《超☆大型参加型》非公認組織 忍び×殺し屋 〜“鬼灯”〜
[水平線]
柚は、ゆっくりと身体を起こした。
ユズ(…あれ、うちは、撃たれて…)
出血したままの鳩尾がうずく。
柚は、辺りを見まわし絶句した。
つい先ほどまで鬱蒼とした森の中に居たはずなのに…そこには、だれも居なかった。
何一つ、物体がない。
あるのは、己の身体だけだ。
はっとして、足元を見下ろす。
柚の身体は、浮いていた。
暗闇に包まれた世界に、ただ一人浮かんでいる。
ユズ「ここ、どこなんや…?」
自分の身体さえ黒く見える程の闇。
『暗視』も役に立たず、虚無感は消えなかった。
ふと。
空中に、大きな黒い球が現れた。
[斜体]バチッ、バチリ[/斜体]
音を立てながら、それは柚に近づいてくる。
…いや、ちがう。
これあ…柚が球に引き寄せられて居るのだ!
ユズ「あぁもう、面倒いなぁ!」
柚は、ゆっくりとバランスを立て直す。
ユズ「『粉砕』!」
叫ぶと、モカ色の歯が球を噛み砕きに飛んで行く。
しかし、その牙は黒い球体へと吸い込まれ、消えて行った。
ユズ「くっそォ…!」
そこで、柚は自分の身体が重くなって行って居ることに気付いた。
自分の足から黒いオーラのようなものが漏れ出ている。
ユズ(重いッ…重いっ!!)
柚は勘づいた。
これは、自分の身体が大きくなって居るのではなく。
[大文字]体重を支える筋肉が、無くなっていっているのだ![/大文字]
ユズ「くそぉ…『追憶』!」
必死で身体を支えながら、柚はじっと球を見つめた。
少しずつ大きくなりながら近づいてくる球。
ユズ「…おっしゃぁ!このうちを舐めんじゃないでぇ!」
気合いを入れて、身を見開いた。
ユズ「『千里眼』ッ!!」
柚は思い出していた。
一番最初の自分の牙は、まだ森に残っていると言う事を!
頭の中に映像が途切れながらも流れ込んでくる。
背を向けて、立ち去ろうとする燐が、見えた。
ユズ「『粉砕』ッ!」
最後の力を振り絞って叫ぶ。
四天王の背中が、どんどん近くなる。
近くなって…
[斜体][大文字]グシャ‼︎[/大文字][/斜体]
音と共に、倒れ伏す燐。
柚は、光へと走り出した…
柚は、ゆっくりと身体を起こした。
ユズ(…あれ、うちは、撃たれて…)
出血したままの鳩尾がうずく。
柚は、辺りを見まわし絶句した。
つい先ほどまで鬱蒼とした森の中に居たはずなのに…そこには、だれも居なかった。
何一つ、物体がない。
あるのは、己の身体だけだ。
はっとして、足元を見下ろす。
柚の身体は、浮いていた。
暗闇に包まれた世界に、ただ一人浮かんでいる。
ユズ「ここ、どこなんや…?」
自分の身体さえ黒く見える程の闇。
『暗視』も役に立たず、虚無感は消えなかった。
ふと。
空中に、大きな黒い球が現れた。
[斜体]バチッ、バチリ[/斜体]
音を立てながら、それは柚に近づいてくる。
…いや、ちがう。
これあ…柚が球に引き寄せられて居るのだ!
ユズ「あぁもう、面倒いなぁ!」
柚は、ゆっくりとバランスを立て直す。
ユズ「『粉砕』!」
叫ぶと、モカ色の歯が球を噛み砕きに飛んで行く。
しかし、その牙は黒い球体へと吸い込まれ、消えて行った。
ユズ「くっそォ…!」
そこで、柚は自分の身体が重くなって行って居ることに気付いた。
自分の足から黒いオーラのようなものが漏れ出ている。
ユズ(重いッ…重いっ!!)
柚は勘づいた。
これは、自分の身体が大きくなって居るのではなく。
[大文字]体重を支える筋肉が、無くなっていっているのだ![/大文字]
ユズ「くそぉ…『追憶』!」
必死で身体を支えながら、柚はじっと球を見つめた。
少しずつ大きくなりながら近づいてくる球。
ユズ「…おっしゃぁ!このうちを舐めんじゃないでぇ!」
気合いを入れて、身を見開いた。
ユズ「『千里眼』ッ!!」
柚は思い出していた。
一番最初の自分の牙は、まだ森に残っていると言う事を!
頭の中に映像が途切れながらも流れ込んでくる。
背を向けて、立ち去ろうとする燐が、見えた。
ユズ「『粉砕』ッ!」
最後の力を振り絞って叫ぶ。
四天王の背中が、どんどん近くなる。
近くなって…
[斜体][大文字]グシャ‼︎[/大文字][/斜体]
音と共に、倒れ伏す燐。
柚は、光へと走り出した…