【読み切り】はんぶんこ。
#1
仲良しな双子
私は[大文字]『コノミ』[/大文字]。双子の妹の[大文字]『ナナミ』[/大文字]とおばあちゃんと暮らしてる。
両親は私とナナミが小さいころに交通事故で亡くなった[打消し][/打消し]。おばあちゃんとの生活はあまり余裕がなくて、ナナミとはオモチャやお菓子などは[下線]一つを二人で分ける[/下線]ような毎日だった。
祖母「コノミちゃん、ナナミちゃん、おやつだよ。」
コノミ&ナナミ[大文字]「わぁ~い!」[/大文字]
今日のお菓子はスナック菓子。二人で一つずつ口にしていくと、一つ余った。
コノミ「どうしよう…?」
私がどうしようか困っていると、ナナミが微笑んだ。
ナナミ[大文字]「[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]しよ!」[/大文字]
私も大賛成し、スナック菓子を二つに割る。二人で一つを分けた。
ある日、近所のおじさんが商店街の景品で当たったと[太字]クマのぬいぐるみ[/太字]をくれた。
ぬいぐるみは[下線]一つだけ[/下線]だった。
[小文字][小文字]ナナミ「これじゃあ[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]できないや。」[/小文字][/小文字]
ナナミが悲しそうな顔をしたけどすぐに明るく嬉しげだ。気のせいだと思って、二人で遊んだ。
コノミ「あれ?ぬいぐるみが無いよ?」
ナナミ「[大文字]ぬいぐるみ?[/大文字]なんの?」
コノミ「[大文字][太字]クマ[/太字]のやつ![/大文字]おじさんがくれたじゃん。」
ナナミ「中学生にもなって何に使うの?」
私たちは中学生になった。押入れを開けて、説明するために振り返る。
コノミ「文化祭の展示に使えるかなって。」
押入れの四方を見渡す。ぬいぐるみ[漢字]だと思われる[/漢字][ふりがな]・・・・・・[/ふりがな]物体が目に入る。
コノミ[小文字][明朝体]「なに…これっ…⁉」[/明朝体][/小文字]
ナナミ「どうしたの~?」
ナナミが来て思わず押し入れの引き戸を閉めた。クマのぬいぐるみは[太字]残酷[/太字]にも、[下線]半分に引き裂かれていた[/下線]のだ。こんなのナナミに見せられない。私がきっと、ちゃんと管理せず放置したから、ネズミにでも漁れてしまったのだろう。
そんな事実を知ったナナミはきっと悲しみに暮れてしまう。ナナミが[下線]特に大事にしていた[/下線]ぬいぐるみだったから。
コノミ「[大文字]何でもないよ![/大文字]中にネズミの死体があってさ…ナナミってグロイ奴あんまり好きじゃないから、[大文字]見ない方が良いよ![/大文字]」
ナナミがグロイものが嫌いなのは事実だ。小学校で大事に買っていたウサギが[打消し]歪にも胴体から[太字]真っ二つ[/太字]に切断されて[/打消し]見つかった時、私は泣きそうになったけど、それ以上に横でナナミが涙を流していた。あの時の事だ。
大切なものがなくなってしまう。[下線]そんな思いさせたくない。[/下線]
ナナミ[明朝体]「…そっかぁ。」[/明朝体]
それからしばらくたって、高校生になった。おばあちゃんは亡くなって、今は二人で学校の寮で生活している。
コノミ「ナナミってさ、[太字]好きな人[/太字]っている?」
ナナミ「え~?じゃあ、そういうコノミは居るの?」
コノミ「…三年生の[大文字]『サイトウ』先輩[/大文字]。」
ナナミ「…一緒。」
コノミ「[大文字][大文字]えぇっ⁉[/大文字][/大文字]双子だからかなぁ?好きな人まで一緒って…w」
ナナミ「[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]…」
コノミ「[大文字][大文字]無理でしょ‼[/大文字][/大文字]昔とは違うんだから、[下線]ライバル同士[/下線]なんだよ?」
ナナミ「でも…。」
双子同士で争いたくないのかナナミは黙ってしまった。
一週間後、夏休みになった。今日はナナミは部活で学校に行っている。食堂で昼食をとりながら、テレビのニュースをながめていた。
[明朝体]『次のニュースです。■■高校のサイトウさんが、今朝未明、何者かに殺害され発見されました。半分に引き裂かれていたようです。警察は―――』[/明朝体]
