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2025/02/02
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参加型! 圧倒的人手不足殺し屋 KAN

#30

決着

笹丸の全身には切り傷がたくさんできている。
鰲海の攻撃によるものではない。
自分の能力許容範囲を超え、無理をしながら
能力を使用したことによって反動が自分の
身体に影響を及ぼしている。
ーーーー「「阿修羅」」
やはり阿修羅は鰲海の無限の能力自体を攻撃するため鰲海本体にも当たる。
しかし。
「なんか、さっきより威力落ちてないっすか?」
笹丸の刀は刃こぼれが見られて
【斬撃】の能力を最大限発揮できない状況だった。
鰲海は鎖にナイフを取り付け。
「よっ。」
振り回した鎖は
笹丸の後ろの柱に巻きつき
軌道を変えた。
そして背後から
攻撃した。
が、
「「斬」」
一瞬で振り返りナイフを弾いた。
【斬撃】の基本的な技
最強と謳われている彼がこの技を出すと言うことは
「もう、体力残ってない感じっすか?」
「うるせぇんだよ。黙れ。」
息を切らして立っているその姿は
まるで13年前の
悠真だった。
「本当、虚弱体質の奴は殺し屋なんて向いてないっすよ?」
嘲笑いながら鰲海は言う。
「………うるせぇ。」
虚弱体質は体力がなく疲れやすい、
神経質で胃腸が弱い、
冷え性、
代謝が悪い、
食が細い、
風邪を引いたら治りにくい、
血の気が無い、
顔色が悪い、
よく乗り物酔いをする、
たくさん食べていても太らない。
こんな体質の奴は勿論殺し屋なんか向いてない
でも。強くなりたいって思った。
努力すれば何とでもなると思った。
だから、毎日努力した。
俺は周りにとって簡単なことでさえも困難だった。
殺し屋養成学校でもそうだった。
周りだけ出来て。俺だけできない。
まだ、努力が足りないんだ。
そうずっと自分に言い聞かせて、
無理してまでも頑張って訓練を続けて。
24時間、毎日。
能力を自分のものにできるよう頑張った。
毎日。毎日。
でも

「コイツ。18まで生きられないよ。」

あの時。俺は二人の会話が聞きたくてこっそり
ドアに耳を当てて会話を聞いてた。
正直聞かなければよかったよ。
あんだけ努力してきたのに。
18歳までしか生きられない。
何がしたかったんだろう。
努力が無駄になった瞬間だった。
これ以上の絶望がこの世にあっただろうか。

「そんな奴が何でこんな高い能力適性持ってんすかね。不思議っすわ。世界って。」
体力的にも、もう厳しい笹丸は防御に徹するしかなかったが。
そんな笹丸の不意を突き。
片手で鎖に大きな瓦礫を取り付け。
豪快に攻めた。
笹丸は足場が崩れかけ一瞬
バランスを失った。
その一瞬を見逃さずに。
遠心力に任せた早く、
思い一撃が
笹丸を、直撃。
脳が回る。
血が足りない。
息が続かない。
立ちくらみがし、その場で棒立ちになってしまった。
「案外弱かったすね。それじゃ。」
拳銃を取り出して
笹丸の眉間に押し付ける。
引き金が引かれる寸前。
「……..」
笹丸は目を瞑り。
全てを諦めた。




