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2025/02/02
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参加型! 圧倒的人手不足殺し屋 KAN

#29

萩野悠真の人生




13年前


荒々しい声がそこらじゅうで上がる
「この人息してない!!早くきて!!」
サイレンの音が夜の町中に響き渡る。
 周りには殺し屋であろう人間が何人も死んでいた。
「【蘇生】…..チッ。だめだ!!能力が通じない!!もうこっちは死んでる!!!」
恐らく野良の殺し屋同士の抗争だろう。
しかしそんな殺し屋をKANの救急隊は
微塵も助けようとせずに。
「………ッ!!母親と見られる女性の死亡を確認しました!!!!!」
その抗争に不幸ながらにも巻き込まれてしまったとある家族の命を救おうと精一杯に働いていた。
「こっちももうだめだ!父親と見られる男性。臓器がいつくか破壊されていて心肺停止!!
蘇生しても無駄だ!!!!」
そんな中
「はやくこの子を医療機関へ!!!この子だけが息してる!!!!」
母親、父親はもう、手遅れの状態だったが
たった一人の少年だけがまだ生きていた。
「早く!!!!!!!!」
急いで救急車を走らせKANの救急隊は
医療機関へと全速力で走った。

その息をしていた少年こそが

萩野 悠真

後の「笹丸」だった。




2日後KANの病院にて。

全身包帯を巻かれた悠真が目を覚ます。
(ここは?)
横を見ると。
「あぁーっ!!おきた!!まなせんせぇ!!おきたよ!!ゆうまくん!!!」
水色の目をした可愛らしい女の子がいた。
「本当かい?あぁ。悠真くんおはよう。」
「…………..。」
おはようと返したかったが今の悠真には呼吸をするだけで精一杯だった。
「本当に目が覚めてよかった。」
まな先生と呼ばれていた人物は傷だらけの 
悠真の手を握り締めて言った。
「………….どこ。…….ここ。」
精一杯の力を振り絞り悠真は声を出した。
「ここは病院。君は昨日重体を負ったんだよ」
その瞬間、悠真の脳内には昨日の出来事が
再生された。
途端に
悠真の目から涙がたくさん溢れてきた。
「どうしたの?ゆうまくん。」
「…………お……れの、かぞ….く….は?」
泣きながら悠真は雅娜(まな)に聞く。
「すまない。君の家族はもう…」
死んでしまった、
なんて雅娜は言えなかった。
「………………」 
悠真の目からさらに涙が溢れる。
「….ころした…の誰。」
段々と悠真は流暢に喋れるようになった。
「殺し屋、そいつらの抗争のせいだよ。」
「こ….ろしや?」
「殺し屋はね人を殺す残酷な仕事だよ。」

「…………..」
次にくる言葉を雅娜は理解していた。

「…………ころして…やる。ぜったいに、」

泣きながら悠真は言った。
悠真からは完全に殺意を感じ取れた。
雅娜はこの時「それはだめだ」なんて
止めることはできなかった。
このままこの少年を止めてしまったら
自害することを選んでしまうだろう。
しかし止めなかったら復讐で殺戮などをしてしまうだろう。
どちらにせよ地獄だ。
しかし、雅娜は
「そんなに復讐したいかい?」
「…….あぁ。」
「なら共に強くなろう。殺生を学び。共に生きてゆこう。」
雅娜は悠真を殺し屋にさせることを選んだ。
どちらの選択を選んでも最悪だったが
殺し方を学ばせればこの子をKANの戦力にできるかもしれない。
雅娜はそんな期待を同時6歳の悠真にそう思った。
「学ぶって….どこで。」
「わたしたちのいるところ!!!!」
「そうだねソフィア。KANの殺し屋育成学校で学ぶんだ。復讐したいならちゃんと学ばないと。」
にっこりと微笑む。
「わかった。……行く。それで….」
続きを言おうとした瞬間。
「はいはーい。そんな小さい子に殺人とか教えないでねぇー。まぁもう遅いか。」
「ケリーか。まぁいいじゃないか。復讐心は誰にも止められない。君もそうだっただろう?」
「そんなことどーでもいいですぅ〜。それよりも悠真君。どう?痛みはまだある?」
「まだ、、、すごくいたいです。」
「そう。」
コツコツとヒールを鳴らしながら近づいてきて。そのまま悠真の心臓に手を当て
「【蘇生】」
全身の切り傷や火傷。痛み。骨折。出血。
その他全部の怪我が一気に治る。
「!?!?」
「はい、終わり。ごめんね治療が遅くて。」
「何。今の。」
「能力よ。私の。」
「のう、りょく。家族には。なんで」
「すまないね。私の能力でも死者は蘇生できない。世の中のルールには能力者でも逆らえないのよ。あっあと。もう君退院だから後は好きに生きていきな。」
そう言い残してケリーは行ってしまった。
「……能力…お前も?..」
「私の能力が、気になります?」
「あぁ。」

