圧倒的人手不足殺し屋 KAN
「助けてって…..どういう」
「もう、ここに君たちを襲うつもりの人間はいない。だから、場所、変えて話そ」
二人は場所を移動して
どこかの教室に入って行った。
そして、しばらくの沈黙の後
ヴァイラが口を開いた。
「8sの真相を知ったの。この間、つい最近。」
「え?」
「…………..8sはね。」
「…..うん」
ゆっくりと相槌を打った後。
ヴァイラが震える口を動かした。
「死体の…..集まりなんだよ」
「えっ?….どういう」
ヴァイラは続けた。
もちろん、私。私は生きてる人間だよ。
でもね、ずっと違和感があったの。
死んだはずの弟が生きてるわけないって。
十年前
「ねね、ねぇちゃん!見てこれ!スッゲェー!楽しいゲームなんだ」
深夜1時
短髪の男の子がお姉ちゃんに話しかける。
「ごう、なんでこんな時間にやってるのかなぁ、お母さんに言いつけちゃうぞ〜!?」
ごう、
海瀬 ごう それが弟の名前。
海瀬 白亜 それが私の名前。
あの時、ごうの表情は一気に青ざめて
土下座して報告しないでくれと懇願した。
でもその後結局
二人で親には内緒でゲームやったんだけどね。
そんな平和な日々がいつまでも
ずっと続く予定だったのに。
「ねぇ、あれ。白亜ちゃんの家の方から、すごい煙出てるよ。」
「…..!」
嫌な予感がした。
本能が家に向かえ、
そう叫ぶ。
その日は、まだ5時間目だったけど
私は学校を飛び出した。
そして、
家に向かう度に、
心臓の鼓動が不規則に早くなっていった。