圧倒的人手不足殺し屋 KAN
「朱里は!!!どこだ!!!」
群衆を掻き分け、カフカは現場へとたどり着く
「あの少年は誰?」
「さぁ、遺族のものか?」
目の前の光景は悲惨で
「なん…で。」
カフカの心を折った。
「カフカ。何故ここにいる。」
後ろから誰かに呼ばれた
「………は?」
「場所を移動しよう」
そして誰もいないスラム街の裏路地に着いた瞬間
「テメェ‼︎‼︎朱里に何かしやがったな!!!!」
「はっ、ははははっ!!落ち着きたまえ!カフカ君」
「落ち着けるかよ‼︎‼︎‼︎こんなッ!!状況になって!!」
胸ぐらを掴み思いっきりボスを壁に押さえつける。
「さっさと答えろ!返答次第では」
金属の音がする。
「この場でブチ殺す‼︎‼︎」
「あぁそうだ。私がやった。」
「なんでッ‼︎‼︎任務外の人間だろ‼︎!」
さらに強く手に力をかける。
「10年前君が拒否した任務の続きをやったまでだ。」
ハッとした。
そして複雑な感情が込み上げてくる。
あの日唯一拒否し、朱里の元へと向かってしまった。あの日の任務。
「じゃあ………あの日…….あの日の任務は」
拳銃が震える。
目の焦点が定まっていない。
「朱里の、家族を….殺す任務だったのか?」
「そうだとも。」
「………………あぁ。そうかよ。よくわかった。俺ら殺し屋がどんな薄汚え生きモンか理解したよ。」
そして、拳銃を、持っていた手も。
胸ぐらを掴んでいた手も下ろした。
「よかった、理解してくれて。君をKANの完全な玩具にするには邪魔者を、排除しなくてはね。」
「じゃあ、邪魔者は全員ぶっ殺せばいいのか?」
「あぁその通りだ……」
その瞬間。
目の前に銃口が向けられた。
「死ね」
「ねぇ、飛翔。」
「なんだいリファ。」
KANの本部ボスの座席には気絶して眠っている
朱里と
横には武器を構えている
リファと後のボス
神崎 飛翔がいた。
「ボス死んだね。」
「当たり前だ。目の前に死体あんじゃねぇか。」
目の前にはボスの死体を引きずっているカフカがいた。
「アンタそれ。自分が何したかわかってんの?カフカ。」
「わかってる。」
「じゃあもういいよね。あんたら、」
そういうと周りには沢山の殺し屋が出てきた。
「殺していいよ、ソイツ。」
そして一斉に飛び交った瞬間
「無駄だろ。」
手を広げて、ガチャを回す様に手を捻ると
横にいた殺し屋の骨が
円形に砕かれていった。
骨を折る音、踠き苦しむ音が部屋に聞こえ
鉄臭い血が部屋中に散らばる。
音が止んだ後、
部屋には骨と血と死体しかなかった。
カフカは全身に返り血を、食らっている。
水溜りの様な血溜まりをチャプチャプと歩き
そして朱里を担ぎ
「警告だ。」
「何?言ってみろ」
「反逆者の俺を追ってもいいが。」
「全員殺される覚悟でいろ。」
ここから先の物語は誰も知らない。
どうして強い鴉が殺されたのか、どうして鴉が生きてるのか、どうしてKANに戻ってきたのか。
それは鴉に
「直接聞くしかないな。」
「せや、今鴉は、KANの本部に行ってまた同じことを繰り返そうとしてんねや」
るるが言う。もう準備は整った様だ。
「あぁボクもあいつには聞かなきゃいけないことが山ほどある。」
「せやな、じゃあみんなで行こうか、鴉を止めに」
[中央寄せ]黄金楽座編[/中央寄せ]
[中央寄せ]閉幕[/中央寄せ]
その後の黄金楽座
「ダズ….ダルさん?」
8sの残党ピースがまだ残っていた。
(毒の花が咲いてる…………..あぁ。)
「あいつか!!!」
「姫宮!!るる!!!!!」
8s本部にて
「リドル?どうしたんだい?そんな顔して」
白鉄黄昏ているリドルに話しかける
「いや、なんつーか。カフカに言われたんすよ」
「なんと?」
「殺し屋こそ本当に救うべき人間だって」
「へぇ興味深い。」
「しかしボス。あの女どうするんですか?」
「?」
「メイリスとか言う女っすよ」
「あぁ彼女ね。」
「アルフィー殺されてんだ。それなりの処遇はねぇのかよ。」
そして、リドルは胸ポケットからたばこわタバコを取り出し吸い始めた。
「けどアルフィーは裏切り者だろ?」
「………そーでしたね。」
今世界にはただただ
不穏な風が流れていた。