冷VS藍。
「チッ。面倒だなぁ。」 
「…….。藍のことナメてる?」
「はっ。そんなわけないよ?」
藍が沢山の生徒に斧を持たせて豪快な戦いをさせている
壁の破片や、柱の瓦礫などが散る。
「何で反撃しないの?」
それもそうだ。
冷はただ藍の攻撃を回避するだけで何も反撃はしなかった。
「さっき言ったよね?策があるって!何もないじゃん!!」
周りからはそう見えるかもしれない。
しかし。冷には策があった。
ニヤッと笑った。
「俺はめんどくさいことは嫌いなんだよ。さっさと帰らせてもらう。」
その時。
外が急に輝き出した。
藍が穴あの空いた壁から外を見る。
「ーーー!!!」
驚いた。
そこには無数の星があった。
まるで
天の川のように。
その星は天空で静止していた。
相手の攻撃だと分かっていても。
美しくて。
見惚れてしまった。
後頭部に
銃口が押し付けられていることも知らず。
「じゃあな。大馬鹿野郎。」
引き裂くような機銃の音
そんな音と共に銃弾は藍の頭を貫いた。
「馬鹿だね。この星はただの幻覚。」
藍は血溜まりの上で倒れ死んだ。
先程まで美しく息が止まりそうなくらい美しかった星はどこにもなかった。
冷は幻覚を藍に見せて隙を作ったのである。
しかし。
まだ冷は警戒を解かなかった。
「おい、さっさと起きろ」
冷の頭の中には複数の可能性があった。
その中で最も有効な仮説がこれだ。
藍自体が人形で。
藍を操っている人間は他にいる。
理由としては藍が頭に身につけているカチューシャが金属でできている。もしかすると隠しカメラが搭載されているかもしれない。
加え、藍は人を人形のように操る能力者だ。
つまり遠距離型の能力。
そんな奴がわざわざ命をかけてまで前線に出る必要はない。
そう考えていた。
その予想は当たった。
「ふふっ本当君って天才だね。」
振り返ると後ろには
何体もの
人形が存在していた。
「うわ、キモっ。趣味悪くね?」
「藍は趣味悪くないもーん」
本体がどこにいるのかわからない以上。
このまま人形を殺し続けるのは無意味だ。
ただ体力が削られるだけ。
「本体は?どこ。さっさと教えろよ。」
冷静沈着。冷の性格だ。
ため息を交えながら冷は怠そうに言う。
「本体の居場所なんて教えないよ?馬鹿なんじゃない?」
「あっそ。……..チッ。」
この状況を切り抜けるには
交戦するしかない。
「…..めんどくさ。」
冷の表情が一気に真剣な表情になる。
冷の足もとにあった血溜まりが。
凍る。
「?」
藍は何が何だかわからなかった。
その瞬間。
藍を睨むように目を開ける。
「【八寒地獄】」
「!?!?!?」
その場の全てが凍る。
藍は身動きが取れなくなった。
「チッ!!!!」
「寒っ」
ふぅーっと息を吐きながら。コツコツと氷の上を歩いて藍に近づく。
「なんなのコレ!!」
ポケットに手を突っ込みながら身動きの取れない藍と至近距離まだ近づき。
「どうした?ほら反撃してこいよ。雑魚が。」
冷は藍を煽るようにわざわざ隙を見せながら言った。
「お前性格悪いでしょ。」
「悪くないし。」
そして。
「【万物創造】」
持っていた石ころを斧に変え。
「じゃあな。クソ雑魚野郎」
斧は藍の凍った首を切ってゆく。
そして、
殺した藍の背中を踏み台にして。
他の藍の首を取っていく。
殺して、
踏み台にして。
殺して
踏み台にして、
「お前でラストか。」
思いっきり最後の一体の首を
跳ね飛ばした。
そこらじゅうに首と死体が転がっている。
まさに地獄絵図だ。
しかし。
「本体、殺さなきゃだよな。」
その通りだ。
本体を殺さなきゃ永遠に敵は湧いてくる。
そして、本体を探しに行こうとした時。
思いもよらない司令が入る。