「【斬撃】」

指を窓ガラスに向けてデコピンするように弾く
すると窓ガラスに斬撃が飛び窓ガラスは割れた
「!!!!」
「コレが能力ですよ。悠真くん」
「すげぇ。」
その能力に見惚れている中
「ねぇ!!ゆうまくん!!はやくじゅんびしていこうよ!!がっこう!!」
ソフィアがバックを持ってきながら
勢いよく雅娜に飛び蹴りをした
「ゴフッ!…..。待ちなさい、ソフィア。勢いがすごいなぁほんと。将来が心配だよ。」
悠真にはそんな会話すらも入ってこなかった
そして腹を括ったのか
「分かった、行く。案内してくれるか」
その悠真の目はもう真っ黒で
人殺しになる覚悟を決めたような目に見えた。





学校に入学して一年

近接戦実践授業にて
「ずぅーーーっと思ってたけど。悠真くんって虚弱体質?」
ソフィアが質問する。
近接戦を始めてから30秒もたつ前に悠真は息切れしていた。
そうだ、悠真は元々虚弱体質だった。
学校の体育の授業もいつも欠席していた。
帰りはもちろん親の送迎。
「はぁはぁ。あたり、まえだろ。ソフィア」
「んー。困ったね。コレじゃ殺し屋にはなれない。」
雅娜が困ったね表情をしている。
「そんなぁ。」
涙目になりながら悠真が言う。
「虚弱体質なのは誰にも改善できない。」
「わかってるっつーの。」
「けぇどぉ〜。一つだけ方法がある。」
雅娜は怪しい顔をしている。
完全に不審者だ。
「あ?んだよ。」

「まずは一日30分。全力で戦えるようにする話はそれからですね。」

そこからは毎日のように筋トレ。来る日も来る日も筋トレを続けた。
一日中、ずっと筋トレをし続けていた、
初めは10秒スクワットをしただけで
息切れ。
試しにソフィアと雅娜と悠真で
5キロ走ってみた。
しかし、無理しすぎたせいで病院送り。
タンパク質を取ろうとバランスの良い食事を出すも
胃が小さいため8割残す。
もうだめだとソフィアと雅娜は諦めかけていたが
悠真には一つの才能が開花した。
それが刀の才能だ。
居合。
超高速で繰り出す一撃の攻撃は悠真の体力
でもできる。それくらい体力を使わない技だった。
それ以降
毎日筋トレと刀の稽古を続けた結果。


2年後にはもう
5キロ走れるようになり
腕の筋肉も十分についた
十分間ならソフィアと対等に戦えるようになった。
しかし十分を過ぎると
倒れて病院送り。
それでも着実に実力はついて行った。


それからまた一年。

もう悠真は完全に30分以内なら全力で
戦えるようになった。
悠真はこの一年で雅娜からたくさんの技を
教えてもらった。
中でも一番高速で体力の負担もない技が


ーーーー神威だった。


しかし、30分全力で戦えると言っても
世にいる殺し屋は能力持ちが多い。
もちろん悠真は能力者ではなかった。
このままいけば能力持ちに殺されて死ぬ。
そんな時
「雅娜先生。俺もっと強くなりたい。」
そう、悠真は雅娜に申し出た
しかし雅娜は待っていました
と言わんばかりの表情をして
「分かったよ。じゃあまた明日」


10月末

『正気か?雅娜』
「あぁ、正気さ。もとより僕はもう、そこまで寿命もう残ってないしな」
『そうじゃなくて!お前今最強じゃん!!
KANのボス…いや。俺の親父が言ってるお前を次のボスにしたいって!!なのに!!!』
「いいんだよ、飛翔。僕が決めたことだ。」
『でも!!!!』
「神崎飛翔。冷静になれ。」
雅娜が飛翔の言葉を途中で遮る。
会話が止まる。
夜の風の音がよく聞こえる。
「僕は教育を選んだ。殺されない強い殺し屋を育てるために。だからこの決断に悔いはないさ」
『だからって!!最強の地位を捨ててまでも』
「…………飛翔。」


『悠真に【斬撃】譲渡すんのかよ‼︎‼︎‼︎』



「最強の地位があっても何も役に立たない。」
『でもっ!』
「いんだよ。」
そう、飛翔を突き放すような一言を放った後
雅娜は通話を終了した。

能力の譲渡。
相手のDNAを何でも取り込めば能力の譲渡が可能。
しかし譲渡は渡す側と受け取る側の合意が必要である。
雅娜は笹丸に何か可能性を見たのか。
はたまた笹丸を最強にしたかったのか。
生まれつき能力を持っていない悠真に能力を譲渡することは悠真の体に大きな負担をかける。
そんなリスクを知ってまで雅娜は
悠真に最強になってほしいが故に

悠真に【斬撃】を譲渡した。

譲渡した後、悠真は能力になれるためたくさん修行を積んだ。
雅娜は悠真の体が壊れないか心配だったが
悠真は虚弱体質だったものの
能力の才能においては天才だった。
そもそも斬撃は拳銃のように手から斬撃を飛ばすような能力だった。
しかし、悠真はそれを手で行わずに
刀を使い、自分の居合のスキルと能力を使い合わせた。
それから僅か3ヶ月で悠真は
【斬撃】をものにして見せた。
それを見ていた雅娜は
悠真は虚弱体質になる代わりに
殺しの才能を与えられた少年ではないかと思うようになった。



