圧倒的人手不足殺し屋 KAN
「陽はどこだ」
夏祭の胸ぐらを掴み月姫は言う。
「ひ….なた、….は」
段々と目が閉じてゆく、
それもそうだ、夏祭は、もう出血多量
さっきるるを助ける為、動いたのも九割
奇跡に近い
「夏、祭…?夏祭!夏祭!!」
「うる、、さいわ、、るる。」
るるの体にまわっていた毒は、月姫が燃やしてくれたおかげで回復した。
るるは、夏祭のそばに行き
生存してくれていたのが嬉しいのか
泣きながら血だらけの夏祭を優しく抱きしめた
「夏祭〜、、ああぁあぁぁぁあ!!うわぁぁぁぁぁぁあん、夏祭がッ、生きとったぁぁぁ」
泣きながら夏祭を抱きしめる。
しかし、夏祭はすぐに治療しなければ死んでしまう。
そんなことも知らずにるるは抱きしめていた。
そして、夏祭もるるの頭を撫でる
「はよ、、行けや。、、みん、、な、が。」
「でも!夏祭はどうなるん!!早くリファ先生でも呼ばないと!!」
「それはもう呼んだ。だから安心しろよ。おい、るる、そんな事よりも早く。陽の元に案内しろ!」
「……わかった。」
そして、ゆっくりと寝かせたあと、
るるは陽の元へ、月姫と共に向かった。
2人が過ぎ去ったのを確認した後
(やべぇ。うちが死ななかったのは。最後あいつ。ダスダルが手加減しとったからや。けど)
「死に….そうやなぁ」
「死なないわよ」
コツコツとヒールの音が聞こえる
「「蘇生」」
「ありがとうリファ。助かったよ」
「いいのよソフィア。」
「昔の名前で呼ばないで。」
「悪かったな、メイリス」
「それで、〜〜〜〜」
「〜ーー〜ー〜」
その後の会話はぼんやりとしていて
夏祭の記憶に残る事はなかった。
うちの頭の中ではたったの1秒の寝ている感覚だった。
目元に何か水が垂れる感触がした。
「….さい!…い!!夏祭!!!!」
目を開く。
ぼやけて何が何だかわからない。
目の前には泣いている女の子と
カーテン付きの天井
腕に何か刺さってて
身動きが取れない
静かだった。
そして悟った。
ここは病室だと。
もう一度眠ろうとした時
「夏祭ーー!!!!!起きたの!!!」
「……るせぇな。なん、だよ」
そして理解した。
目の前で泣いていた女の子は
るるだと
「在最!!ようやっと寝坊助さんが!!おきたぁぁぁあ!!!」
そしてるるはまた、夏祭に抱きつく
「離れろ!るる!!まだ体!痛いねん!」
「わっ、ごめん!」
どうしてうちがここにいる。
なんでや
あの後どうなった。
理解が追いつかへんわ
「在最、るる。一体何があったんや」
「………..本当に聞きたい?それ」
「?」
「…..簡潔に言うなら。在最。頼んだ」
「はぁ!?なんでボク!?」
るるに任され驚く在最。
こんな日常的な光景を見て、
本当に現実かどうか怪しくなってきた。
「….あんたは最後に会話できたやろ」
「….はぁ。簡潔に言うとな、」
「今から急いで、アメリカ。カルフォルニア?州。KANの本部に行くぞ」
「は?何をゆうてん…..?」
脳の理解が追いつかない。
「けど、アメリカに行くまであと、2日。それまでに早く怪我治しぃ」
そう言われて自分の体を見ると
包帯だらけだった。
いや、そんな事はどうでも良かった。
2人しか目の前にいない。
残りは?
皆んなは?
「他の奴らは何処や!!!」
「ほ、かの奴ら….か。」
「えと、陽、月乃、史紅。あと、にいちゃん。今、ここの病院で治療中。」
カーテンを全開にし、病室全体を見渡すと
いつもの仲間たちがベットで眠ってた。
「莉魅は?カリナスは?それから、朱肉、楓!メア!きらるは!?」
「俺らのリーダーは!!!」
るるの肩を力強く掴み、
尋ねる
「無事….なのか」
「今、あんたにコレを言うのは、少し残酷やだから…..」
「もしかして、、死んだのか?」
肩を掴む力が弱くなる
そして仲間が死ぬと言う推測に
心の底から恐怖を感じた。
「まぁ、言っていいでしょ。るる。」
「せやな」
「今から、黄金楽座で何があったのか。なんでKANに行かないといけないのか。」
全部話したる。