「……き!….!!!哭軌!!!」
「……….ら….ヴ?」
哭軌は砂浜に倒れていたまま発見された。
「大丈夫かよ哭軌!」
瑠奈も心配している。
「あ、れ?僕……。何して、」
そして、先程のことを思い出し。
「ッ!!!オルロフは!?!?どうなっ!!」
勢いよく起き上がるが。
「痛っ!!」
「無理しないで。ラヴ早く病院に連れてこ。」
マグマ爆発の衝撃により哭軌は後頭部を強く殴打した。
一刻も早く病院に行かねばならないが。
「待って、僕。まだやれる。」
「その怪我じゃ無理だろ。….ほれ、早く掴まれ。」
ラヴが手を差し伸べる。
「でも……」
「いい。相手が悪かった。それよりも哭軌の命優先。分かった?」
瑠奈が哭軌の体を支えて言った。
「………分かった。」
「んじゃ。笹丸に連絡して………。」
「ん?どうした。ラヴ。」
ラヴがスマホを取り笹丸に連絡を入れようとした時。
思いもよらない連絡が冷と同様に入った。


「しつこいなぁ!!ストーカー?」
空中に放り出されたヴァイラは
体制を整えて。
上から
ロケットランチャーを3人に向かって放つ。
が、
「蛇!飲み込め!」
容易に蛇によって飲み込まれ消化される。
「おぉ〜。椿すご〜い。」
「スフェ。真面目にやって?」
そして。
ヴァイラが着地すると同時に
蓮がヴァイラの足を狙い。
両足を切断。
しかし。
「「変化」」
容易に足がまた再生される。
「しつこいのはお前だろ。」
「あーね?お互い様ってことか」
そして
棒高跳びのように。
槍を地面に刺し
体を空中に持っていった。
そして、
「蓮!」
椿が蓮に斧を投げ。
空中で蓮が斧をキャッチし
落下と共に
斧をヴァイラ目掛けて振り落とす
が。
頭を狙ったその一撃は
ヴァイラの片腕を切断した。
「チッ。本当にめんどくさい奴だ。」
「私も〜。」
ヴァイラが蓮目掛けて
重い蹴りを入れる。
そして
「っ!!!」
椿たちの方向まで吹き飛ばされる。
槍を地面に刺し減速させる。
「意外?私意外と体術もいけんだよ〜?」
準備運動を今更しながらヴァイラが言った。
その時だった。
耳についている無線機から
指令が入った、
「え?本当?虎牙!?」
返事はない。
「椿。スフェ。どうする。」
目にかかる前髪をかきあげる。
その瞬間。
スフェが勢いよく飛び出して。
「スフェ!!」
ヴァイラの斧が頭を掠めたが
うまくバク転で避け
そのまま
逆さになったまんま。
ヴァイラに触れた。
そして
「ッ!!痛った〜。きゅーきゅーしゃ呼んで。」
「おい!スフェ!!!何して!」
ヴァイラがスフェの方向へ歩いていく。
スフェは「疲れた〜」なんで言ってその場ね寝転がっている。
「バカかよあいつ!」
そして、ヴァイラがスフェの顔を覗き込み。
衝撃的な一言を言った。
「君?生徒?危なくない?こんなとこいて。」
「え?」と椿が驚愕し
「は?」と蓮が驚いた。
「全然大丈夫。それよりも椿。蓮早く行こう。」
ヴァイラの手を取りスフェは起き上がる。
「うーん。睦月どこいったんかなぁ〜?」
ヴァイラは校庭へと向かっていってしまった。
まるで、記憶を無くしたように。
「おい、スフェ。何したんだ。」
「【記憶のユートピア】俺の能力で俺らの情報を消しただけだよ〜。それよりも早く。命令通りにしないとね。」
「……そうだけど。本当にいいのかなぁ。とりあえず。向かおう。」
3人は命令通りにどこかへ向かっていった。


「おい!上からやべぇ音聞こえんだがぁ!?」
ルーカスが玲奈を抱え廊下を爆走している
「早くしましょう!!早く笹丸さんに刀を届けないと!!!」
そして、
2人は階段を駆け上がった。
そこには。
銃で撃ち抜かれる寸前の笹丸がいた。
「笹丸!!!!!!!」
虎牙が叫ぶ。
引き金が引かれる。
しかし。
「?」
笹丸は死んでいなかった。
すると2人の間の奥には。
「は?玲奈?」
玲奈がいた。
玲奈はそっと刀を鞘にしまい。
チャキッと音を鳴らした。
撃たれる寸前。
玲奈が目を覚まして
即座に状況を理解し。
虎牙から刀を取り。
超高速の居合をお見舞いした。
「は?なんなんすか?本当に。」
そう思いまた笹丸に目をやるが
「!?」
そこにはもういなかった。