それからまた一年。

ーー「「神威」」
斬撃が50メートル離れた木を斬る。
もう完全に【斬撃】をものにした。
しかしここからが問題だった。
能力を自分のものにできたことはすごいが。
元々虚弱体質である彼にとって
能力を使用することは過酷だった。
そしてその日はくる。
「さてと、休憩にしましょうか。」
「ふぅ疲れた〜。ねぇ悠真。この間の続きなんだけど…….さ。」
ドサッとその場で悠真は倒れてしまった。
「悠真くん?」

         
         
その後KANの病院へ行って診てもらった。
その時、ケリーは別任務で不在だったが
ケリーの姉。リファが診てくれた。
「ねぇ。コイツ超ヤベェよ。」
タバコを吸いながら診断結果を診て言う。
「何がやばいんだ。リファ。」
「まず、能力適性ってのはわかってるよね。そいつがどれくらい能力に適応できるか。つまり。ペットボトルの容器にいくら水が入るかって言う感じね」
「わかってるさ、」
「んじ本題。コイツの能力適性を診てみた」
「どうだった?」

「コイツ。尋常じゃないくらい適正レベルが高い。多分お前よりも高いよ。そうだなぁAからSで表すならSSくらい。やばい。そりゃ3ヶ月で能力をものにできるよな」


タバコをフーッと吐いて灰皿にグリグリと押し付ける。
「ただ。」
「何だ。」
「萩野悠真はバグだ。」
「バク?」
バグ。
ゲームなどで壁をすり抜けたり、
HPが無限になったりすることだ。
しかし現実世界においてバグは一切存在しない。
だからこの時は抽象的にバグと表現するしかなかった。
「何で悠真がバグ何だ。」
「人が生まれながらにして口から火ぃ出したりするかぁ?」
「す…….いや、常人じゃ不可能だな。」
「それと一緒。非能力者は能力適性なんて持ってないハズなんだ。持ってたとしても少量」
「……それ、もしかして虚弱体質と関係ある?」
「御名答。高い能力適性を望まないにしても手に入れてしまった。だから代償に虚弱体質になった。私はそうとしか思えないよ。」
タバコ一箱吸い切ってしまったのでまた新しいのを探す

「ん。そうだ。雅娜」
「何だ?てかタバコ臭い。」
「悪い知らせと。いい知らせどっち聞きたい?」
まだ火の付いていないタバコを咥えながら
リファは言う。
「……..いい知らせ。」
「コイツの能力適性無くすことはできないけど。敵性低くして虚弱体質改善できるよ。」
「【斬撃】はどうなる。」
「あげちゃったものはもう返却できねぇよ。」
棚の中のにある大量の書類をリファは漁ってる。
それをただただ、雅娜は見守っている。
「じゃぁ。悪い知らせは」


「コイツ。18歳まで生きられないよ。」


間髪入れず。
リファは残酷なことを言った。
「………」
「あんただってそうでしょ?世界の均衡を保つために高い能力適性のあるものは自然と寿命が短くなるの。まぁ今の所あんたと悠真しかいないんだけどね。」
この世界の均衡を保つためには
バグで生まれた最強は早く死ななければならない。
最強がこの世に留まり続けてしまったら
バランスが崩れる。
そのためバグは寿命が短くなってしまう。
現に、雅娜も短命だった。
「このまま悠真が能力を使い続けたらどうなる。」
「まぁ。体力持ってかれて更に寿命縮めるだろうな。」
「…..悠真の寿命を長くすることはできないのか。」
「……それは悠真次第だな。18まで生きられないって言っても本当にそうなるかはわからない。」
「そうか。」
「もしも……….。」
「何だ?」
「もし悠真が18も超えて生き続けてたらきっと最強の殺し屋になるよ。」 
「なるといいな。」





それから悠真は15歳になり
学校を卒業した。
このタイミングで当時のKANのボス
神崎 透が死亡。
新たなボスは雅娜ではなく
神崎 飛翔に任命。
その後。
悠真の存在が殺し屋界を震わせた。
そして、新しく。
【ナイトメア】という。
KANに新たな殺し屋が生まれた。
そして。

今に至る。
「長すぎですよ。…..て言うか姉からそんなの伝えられてませんでしたよ。」
落ちて割れたコップの破片をケリーは集めている。
そして飛翔は塵取りを構えていた。
「まぁ、そうだろうな。あれは極秘だからな」
「じゃあ何で今私に言ったんです?極秘なんでしょ?」
そして飛翔は複雑そうな顔をして言った。
「笹丸。いや悠真は今」


「18歳なんだ。」

[斜体][/斜体]

作者メッセージ

今回長すぎた!!!
今まで書き留めてたもの一気に使っちゃった。
全文読んでくれると嬉しいな!!!(無茶)
ソフィアって誰??って思った人。
私もわかりません。でもいずれ正体が明かされます

2025/01/26 17:21

チョキチョキ ID:≫4pZYbucUEC/ZE
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