わりに見知らぬ彼女が口を開いた。
ーー「…作戦…、終了…。」
その言葉は淡々としていて、彼女の性格が表れているようにも聞こえたがそんな事よりもなんの作戦が終了したのか、そちらの方が明らかに気にするべきな事柄だった。私は直ぐに問う。
永遠「はぁ?何の話?」
ーー「あなた…の、妹さん」
明日華はここに居るし、なにより私に黙って何かを起こすようには見えない。ならば、思い当たるのは1人だけ。
永遠「零?」
彼女はその問いには答えなかったが、代わりにこう告げてくる。
ーー「付いてきて…、。」
手招きしながらそう告げる彼女に敵意はないようには思えたが、それはあくまでも感覚に近い。見知らぬ誰かについていくなんて、あり得ない。
永遠「信用できる訳が…」
多岐「もしもがあったら倒すまでです。着いていくのが賢明で、分かりやすいでしょう。」
永遠「…分かったわ。」
私の言葉を遮った少し緑がかった白髪の彼の主張に耳を傾け、渋々だけど着いて行くことにした。でも、私の心は変わらない。信用できない。ナイフを構え、能力をいつでも使えるようにしながら着いていく。
そんな私の様子も気にせず、見知らぬ彼女は淡々と廊下を歩く。お世辞にも活気のあるとはいえない…というか人がいるかすらも疑わしい、まるで観賞用とでも言うかのような綺麗だが不気味な廊下は居心地の良いものではなかった。
やがて、見知らぬ彼女は立ち止まる。大きな扉、それを開けばその先には玉座があった。そして、零と黒髪に白い瞳の彼が居た。ここにいるって事は彼は王だろう。零は私達から見て後ろを向いていて、彼はこちらを向いていた。やがて彼は軽くため息を吐く。その瞳に戦意のひとかけらも感じない事、そして零が立ち、彼がその場に立てていない事。状況を見ればすぐに分かった。零が先に倒してくれたんだ、と。
永遠「零〜!」
そう声をかけるとパッと嬉しそうに淡い青と黒の髪が揺れ、紅と淡い青の瞳がこちらを向く。
零「あっ、永遠姉。信じてたよ。」
永遠「負ける訳ないでしょ。この私が!」
自信満々に答えると背後からひょっこり顔を見せた淡い翠色と黒の髪を持つ彼女も頷きながら告げる。
明日華「本当に強かったんだよ、永遠姉さん。」
零「そう。」
その言葉も表情も淡々としているが、長年の付き合いである私にはとても嬉しそうだと感じる。本当に色々と心配したんだから、今度からはもう少し心臓に悪くない作戦にしてほしいわね…そんな事を考えながら、確認という事で彼女に問う。
永遠「制圧って事で良い?」
零「えぇ、良いわよ。」
そう告げると彼女が後処理の為か、他の場所に行こうとしたのを彼女の着ている水色のカーディガンを掴んでアホ毛の彼女が止め、私が両手を上に挙げる。そうすると2人とも察したらしく、片方はやれやれとでも言うようにため息をついた後、片方は目を輝かせて嬉しそうに両手を構える。
「じゃあ、せーの」
その瞬間、パチン!と音が鳴り、其々の手と手を重ねながら私達は声を揃えて言う。
『桜ノ王国制圧〜!』