箸が落ちる。背が冷たくなっていくことを感じる。
コノミ[大文字]「逃げなくちゃッ…‼」[/大文字]
両親は私とナナミが小さいころに交通事故で亡くなった[打消し][/打消し]。おばあちゃんとの生活はあまり余裕がなくて、ナナミとはオモチャやお菓子などは[下線]一つを二人で分ける[/下線]ような毎日だった。
祖母「コノミちゃん、ナナミちゃん、おやつだよ。」
コノミ&ナナミ[大文字]「わぁ~い!」[/大文字]
今日のお菓子はスナック菓子。二人で一つずつ口にしていくと、一つ余った。
コノミ「どうしよう…?」
私がどうしようか困っていると、ナナミが微笑んだ。
ナナミ[大文字]「[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]しよ!」[/大文字]
私も大賛成し、スナック菓子を二つに割る。二人で一つを分けた。
ある日、近所のおじさんが商店街の景品で当たったと[太字]クマのぬいぐるみ[/太字]をくれた。
ぬいぐるみは[下線]一つだけ[/下線]だった。
[小文字][小文字]ナナミ「これじゃあ[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]できないや。」[/小文字][/小文字]
ナナミが悲しそうな顔をしたけどすぐに明るく嬉しげだ。気のせいだと思って、二人で遊んだ。
コノミ「あれ?ぬいぐるみが無いよ?」
ナナミ「[大文字]ぬいぐるみ?[/大文字]なんの?」
コノミ「[大文字][太字]クマ[/太字]のやつ![/大文字]おじさんがくれたじゃん。」
ナナミ「中学生にもなって何に使うの?」
私たちは中学生になった。押入れを開けて、説明するために振り返る。
コノミ「文化祭の展示に使えるかなって。」
押入れの四方を見渡す。ぬいぐるみ[漢字]だと思われる[/漢字][ふりがな]・・・・・・[/ふりがな]物体が目に入る。
コノミ[小文字][明朝体]「なに…これっ…⁉」[/明朝体][/小文字]
ナナミ「どうしたの~?」
ナナミが来て思わず押し入れの引き戸を閉めた。クマのぬいぐるみは[太字]残酷[/太字]にも、[下線]半分に引き裂かれていた[/下線]のだ。こんなのナナミに見せられない。私がきっと、ちゃんと管理せず放置したから、ネズミにでも漁れてしまったのだろう。
そんな事実を知ったナナミはきっと悲しみに暮れてしまう。ナナミが[下線]特に大事にしていた[/下線]ぬいぐるみだったから。
コノミ「[大文字]何でもないよ![/大文字]中にネズミの死体があってさ…ナナミってグロイ奴あんまり好きじゃないから、[大文字]見ない方が良いよ![/大文字]」
ナナミがグロイものが嫌いなのは事実だ。小学校で大事に買っていたウサギが[打消し]歪にも胴体から[太字]真っ二つ[/太字]に切断されて[/打消し]見つかった時、私は泣きそうになったけど、それ以上に横でナナミが涙を流していた。あの時の事だ。
大切なものがなくなってしまう。[下線]そんな思いさせたくない。[/下線]
ナナミ[明朝体]「…そっかぁ。」[/明朝体]
それからしばらくたって、高校生になった。おばあちゃんは亡くなって、今は二人で学校の寮で生活している。
コノミ「ナナミってさ、[太字]好きな人[/太字]っている?」
ナナミ「え~?じゃあ、そういうコノミは居るの?」
コノミ「…三年生の[大文字]『サイトウ』先輩[/大文字]。」
ナナミ「…一緒。」
コノミ「[大文字][大文字]えぇっ⁉[/大文字][/大文字]双子だからかなぁ?好きな人まで一緒って…w」
ナナミ「[明朝体]はんぶんこ[/明朝体]…」
コノミ「[大文字][大文字]無理でしょ‼[/大文字][/大文字]昔とは違うんだから、[下線]ライバル同士[/下線]なんだよ?」
ナナミ「でも…。」
双子同士で争いたくないのかナナミは黙ってしまった。
一週間後、夏休みになった。今日はナナミは部活で学校に行っている。食堂で昼食をとりながら、テレビのニュースをながめていた。
[明朝体]『次のニュースです。■■高校のサイトウさんが、今朝未明、何者かに殺害され発見されました。半分に引き裂かれていたようです。警察は―――』[/明朝体]
箸が落ちる。背が冷たくなっていくことを感じる。
コノミ[大文字]「逃げなくちゃッ…‼」[/大文字]
/ 1