「あ??!!!テメェ!!馬鹿か!!!何勝手に死のうとしてんだァ!?」
ルーカスが笹丸の首を絞めてる。
「本当にびっくりしましたからね!!!!」
虎牙は頭をポカポカ殴ってる。
「私もです!!!!」
玲奈はずっと笹丸に往復ビンタをしつづけている。
「!!!!!!!!!!」
壁をバンバン叩いている。
「あ。ワリィ。絞めてた。」
「あっ。私もでした。殴ってた。」
「うわっ…ほっぺが赤い。あっ、私かやったの。」
「ケホッ…なんなんだよお前ら!!!折角褒めようかと思ったのに!!拷問か!!!」
「あ?んなの拷問じゃねェ!!!」
「ストップ!!おふざけはおしまいですよ!!」
虎牙は必死にルーカスを抑えている。
「さっ。笹丸さん。大丈夫ですか。」
「こんな切り傷、大丈夫に決まってるだろ。」
「それもそうなんですが………そっ。その。無理してませんか?」
図星だ。
実際そうだ。
笹丸は今日の戦闘時間の許容範囲を超えていた。
そのため【斬撃】による反動が来ていた。
加え。笹丸は自身が虚弱体質であることを仲間に伝えていない。
「大丈夫だ。多分。あと、刀ありがとな虎牙。」
「へへっ。じゃあ。一緒に戦いますか。」
虎牙が立ち上がるが。
「ダメだ。」



「退避しろ。」



そう残して、笹丸は立ち上がって鰲海の方向へと向かっていく
が。
「なんでですか!?笹丸さん!!」
虎牙が叫ぶ。
「俺があいつを瞬殺できねぇってことはこの間のジョーカーよりも何倍も強い。だから。」
「俺らじゃ勝てねぇってか?」
「そーだよ。駄犬。」
「あ?」
「まっ….待ってください!!」
玲奈が後を追おうとした時。
「うわっ!!」
地面が一直線に斬れた。
「………..。じゃあな。またアジトで落ち合おう。」
笹丸は後ろを振り返らず歩いていってしまった。
「笹丸さん!!!待っ!!グエッ!」
ルーカスが走っていきそうな虎牙の首襟を掴む。
「馬鹿虎。忠犬はリーダーの決断に従うんだよ。分かったか?ネコ科。」
「だってあの人。退避の選択肢はないって!言ってましたよ!!」
「しらね。忘れてんじゃねぇの。おい、玲奈行くぞ。」
「う、うん。……。」
そして、ナイトメアは戦線を離脱。
この学校に残ってるのは
笹丸のみとなった。
笹丸と鰲海は校庭へと出ていった。
そして。
「おい、クソ野郎。決着つけようじゃねぇか。」
「本当に全員返して良かったんすか?」
「いいんだよ。コレで本領発揮できる。」
虎牙の研いだ刀を帯刀し。
構える。
「そっちもそっちで人数多いなぁ!!あいつら仕事したのかよ。帰ったら説教だな。」
鰲海の後ろには。
オルロフ。
睦月。
藍。
ヴァイラがいた。
「余裕なんすね」
「たりめぇだろ。だって俺は。」



「【ナイトメア】のリーダーだからな!!!」








作者メッセージ

この話書くのに塾の10分休憩10回以上使って書きました死ぬほど疲れました。
あと今週一週間は新しい話は出ません!ごめんなさい!

追記
この編終了まで残り三話くらい!!!
よろしくね!!!!!

修正
笹丸の怪我の矛盾を修正しました。
現在彼はボロボロです。

2025/02/01 19:02

チョキチョキ ID:≫77qEOai5BwY.o
続きを執筆
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・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

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