廊下一面に血が張り付いている。当たり前だ。
腹から血を流した彼女を僕は運んでいるんだから。
「もう少しだよ。カレン」
常に心臓の音が聞こえる。うるさいなぁ。
頭も締め付けられるような感覚がする。
それでも僕は屋上を目指して歩った。警察の音が聞こえる。早く登らないと。早く。
ついた。
そう安心したと同時に僕は後ろから殴られた。
警察か。
「松田裕貴‼︎お前を殺人罪、器物損害罪で現行犯逮捕する‼︎」
拳銃を向けられちゃあ僕にもなす術がない。
でも。
「僕らの物語に踏み込んでくるなよ。」
痛い。痛い。
「この子、死んでる。岡部！早くそいつを捕まえなさい‼︎」
咄嗟に反応した
「カレンに触るな‼︎」
そのまま僕は女性警察官からカレンの死体を奪ってそのまま。



屋上から飛び降りた。