此処は、鬼灯の本拠地の屋根の上。

そこに、ナニカが佇んでいた。

ナニカは、じっとただ一人をひたすら見つめている。

やがて、その陰は姿を変えた。

陰は何処かで見たことがある、10歳くらいの少女に変化していた。

そう…彼女は、ハイネとよく似ていた。

よく似ていて、反対の要素で構築されていた。

白に黄色のメッシュが所々入ったボブのお団子髪と、
黒に赤色のメッシュが所々入ったロングのお団子。

白と橙のオッドアイと、
黒と朱のオッドアイ。

白いシンプルな浴衣と、
黒い豪華なゴスロリドレス。

それ以外はとてもよく似ている。

まるで、少し容姿を変えたかのように。

？「へぇ…このカラダ、面白い」

あどけない声で呟く彼女は、自分の足元に目を落とした。

？「サクラ」

少女の呼びかけに、闇から女性が姿を現す。

？「何で御座いましょうか」

？「アンタが目をつけた意味が分かったよ」

ハイネと似た少女が、ニヤ、と微笑む。

女性はそれに応えた。

？「えぇ…そうで御座いましょう。わたくしが営む、
[中央寄せ][明朝体]枝垂レ桜[/明朝体][/中央寄せ]が、唯一敵と認識している組織ですからねぇ」